解説

療育支援加算とは?対象・要件・区分A〜D・認定の確認(令和8年度)

療育支援加算とは何か、対象となる障害児、2区分(主任保育士等の補助者を配置する区分・専門職を活用する区分)の要件差、基本額区分A〜D、令和8年9月末までの経過措置、月初の利用子ども数を確認します。

自園の条件で金額を確かめるには、利用定員、月初の年齢別在籍数、施設の所在地(市区町村。地域区分が決まります)の3つを用意します。公定価格の試算を開く

試算画面で自園の条件に名前をつけて保存しておくと(このブラウザ内に最大3件。外部へは送りません)、制度が改定されたときに同じ条件で金額を出し直せます。

療育支援加算とは(対象施設・要件・認定の流れ)

療育支援加算は、障害児を受け入れている保育所が、療育支援等に取り組む体制を整えたときに、公定価格へ上乗せされる加算です。加算を受けるには、施設が所在する市町村の認定が前提です。

要件は2つの区分に分かれます。主任保育士等を補助する者(非常勤職員)を配置する区分は、主任保育士専任加算の対象施設であることが前提です。専門職を活用する区分は、専門職が月60時間以上従事することが要件です。

加算額は、基本額区分A〜D(特別児童扶養手当支給対象児童の受入れや専門職の配置時間で分かれる)と、月初日の利用子ども数で決まります。区分ごとの要件差は次の節の表、A〜Dの判定は「対象となる障害児の範囲」の節の表で確認できます。

区分を選ぶ基準(子どもの状況と市町村の認定区分)

療育支援加算には、主任保育士を専任化して療育支援等を行う体制に対応する区分と、専門職を活用する体制に対応する区分があります。いずれも、通知が定める対象・体制を確認したうえで、市町村が認定する仕組みです。

試算では、障害の有無や配置状況から対象かを自己判定せず、市町村から認定された区分だけを選びます。

障害児を受け入れて保育士を加配するときの財源は、障害児を受け入れたときの加配の財源(保育所と地域型保育の違い)で整理しています。

認定は施設が所在する市町村が行います。個別の要件への適合、申請の可否、認定区分の選択は、この試算や記事では判定しません。認定内容が手元にない場合は所轄市町村へ確認してください。

2つの区分の要件差(主任保育士等を補助する者を配置する場合/専門職を活用する場合)
比較する観点主任保育士等を補助する者を配置する場合専門職を活用する場合
前提となる加算主任保育士専任加算の対象施設であること記載なし(専門職の活用要件のみ)
配置・活用する人主任保育士等を補助する者(非常勤職員。資格の有無は問わない)専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・保健師・看護師・准看護師(看護師・准看護師は受け入れている障害児が医療的ケア児である場合に限る)・障害児の療育の指導を行う業務に5年以上従事した経験を有する者のいずれかに該当し、かつ子育て支援に係る業務に3年以上従事した経験がある者)
業務に従事する時間の要件通知に明記なし月60時間以上(1週に2日程度)
実施する取組障害児の把握、個別の支援計画・指導計画の作成と見直し、障害児通所支援事業所等との連携強化、障害児の家族への支援、地域の関係機関との連携(5項目)左の5項目に加え、障害児保育に関する研修計画の作成と、年1回以上の園内研修の開催
加算額の基本額区分特別児童扶養手当支給対象児童を受け入れているかどうかで区分が分かれる専門職の配置・嘱託が月90時間以上(1週に3日程度)で、かつ特別児童扶養手当支給対象児童の受入れまたは定員90人以上に当たるかどうかで区分が分かれる

要件・基本額区分(A〜D)とも、令和8年度の留意事項通知に基づく整理です。

加算率(a)(b)(園ごとの認定で決まる割合)は、施設ごとに市町村から通知される値です。加算率(c)(告示が定める割合)は、区分に応じて告示データから試算へ反映する値です。具体的な数値は、この記事には転記していません。

対象となる障害児の範囲と、確認に使える資料

留意事項通知は、療育支援加算の対象になる障害児を「市町村が認める障害児」と定め、身体障害者手帳等の交付の有無は問わないとしています。施設を利用する障害児のうち1人は市町村が認める障害児で、2人目以降は施設が適宜判断して差し支えないとされています。

