解説

減価償却費加算の試算(「標準」「都市部」の区分)

減価償却費加算は、市町村に認定された施設が対象で、区分は「標準」か「都市部」のいずれかです。要件そのものは試算では判定しません。区分の入力方法と、賃借料加算との関係を説明します。

減価償却費加算の対象施設と「標準」「都市部」の区分

減価償却費加算は、保育所の用に供する建物が自己所有であることなどを条件に、市町村が施設の区分を認定した場合に算定される加算です。

この試算では、市町村から認定を受けた「標準」区分と「都市部」区分のいずれかを入力として受け取ります。要件への適合そのものは試算側では判定しません。

  1. 建物が自己所有であること

    留意事項通知は、保育所の用に供する建物が自己所有であることを要件の1つとしています。施設の一部が賃貸物件の場合の扱いも定めがあります。

  2. 建設・購入資金が発生していること

    建物を整備・改修または取得する際に、建設資金または購入資金が発生していることが要件です。

  3. 施設整備費等の国庫補助を受けていないこと

    建物の整備・改修にあたって、施設整備費等の国庫補助金の交付を受けていないことが要件です(一定の改修等では例外の定めがあります。詳しくは施設整備の国庫補助を受けた建物と減価償却費加算の関係)。

これらの要件に実際に適合しているかどうかの判定は、この記事や試算では行いません。認定は所轄の市町村が申請内容を確認して行います。

賃借物件の施設は、賃借料加算と減価償却費加算を同時に算定しない

留意事項通知は、賃借料加算の要件(賃貸物件であること等)と減価償却費加算が排他の関係にあることを示しています。自己所有の建物等であることを前提に区分の認定を受けた施設が、減価償却費加算の対象です。賃借料加算の区分の確認方法は『賃借料加算は、市町村が確認した地域類型と区分で試算する』で解説しています。

賃借物件なのに減価償却費加算を選ばない

賃借料加算の対象になり得る賃貸物件の施設で、減価償却費加算もあわせて選ぶと、実際の認定内容と合わない試算になります。

自己所有の建物等として市町村の認定を受けている場合だけ、減価償却費加算の区分を選ぶ。賃貸物件の場合は賃借料加算の対象かどうかを確認する。

減価償却費加算と賃借料加算は排他
比較項目減価償却費加算賃借料加算
対象になり得る建物自己所有の建物等賃貸物件
区分標準・都市部地域類型・標準/都市部

加算額は利用定員区分と「標準」「都市部」の認定区分で決まる

減価償却費加算の単価は、利用定員の区分と「標準」「都市部」の認定区分の組み合わせで、告示の別表に定められています。同じ利用定員の区分・認定区分であれば、施設が所在する地域区分(1〜8区分)による違いはありません。単価の一覧は次の表のとおりです。

減価償却費加算の単価を決める軸
軸加算額への影響
利用定員の区分区分ごとに単価が異なる
認定区分(標準/都市部)区分ごとに単価が異なる
地域区分(1〜8区分)影響しない(同じ利用定員の区分・認定区分であれば地域区分によらず同額)
利用定員区分×認定区分(標準/都市部)の減価償却費加算の単価比較
利用定員区分標準都市部
20人9,600円10,600円
21-25人8,100円8,900円
26-30人6,700円7,400円
31-35人6,700円7,300円
36-40人5,800円6,400円
41-45人5,900円6,500円
46-50人5,300円5,900円
51-55人4,800円5,300円
56-60人4,400円4,900円
61-70人3,800円4,200円
71-80人4,300円4,700円
81-90人3,800円4,200円
91-100人3,400円3,800円
101-110人3,800円4,100円
111-120人3,400円3,800円
121-130人3,200円3,500円
131-140人3,400円3,800円
141-150人3,200円3,500円
151-160人3,000円3,300円
161-170人3,200円3,500円
171人以上3,000円3,300円

表示条件: 地域区分 20/100の値を表示しています(減価償却費加算の単価は全地域区分で同額です)。単価は令和8年度の検証済み減価償却費加算データから表示しています。標準/都市部の区分は市町村が認定した内容を使い、自己判断で選びません。

試算画面での入力手順

市町村の認定内容を確認したうえで、区分を選びます。

  1. 認定内容を確認する

    自園が市町村から減価償却費加算の対象として認定されているか、区分が「標準」「都市部」のどちらかを認定通知等で確認します。

  2. 賃借料加算との関係を確認する

    賃貸物件であれば、減価償却費加算ではなく賃借料加算の対象になり得ます。どちらの認定を受けているかを確認します。

  3. 区分を選んで試算する

    認定内容と一致する区分(標準/都市部)を選び、結果内訳で減価償却費加算の単価と合計額を確認します。

よくある質問

賃貸物件でも減価償却費加算を選べますか。

選べません。減価償却費加算は自己所有の建物等について市町村の認定を受けた施設が対象で、賃借料加算とは排他の関係にあります。賃貸物件は賃借料加算の対象かどうかを確認してください。

「標準」と「都市部」はどちらを選べばよいですか。

留意事項通知は、都市部を人口密度が一定の基準以上の市町村、標準をそれ以外の市町村と定めています。区分の判定自体はこの試算では行わないため、市町村から認定を受けた区分をそのまま選んでください。認定内容が手元にない場合は所轄の市町村へ確認してください。

認定を受けていない場合はどうなりますか。

減価償却費加算をオフ(区分なし)にして試算します。認定の可否そのものは所轄の市町村へ確認してください。

分園がある場合の扱い(試算では選べません)

「特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について」別紙2(保育所)のⅠ-2は、分園を設置する施設について、基本分単価、処遇改善等加算(区分1・区分2)、施設長を配置していない場合の調整の3つに、中心園と分園それぞれの利用定員の総和による定員区分を適用すると定めています。

減価償却費加算は、このⅠ-2では名前が挙がっていません。

このサイトの試算は、分園がある施設で減価償却費加算を選ぶと計算せず、所轄市町村への確認を案内します。FAQ第32版No.48は上記3項目を除く加算を合計の区分で計算するとしますが、減価償却費加算は対象の建物が本園か分園かで要件が分かれ、この試算は入力でそれを区別できません。対象の建物の扱いは自治体の認定内容で確認してください(確認日は2026-10-12)。

自園の条件で試算する

市町村の認定内容を確認したうえで、区分(標準/都市部)を選ぶと、減価償却費加算を含めて試算します。

結果には計算過程、使った告示、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は全国共通の告示の定めと、このサイトの試算の扱いを説明するものです。認定の可否や区分の判定は、所轄の自治体へ確認してください。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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