解説

保育ICT推進加算の対象確認(市町村の認定・3月分・分園の扱い)

保育ICT推進加算の試算では、導入の有無を自己判断せず、市町村が認定した施設を確認します。要件の確認順序と、3月分の試算への入れ方を整理します。

対象の判断基準(市町村の認定の有無)

保育ICT推進加算は、情報通信技術の導入と活用で中核的な役割を担う責任者を選任し、教育・保育の業務で効果的に活用している施設を対象にする仕組みです。

試算で選ぶ前に確認するのは、システムを導入した事実だけではなく、所在地の市町村から加算の認定を受けている施設かどうかです。

認定は施設が所在する市町村が行います。個別の要件への適合や申請の可否を、この試算や記事で判定するものではありません。通知や認定内容が手元にない場合は、所在地の市町村へ確認してください。

確認資料で見る業務全体での活用状況

責任者、日々の業務で使う機能、国・自治体の基盤との利用状況を、認定内容と一緒に照合します。

  1. 施設内の責任者

    ICTの導入と活用について中心となり、職員からの相談に対応する責任者が選任されているかを確認します。市町村への申請では、この責任者の氏名と業務内容を示す資料が求められます。責任者の人選や分担は保育ICT推進加算のICT活用の責任者で説明しています。

  2. 日々の保育業務で使う機能

    登降園の管理、保育に係る計画・記録、保護者との連絡、キャッシュレス決済の各機能を持つシステムを、業務に効果的に活用しているかを確認します。通知には、保育に係る計画・記録は職員間で情報の共有や更新ができること、保護者との連絡はICTを介さない個別のメールやアプリでの連絡を除くこと、キャッシュレス決済はICTを介さない個別アプリ等による銀行振込や口座振替の場合などを除くことが、それぞれ書かれています。

  3. 国・自治体の基盤との利用状況

    保育業務施設管理プラットフォームと保活情報連携基盤について、通知が定める利用状況または当年度の経過措置に当たるかを、認定内容とあわせて確認します。通知では、保育業務施設管理プラットフォームは公定価格の算定に係る申請等または都道府県等の指導監督に必要な手続のいずれかで、保活情報連携基盤は施設の見学予約等の手続で、活用していることが求められます。令和8年度に限り、それぞれの要件について、前者はアカウントを有し、後者はアカウントの発行を受けていて、令和9年度以降に活用する予定であれば、その要件を満たすものとして扱われます。

機能を一部だけ使っている状態で、対象と決めない

通知は複数の確認事項を定めています。個別のアプリ導入や口座振替だけから、加算の対象と推測することはできません。

市町村へ提出した申請内容または認定通知を確認し、対象施設として認定されている場合だけ試算で選ぶ。

日々の保育業務で使う機能(登降園の管理・保育に係る計画・記録・保護者との連絡・キャッシュレス決済)は、1歳児配置改善加算の「業務でのICT活用」要件でも同じ4機能が挙げられています。

国庫補助金の交付・ここdeサーチの報告で加算が適用されない場合

留意事項通知は、活用状況の要件とは別に、当該年度の加算が適用されない場合を2つ定めています。

4つの機能を持つシステム等に国庫補助金の交付を受けた年度と、ここdeサーチを通じた報告が適切に行われていない年度は、試算に入れません。

当該年度の保育ICT推進加算が適用されない2つの場合(留意事項通知 別紙2 保育所)
場合通知の定め試算前に確認するもの
国庫補助金の交付を受けた場合4つの機能を有するシステム等のいずれか又は全てについて国庫補助金の交付を受けた場合は、当該年度の加算は適用されない当年度にシステム等の導入で国庫補助金の交付を受けたか(認定の申請資料には国庫補助金の交付状況が含まれる)
子ども・子育て支援法第58条第1項の報告が適切に行われていない場合毎年度、当該年の9月末日までに、子ども・子育て支援情報公表システム(ここdeサーチ)を通じて教育・保育等情報を所在地の都道府県知事へ報告する。変更がない場合もその旨を報告する当年度の報告を済ませたか、市町村から未報告や情報の誤りを指摘されていないか

報告について、通知は、市町村が未報告や情報の誤りを指摘したにもかかわらず適切な対応がなされていない場合に当該年度の加算を適用しないとし、「適切な対応がなされていない場合」は報告内容や施設の状況等を勘案して市町村が判断するとしています。どの補助金が国庫補助金に当たるかは通知に列挙されていないため、所在地の市町村へ確認してください。

分園がある場合の市町村への事前確認

保育ICT推進加算について、分園がある場合の認定対象と3月初日の利用子ども数の扱いを直接定める記載は確認できません。

分園がある場合は、認定通知上の対象範囲と3月初日の利用子ども数の扱いを、所轄市町村へ確認してから判断します。

分園の定員区分・地域区分の基本的な扱いは分園がある保育所の定員区分・地域区分の確認手順で説明しています。

試算前に手元で照合する情報
確認するもの見比べる先
対象施設の名称市町村の認定内容
責任者と活用状況申請時の資料または認定時の確認資料
本園・分園があるか認定通知上の対象範囲と市町村の案内
試算対象月の在籍数月初の在籍状況

加算額の確認方法(3月分の利用子ども数で試算)

告示は保育ICT推進加算を、3月初日の利用子どもの単価に加える列として定めています。留意事項通知も、年度内に要件を満たす取組が確認できた場合に、当年度の3月分へ加える扱いを示しています。