障害の事実の確認には、医師による診断書や、巡回支援専門員等の障害に関する専門的知見を有する者による意見提出など、障害の事実が把握できる資料を使えます。障害児通所支援や障害福祉サービス等を利用している事実が確認できる資料でも差し支えないと書かれています。

「障害児が利用している」とは、月の初日に障害児が1人以上利用していることで満たし、以降は年度を通じて満たしているものとして扱います。どの資料で確認するかの運用は市町村によって異なり得るため、事前に所轄市町村へ確認してください。

基本額区分A〜Dの判定(留意事項通知の加算額の算定)
区分満たす要件追加の条件
A主任保育士等を補助する者を配置する区分(①)特別児童扶養手当支給対象児童を受け入れている
B主任保育士等を補助する者を配置する区分(①)特別児童扶養手当支給対象児童以外の障害児を受け入れている
C専門職を活用する区分(②)専門職の配置または嘱託が月90時間以上で、かつ特別児童扶養手当支給対象児童の受入れ、または定員90人以上
D専門職を活用する区分(②)追加の条件は書かれていない(区分Cの条件に当たらない場合がここになります)

特別児童扶養手当支給対象児童には、支給要件に該当するが所得制限によって手当が支給されていない児童も含まれます。月90時間以上は、1週に3日程度の配置または嘱託を想定した数字です。

区分は市町村の認定に基づくため、この表で自分の施設の区分を決めず、認定通知の区分を確認してください。金額は施設ごとの加算率で変わるため、ここには載せていません。

令和8年9月末までの従前の取組の経過措置(注4)と10月以降の関係

令和8年度の留意事項通知は、主任保育士等を補助する者を配置する区分(①)について、令和7年度に療育支援加算を算定している施設に限り、新たに示す取組を実施するための準備期間として、令和8年9月末日までは従前の取組を行うことで①の要件を満たすものとする、という経過措置(注4)を置いています。

令和8年10月以降の月は、この経過措置の対象外になるため、①の要件として通知に書かれた取組(障害児の把握、個別の支援計画・指導計画の作成と見直し、障害児通所支援事業所等との連携強化、障害児の家族への支援、地域の関係機関との連携)を実施しているかが認定の前提になります。

経過措置の対象と期間(通知 別紙2 保育所 療育支援加算 注4)
確認する観点通知の定め
対象になる施設令和7年度において療育支援加算を算定している施設
対象になる区分主任保育士等を補助する者を配置する区分(①)の要件
経過措置の期間令和8年9月末日まで(10月以降は対象外)
期間中に認められること従前の取組を行うことで①の要件を満たすものとする

専門職を活用する区分(②)には、注4に相当する経過措置の記載はありません。また、従前の取組の具体的な内容や、10月以降の認定を市町村がどう確認するかは、通知からは読み取れません。令和8年10月以降の月を試算する場合は、市町村から認定通知または確認結果を受け取っているかを先に確認してください。

専門職の配置時間と取組未実施の扱い

専門職を活用する区分(②)の時間は、留意事項通知の保育所向けの別紙で、要件としては「専門職が、月に60時間以上(1週に2日程度)、業務に従事していること」と書かれています。基本額を分ける月90時間以上は、加算額の算定の項で「専門職の配置又は嘱託が月に90時間以上」とされ(区分Cは、これに加えて特別児童扶養手当支給対象児童の受入施設または定員90人以上の施設であることも条件)、注として「1週に3日程度の配置又は嘱託を想定」と添えられています。週の日数は目安で、判定の基準は月の時間数です。

通知には、時間の数え方の細目(休憩や移動の時間を含めるか、複数の専門職の時間を足し合わせてよいか)の定めは見当たりません。通知にあるのは、市町村への申請資料に「専門職の職種や各月の業務に従事をする時間等(見込み含む)」が確認できる資料を含めることと、専門職の活用は雇用形態を問わず、嘱託でも雇用でも対象になることまでです。

一方、公定価格FAQにはその後の扱いが示されており、実働時間で数えること、複数名の時間を足し合わせられることなどは療育支援加算の専門職の月60時間・90時間の数え方で説明しています。FAQに無い細目は、申請先の市町村に確認してください。

