都道府県は体制整備の義務、指定都市・中核市は努力義務
こども家庭庁の基礎資料『保育人材の確保のための総合的な対策』は、保育士・保育所支援センターを「法定化(令和7年10月)」したと書いています。
都道府県は、センターとしての機能を担う体制を整備する義務があります。指定都市・中核市は努力義務です。国、地方公共団体、センターとしての機能を担う者などの関係者は、連携・協力する努力義務を負います。根拠の条文は児童福祉法第18条の24(都道府県の体制整備)と第18条の25(関係者の連携・協力)です。
資料には「令和8年度予算案において補助事業を大幅見直し」と書かれています。予算案の段階の記述なので、確定した補助の内容は所在の都道府県等に確認してください。
法に書かれた4つの業務
児童福祉法第18条の24が挙げる業務は、次の4つです。資料の「改正後の児童福祉法(抄)」と、e-Govの条文で確認しました。
| 号 | 業務 |
|---|---|
| 一 | 保育に関する業務への関心を高めるための広報 |
| 二 | 保育に関する業務に従事することを希望する保育士への、職業紹介・最新の知識と技能の研修その他の支援 |
| 三 | 保育所の設置者への、保育士が就業を継続できる勤労環境を整備するために必要な助言その他の援助 |
| 四 | 前三号のほか、保育士の就業と保育所での就業継続を促進するために必要な業務 |
保育所の設置者が直接関わるのは第三号です。条文は「助言その他の援助」と書いており、費用の補助や公定価格の加算を定めたものではありません。
資料が示す支援内容と実績
資料は、センターの支援内容を5つに分けて示しています。法の4つの業務とは別の整理です(令和7年度の交付決定額は4.8億円)。実績は、令和7年12月時点で全国75か所(都道府県46か所、指定都市・中核市29か所)です。
保育の現場・職業の魅力発信
保育士・保育の現場の魅力に関する広報活動、養成施設への入学促進などです。
新規資格取得支援
養成施設卒業者の保育所等への就職支援、保育補助者に対する保育士資格取得の勧奨・支援などです。
潜在保育士等の就職支援
潜在保育士の掘り起こし強化、職場復帰の研修や定期的な状況確認など、職場に定着するまでの支援です。
就業継続支援
現役保育士への各種相談への対応、新人・中堅・主任の階層別研修、保育所等への各種課題に応じた巡回支援などです。
関係機関との連携
ハローワークと連携した就職支援の強化、市町村と連携した人材確保の取組などです。
センターに登録された方で就職につながった件数は、令和4年度が4,467件、令和5年度が4,597件、令和6年度が4,708件です。
KPIの設定と公表が求められる
資料は、各センターが地域の実情に応じた支援目標と、確実な根拠に基づくKPI(重要業績評価指標)を設定し、支援実績や達成状況を定期的に公表することで、取組を評価して見直す流れ(PDCAサイクル)をつくるとしています。
各センターの目標と実績の公表状況は、所在の都道府県等に確認してください。
保育所の設置者が確かめること
所在地のセンターを探す
都道府県のセンターのほか、指定都市・中核市に独自のセンターがある場合があります。所在の都道府県・市の保育担当課に確認します。
第三号の助言・援助の内容を聞く
就業継続のための助言、巡回支援、階層別研修の案内など、設置者が使えるものを確かめます。
当該年度の補助と実施体制を確認する
補助事業の見直しが令和8年度予算案に盛り込まれています。自園の地域で何が受けられるかを確認してください。
センターの利用を公定価格の加算と結びつけない
この記事の資料と条文は、センターの業務を児童福祉法に基づく支援体制として述べるもので、公定価格の加算への言及はありません。
公定価格の試算は、加算の算定要件を確認できた項目だけで行ってください。
よくある質問
- 保育士・保育所支援センターは全国のどの市区町村にもありますか。
資料によると、令和7年12月時点の設置は全国75か所で、都道府県が46か所、指定都市・中核市が29か所です。設置の単位は都道府県と、指定都市・中核市で、市区町村ごとではありません。都道府県の46か所は、47都道府県より1つ少ない数です。
- 指定都市・中核市にも設置の義務がありますか。
資料は、指定都市・中核市は努力義務としています。義務があるのは都道府県です。
自園の条件で試算する
定員と年齢別の園児数を入力すると、公定価格の基本分単価を試算します。センターの支援は公定価格の加算ではないため、試算の結果には含まれません。
公定価格の試算を開く次に知りたいこと:保育士資格等取得支援事業の対象施設・申請の流れ