解説

短時間勤務の保育士は、最低基準の保育士定数にどこまで充てられるか

通知「保育所等における短時間勤務の保育士の取扱いについて」(令和3年3月19日付け子発0319第1号、令和5年改正)は、保育士定数を常勤の保育士で確保することを原則とし、一定の条件を満たすときに限り短時間勤務の保育士を定数の一部に充てられるとしています。その条件と、試算で扱わない範囲を説明します。

「常勤の保育士」と「短時間勤務の保育士」の定義

通知「保育所等における短時間勤務の保育士の取扱いについて」(令和3年3月19日付け子発0319第1号厚生労働省子ども家庭局長通知。令和5年4月21日付けこ成保21で一部改正)は、保育所等に適用される最低基準上の定数について、「常勤の保育士」と「短時間勤務の保育士」を次のとおり定義しています。

常勤の保育士とは、①就業規則で定める常勤の従業者が勤務すべき時間数(1か月に120時間以上であるものに限る)に達している者、②①以外の者であって1日6時間以上かつ月20日以上勤務する者のいずれかをいい、短時間勤務の保育士とはこのいずれにも該当しない者をいいます。

新しく採用した保育士の登録日と、人数に数える時期の確認は、記事「保育士の登録日と保育士登録証:配置基準の人数に数えられるのはいつからか」で整理しています。

この定義は最低基準上の保育士定数の話であり、雇用契約の形式(正社員・パート等の名称)そのもので決まるわけではありません。実際の勤務時間数・勤務日数が基準に当てはまるかで判定します。

定数は常勤の保育士で確保することが原則

通知が対象とする最低基準上の保育士定数は、常勤の保育士をもって確保することが原則であり、望ましいとされています。これは、公定価格の基本分単価に含まれる職員構成の人数とは別に確認する基準です。

ただし、保育所等本来の事業の円滑な運営を阻害せず、入所児童に対する保育の質の確保が図られる場合であって、次の条件をすべて満たすときに限り、定数の一部に短時間勤務の保育士を充てても差し支えないとされています。

短時間勤務の保育士を定数に充てる条件
条件内容
常勤の保育士の必須配置常勤の保育士が各組・各グループに1名以上(乳児を含む組・グループで定数が2名以上の場合は2名以上)配置されていること
勤務時間数の比較短時間勤務の保育士を充てる場合の勤務時間数の合計が、常勤の保育士を充てる場合の勤務時間数を上回ること

「常勤換算」という按分計算ではない

この通知が定めるのは、常勤の保育士の必須配置人数と、短時間勤務の保育士を充てる場合の勤務時間数の比較という条件判定であり、勤務時間数を按分して人数を数える「常勤換算」という計算方式ではありません。

上表の2条件だけで適用可否を自己判定せず、保育の質の確保など通知の留意事項を含め、所轄自治体の現行の条例・運用を確認してください。

短時間勤務の保育士でも保育単価は同様に扱う

通知は、短時間勤務の保育士を導入する保育所等にあっても、導入しない保育所等と同様の保育単価とする取扱いとしていると明記しています。この記事では、この通知上の取扱いを説明するにとどめ、個別施設の公定価格や人件費への影響は判定しません。

この記事・試算で扱わないこと

この記事が扱うのは最低基準(配置基準)上の保育士定数への算入条件だけです。処遇改善等加算など各種加算の対象職員数への算入方法、派遣・業務委託契約の保育士の扱い、産休・育休中の保育士の在籍算入は、この通知には記載がなく、この記事では扱いません。

待機児童解消のため、通知が定める要件を満たして市町村がやむを得ないと認める場合に限り、不足する常勤の保育士数の範囲で、1名の常勤の保育士に代えて2名の短時間勤務の保育士を充てられる例外があります。この記事は制度の骨格だけを示し、自園が例外の対象になるかは判定しません。

公定価格上で常勤職員の勤務時間数に達しない職員をどう常勤換算するかは、公定価格の常勤換算の計算式で説明しています。

よくある質問

パート勤務の保育士は、常に「短時間勤務の保育士」として扱われますか。

雇用契約の名称だけでは決まりません。就業規則で定める常勤の従業者の所定勤務時間(その所定勤務時間が1か月120時間以上)に達する場合、またはそれ以外でも1日6時間以上かつ月20日以上勤務する場合は、通知上の「常勤の保育士」に当たります。

短時間勤務の保育士だけで、組・グループの配置基準を満たせますか。

原則として、常勤の保育士が各組・各グループに1名以上(乳児を含む組・グループで定数が2名以上の場合は2名以上)配置されていることが条件です。ただし、待機児童解消のため通知所定の要件を満たし、市町村がやむを得ないと認める場合には、不足する常勤1名を短時間勤務の保育士2名で充てられる例外があります。

この試算ツールで、常勤・短時間の内訳を入力できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、最低基準上の保育士定数や、その定数を常勤・短時間のどちらで満たすかは試算の対象外です。

自園の条件で試算する

公定価格の基本分単価に含まれる保育士数(年齢区分ごとの比率)は、最低基準上の定数とは別の考え方です。『基本分単価の保育士数は年齢区分ごとの比率で決まる』で確認できます。

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

常勤・短時間の内訳や、実際の職員配置が最低基準を満たしているかどうかの判定は試算に含まれません。

公定価格の試算を開く

次に知りたいこと:休けい保育士・標準時間認定分の保育士の配置、保育士配置の特例3種類、配置系の加算5種の比較。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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