取組が一部できなかった場合について、留意事項通知には部分的な実施を認める定めは見当たりませんが、公定価格FAQ(第32版)のNo.303は、全体としてインクルージョンの推進が図られていると判断できるときは要件を満たすものとして扱うとしています(詳しくは療育支援加算の取組が一部できないときの判断)。②の要件は、①の5つの取組(障害児の把握、個別の支援計画・指導計画の作成と見直し、障害児通所支援事業所等との連携強化、家族への支援、地域の関係機関との連携)をすべて実施したうえで、研修計画の作成と年1回以上の園内研修を行うことと読めます。

通知が定めているのは、認定後に要件へ適合しなくなった場合の扱いです。市町村は、申請や指導監査等を通じて状況を把握し、適合しなくなった日の属する月の翌月(月の初日に適合しなくなった場合はその月)から加算を適用しないものとされています。

また、加算の適用を受けた施設は、要件に係る実施状況が分かる資料を作り、翌年4月末日までに実績報告書を市町村に提出します。月の時間が足りなかった月や取組が途中で止まった月をどう扱うかは、この通知だけでは決まらないため、認定した市町村に具体的に確認してください。

根拠は、特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について(S-06)の保育所向けの別紙、療育支援加算の要件・加算の認定・加算額の算定・実績の報告等の各項です(2026-10-08に原文を確認)。この試算は、市町村が認定した区分を入力する前提で、時間や取組の充足は判定しません。

認定通知で照合する対象施設と適用区分

入力前に、認定通知にある対象施設名と区分を、試算する本園の情報と照合します。

  1. 認定された区分

    試算画面では、通知に記載された区分をそのまま選びます。体制の内容から別の区分を推測して選ぶことはしません。

  2. 対象となる施設

    認定通知の施設名・所在地と、試算する本園が一致するかを確認します。法人単位や別施設の認定をそのまま使わないようにします。

  3. 加算率の通知

    加算率を使う区分では、施設に通知された加算率(a)と(b)を確認します。試算は区分に対応する(c)を告示データから反映します。

医療的ケア児保育支援事業補助金で配置した看護師を専門職に数えられるかは、補助金と療育支援加算の関係で説明しています。

法人本部の雇用や、訪問支援・巡回支援による派遣が専門職の時間に数えられるかは、専門職の雇用形態と派遣の扱いで、障害児が年度途中に入所・退所したときの算定期間は年度途中の入所・退所と算定期間で説明しています。

専門職を配置しているだけで、認定済みと決めない

通知は、専門職の活用時間や対象施設などを含む認定要件を定めています。配置の事実だけから、対象区分や加算の可否を推測することはできません。

市町村の認定通知または確認結果を見て、認定済みの区分だけを試算画面で選びます。

月初在籍数を使える条件(利用子ども数との一致)

告示は、療育支援加算の額を各月初日の利用子ども数で除して単価を求める扱いを定めています。

試算画面の入力欄は月初在籍数のため、通知上の利用子ども数と一致する場合だけ入力します。

在籍数という欄名だけから、通知上の利用子ども数と同じだと断定することはできません。月初の利用状況を確認し、一致しない場合は所轄市町村の案内に従ってください。結果は実際の請求額や給付額を保証するものではありません。

分園がある場合の対象範囲の確認

療育支援加算について、分園がある場合の認定対象と各月初日の利用子ども数の扱いを、この試算が機械的に確定できる根拠は確認できません。

分園がある場合は、認定通知上の対象範囲と人数の扱いを所轄市町村へ確認します。

分園の定員区分・地域区分の基本的な扱いは分園がある保育所の定員区分・地域区分の確認手順で説明しています。

試算前に照合する情報
確認するもの照合する資料
対象施設の名称・所在地市町村の認定通知
認定済みの区分認定通知または市町村の確認結果
加算率(a)(b)施設に通知された加算率
月初の利用状況各月初日の利用子ども数と照合できる記録
本園・分園の対象範囲認定通知と所轄市町村の案内