この試算では、配分前の額を3月初日の利用子ども数で除き、通知所定の単位未満を切り捨てた単価と合計額を結果内訳に表示します。

3月以外の月、対象施設の3月初日の利用子ども数がない状態、または分園がある場合は、この項目を試算に入れません。入力欄は月初在籍数のため、通知上の利用子ども数と一致する場合だけ入力します。実際の請求額や給付額を保証するものではないため、最終的な扱いは所轄の市町村の案内で確認してください。

3月初日の利用子ども数を仮に置いた、保育ICT推進加算額の計算例
項目値
施設単位額(3月分・告示)300,000円
3月初日の利用子ども数(仮の値)45人
施設単位額 ÷ 利用子ども数(端数を含む)300,000円 ÷ 45人 = 6,666.67円
10円未満を切り捨てた単価(児童1人・1か月)6,660円
切り捨てた単価 × 利用子ども数(合計)6,660円 × 45人 = 299,700円

施設単位額と10円未満の切り捨ては、令和8年度の検証済み加算データから表示しています。利用子ども数は説明用の仮の値で、実際の利用状況ではありません。

同じく3月初日の利用子ども数で配分する加算には、第三者評価受審加算・降灰除去費加算・除雪費加算・小学校接続加算・高齢者等活躍促進加算・施設機能強化推進費加算があります。

試算画面での入力手順

3月初日の利用子ども数と、市町村の認定内容をそろえてから入力します。

  1. 試算対象月を3月にする

    保育ICT推進加算を確認する場合は、当年度の3月分を選びます。

  2. 認定内容と分園の扱いを確認する

    認定通知で対象施設を確認します。分園がある場合は、対象範囲と人数の扱いを所轄市町村へ確認し、この試算には入れません。

  3. 利用子ども数と一致する月初在籍数を入力して内訳を見る

    対象施設の3月初日の利用子ども数と一致する月初在籍数を入力し、結果内訳に保育ICT推進加算の単価と合計額が出ていることを確認します。

よくある質問

保育ICT推進加算とは、どのような加算ですか。

情報通信技術の導入と活用で中核的な役割を担う責任者を選任し、教育・保育の業務で効果的に活用している施設を対象にする加算です。試算で選ぶ前に、その施設が所在地の市町村から加算の認定を受けているかを確認します。

ICTシステムを導入していれば、試算で選べますか。

導入だけでは選びません。通知が定める活用状況を確認したうえで、市町村の認定を受けている施設だけを選びます。

ICTシステムの導入に国庫補助金を使った場合も、保育ICT推進加算の対象になりますか。

4つの機能を有するシステム等のいずれか又は全てについて国庫補助金の交付を受けた場合、その年度の加算は適用されません。留意事項通知がこの扱いを定めています。当年度の交付状況を確かめ、該当するかは所在地の市町村へ確認してください。

ICTシステムを年度の途中に導入した場合も、保育ICT推進加算の対象になりますか。

公定価格に関するFAQ(第32版)No.344は、加算の認定の時点で活用している事実が確認できれば、年度途中に導入した場合も対象になるとしています。ただし、業務負担の軽減に資すると判断される程度に継続して活用していることが前提です。

施設の責めに帰せない事情でシステムを使わない期間があっても、その年度中に使っている期間があれば対象になりますが、年度途中に運用保守契約を解約するなど利用の意思がないと判断できる場合は別です(No.345)。認定の可否は市町村が判断します。

PCにもとから入っている機能や無料サービスだけで、4つの機能の要件を満たせますか。

公定価格に関するFAQ(第32版)No.355は、業務負担を軽減する一定の性能を持つシステムであることが前提なので、基本的には購入費・リース料・使用料などの費用が発生していることを想定しているとしています。そのうえで、有料のサービスと同等の性能を持つと市町村が認める場合は、4機能すべてが無料サービスでも要件を満たすものとして差し支えないとされています。

この場合も、市町村は確認監査などで、有料サービスと同等に業務負担を軽減できることを確かめるよう求められています。無料サービスなら必ず認められるわけではないため、所在地の市町村へ確認してください。

保育業務施設管理プラットフォームなどを使うと確約して認定を受けたのに、実際は使わなかった場合はどうなりますか。

公定価格に関するFAQ(第32版)No.350は、令和8年度に令和9年度のシステム利用を確約して認定を受けたのに両システムを活用しなかった場合は、施設の責めに帰せない事情がある場合を除き、令和8年度分の加算額の返還を求めるとしています。責めに帰せない事情があるかどうかは市町村が判断します。確約する前に、令和9年度に何を活用する予定かを市町村と確認しておくと安全です。

本園で認定を受けていれば、分園がある場合も試算に入れられますか。

この試算では入れません。分園ごとの認定や3月初日の人数の扱いは保育ICT推進加算の規定に明記されていないため、認定通知と所轄市町村の案内を確認してください。

3月以外の月にもこの加算を入れて比較できますか。

この試算では入れません。告示と留意事項通知が3月分での扱いを定めているためです。

3月分の試算に入れる施設(認定済みの施設のみ)

認定済みの施設を選び、3月初日の利用子ども数で配分した結果内訳を確認することが、保育ICT推進加算を試算へ入れる順序です。市町村の認定を先に確認してから試算へ入れる同じ手順は、高齢者等活躍促進加算・療育支援加算・事務職員雇上費加算でも扱っています。

対象月を3月にして、認定済みの施設を選びます。結果では、基本分などの児童別内訳とは分けて、保育ICT推進加算の配分単価と合計額を確認できます。分園がある場合は、市町村の案内を確認してください。

公定価格の試算を開く

保育ICTで園児の写真や記録を扱う場合の個人情報の扱いは、別サイトの令和8年改正個人情報保護法対応デスクで解説しています。

園児の顔写真など子どもの個人情報が令和8年改正でどう扱われるかの解説

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