試算画面での入力手順

認定区分、加算率、月初の利用状況をそろえてから入力します。

  1. 認定内容を確認する

    市町村の認定通知で、試算する本園が対象であり、適用区分がどれかを確認します。

  2. 月初の利用状況を照合する

    試算に入れる月の月初在籍数が、通知上の利用子ども数と一致することを確認します。

  3. 認定済み区分を選び、内訳を見る

    試算画面で認定済みの区分を選びます。加算率を使う区分では通知された(a)(b)を入れ、結果内訳に療育支援加算が含まれることを確認します。

よくある質問

療育が必要な子どもがいれば、区分を選べますか。

選べません。通知上の要件を満たし、市町村から認定された区分だけを選びます。

専門職を配置していれば、専門職の区分を選べますか。

配置だけからは選べません。市町村が認定した区分を認定通知で確認してください。

分園がある場合も試算に入れられますか。

この試算では入れません。対象範囲と月初の利用子ども数の扱いを、認定通知と所轄市町村の案内で確認してください。

認定済みの区分を利用子ども数に基づく試算へ入れる手順

認定区分、月初の利用子ども数、分園の扱いを確認する順序が、療育支援加算を安全に試算へ入れる前提です。市町村の認定を先に確認してから試算へ入れる同じ手順は、事務職員雇上費加算でも扱っています。

認定された活用形態だけを試算へ入れる同様の手順は、栄養管理加算でも扱っています。同じく認定や確認を先に行ってから試算へ入れる加算には、高齢者等活躍促進加算や小学校接続加算もあります。

複数の加算を同時に算定できるかは、記事では判断せず、通知で確認してください。

主任保育士等・専門職の異動・退職があった場合に確認すべき加算は、保育士の異動・退職が複数の加算に影響しうる論点で横断的に整理しています。

ほかの配置系の加算の確認も必要な場合は、チーム保育推進加算の要件と加配人数の数え方を見られます。併給の可否は通知と市町村の案内で確認します。

チーム保育推進加算の要件と加配人数を確認する

市町村から認定された区分と、通知上の利用子ども数に一致する月初在籍数を入力し、療育支援加算の単価内訳を確認します。

公定価格の試算を開く

この記事の加算を含む配置系の加算の要件を、1つの表で見比べられます。

配置系の加算5種の違いを比較表で確認する

職員の配置に関わる加算とは別に、処遇改善等加算の加算率の決まり方を確認できます。

処遇改善等加算の加算率はどこで決まるかを確認する

療育支援加算とは別に、障害児を受け入れたときの加配の財源が保育所と地域型保育でどう違うかを確認できます。

障害児を受け入れたときの加配の財源を確認する

医療的ケア児の受け入れで看護師を配置するとき、補助金と療育支援加算の関係と重複配置の扱いを確認できます。

医療的ケア児保育支援事業補助金との関係を確認する

この記事の加算を含め、保育園の公定価格の加算・減算を1つの表で見比べられます。適用は通知と市町村の案内で確認します。

加算・減算の一覧を早見表で確認する

自園の条件で金額を確かめるには、利用定員、月初の年齢別在籍数、施設の所在地(市区町村。地域区分が決まります)の3つを用意します。公定価格の試算を開く

試算画面で自園の条件に名前をつけて保存しておくと(このブラウザ内に最大3件。外部へは送りません)、制度が改定されたときに同じ条件で金額を出し直せます。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由: 共通する一次資料

  • 療育支援加算の取組が一部できないときの要件の判断

    療育支援加算のⅰ〜ⅴの取組が一部できなかったとき、年度途中から算定を始めたときの扱いを、公定価格FAQ(第32版)のNo.303〜314で説明します。実施時期の目安、市町村の総合的な判断、併行通園や連携先がない場合の考え方がわかります。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 療育支援加算の専門職の雇用形態(法人本部の雇用・派遣は可、訪問支援・巡回支援は算入不可)

    療育支援加算の専門職を、施設の直接雇用・嘱託・法人本部の雇用と派遣で確保するとき、配置等の時間に数えられる形と数えられない形を、公定価格FAQ(第32版)のNo.299・No.300と留意事項通知の注書きで整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 保育士の異動・退職で影響を受ける加算(主任・療育支援・経験年数)

    主任保育士専任加算・チーム保育推進加算・療育支援加算・配置改善加算は、いずれも特定の職員の継続配置や経験年数を前提にしています。保育士の異動・退職があったときに確認すべき加算を横断的に整理します。

    関連する理由: 共通する一次資料

「加算を試算に入れる前に、認定や要件を確認したいとき」の解説一覧へ