解説

認可保育所の設置認可の欠格事由(刑罰・取消しから5年・保育の不正など5グループ)

認可保育所の設置認可の審査で、社会福祉法人・学校法人を含むすべての申請者が対象になる「欠格事由」を、児童福祉法第35条第5項第4号で整理します。刑罰を受けた者、認可の取消しから5年を経過しない者、取消し手続中の廃止、申請前5年以内の保育に関する不正、法人の役員等の該当の5グループです。

欠格事由は、社会福祉法人・学校法人も審査される基準

保育所の設置認可の申請があると、都道府県知事は、設置基準への適合のほかに、児童福祉法第35条第5項の4つの基準で申請を審査します。4つは、経済的基礎、経営者の社会的信望、幹部職員の知識・経験、そして欠格事由に当たらないことです。

社会福祉法人・学校法人は、4つのうち欠格事由だけが審査対象です。株式会社などは4つすべてが対象になります。

経済的基礎の中身は『株式会社が認可保育所を設置するときの「経済的基礎」』、申請書の記載事項は『認可保育所の設置認可の申請書に書く6つの事項と添付書類3種』で説明しています。この記事は欠格事由だけを扱います。

欠格事由は5つのグループに分けて読める

欠格事由の5グループ(児童福祉法第35条第5項第4号)
グループ当たる場合(要旨)号
刑罰を受けた者拘禁刑以上の刑、または児童福祉法その他の国民の福祉・学校教育に関する法律(政令で定めるもの)、労働に関する法律(政令で定めるもの)による罰金の刑を受け、執行を終わる(または執行を受けることがなくなる)までの者イ・ロ・ハ
認可の取消しを受けた者認可の取消しの日から5年を経過しない者。申請者と密接な関係を有する者が取消しから5年を経過していないときも含むニ・ホ
取消し手続中に廃止した者取消し処分の聴聞の通知の日から、処分をする日(または処分をしないことを決定する日)までの間、または児童福祉法第46条第1項の検査の日から聴聞決定予定日までの間に、相当の理由なく保育所を廃止し、廃止の承認から5年を経過しない者。通知の日からの期間内に廃止の承認の申請があったときは、通知の日前60日以内に法人の役員等(法人でないときは管理者)だった者も含むヘ・ト・チ
保育に関する不正をした者認可の申請前5年以内に、保育に関して不正または著しく不当な行為をした者リ
役員等・管理者が当てはまる場合申請者が法人で、その役員等に、上のうち「密接な関係を有する者の取消し」(ホ)を除くいずれかに当たる者がいるとき。法人でない申請者は、その管理者が当たるときヌ・ル

欠格事由に当たるかどうかは、申請者本人だけでなく、法人の役員等まで見られます。役員等の1人が、ホを除く上のいずれかに当たるときも、基準を満たさないこととされます(ヌ)。

認可の取消しに関する条文には、例外がある

認可の取消しから5年を経過しない者(ニ・ホ)には、ただし書きがあります。取消しの理由となった事実や、設置者の業務管理体制の整備の取組の状況など、設置者の責任の程度を考慮して、当たらないとすることが相当と認められる場合があります。その場合は内閣府令で定めるものに限って、欠格事由から除かれます。

廃止に関するヘ・ト・チも、廃止について相当の理由がある者は除かれます。

廃止の承認の手続きと、取消し手続中の廃止の扱いは『私立の認可保育所の廃止・休止は知事の承認が必要』で説明しています。例外に当たるかどうかは、個別の事情を見て申請先の自治体が判断します。

申請前に自分で点検できること

  1. 申請者と役員等の範囲を決める

    法人なら、申請者の法人と、その役員等がだれかを一覧にします。法人でない申請者は、管理者がだれかを決めます。

  2. 刑罰の有無を確かめる

    役員等それぞれについて、拘禁刑以上の刑や、第35条第5項第4号ロ・ハの罰金刑を受けていないかを確かめます。対象になる法律は政令で定められています。

  3. 過去の認可の取消し・廃止を確かめる

    申請者と密接な関係を有する者を含め、過去5年に児童福祉法第58条第1項による認可の取消しや、取消し手続中の廃止がないかを確かめます。

  4. 窓口で確認する

    どの書類で欠格事由に当たらないことを示すかは、自治体の手引きで定められます。役員等の範囲も含めて、事前相談で確かめてください。

点検の結果は、自治体が審査するときの参考にすぎません。該当するかの判断は申請先が行い、この記事では個別の可否を判断しません。

全国共通の部分と、自治体へ確認する部分

法律が定める部分と、自治体ごとに確かめる部分
項目全国共通(児童福祉法)自治体ごとに確認
欠格事由の内容第35条第5項第4号のイからルまで示す書類の種類、提出の時期
審査の対象者社会福祉法人・学校法人も欠格事由は審査される事前相談の時期、申請の受付時期
審査の窓口都道府県知事(指定都市・中核市・児童相談所設置市では政令で定める事務についてその市の長)窓口の課、手続きの案内

欠格事由の内容は法律で全国共通、示す書類と手続きの時期は自治体ごとに異なります。申請を考える時点で、所在地の自治体の保育主管課へ事前に相談してください。

所在地・定員・年齢別の人数から基本分単価を試算し、事業計画の収入側を考える出発点にできます。試算は目安であり、認可の可否を判断するものではありません。

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よくある質問

社会福祉法人なら、欠格事由の審査は受けないのですか。

受けます。社会福祉法人・学校法人は、第35条第5項の4つの基準のうち、第4号の欠格事由だけが審査対象です。経済的基礎などの3つは対象外です。

役員の1人が過去に罰金刑を受けていると、申請できませんか。

罰金刑の種類と、執行を終わったか(または執行を受けることがなくなったか)によって変わります。第35条第5項第4号は、児童福祉法や福祉・学校教育・労働に関する法律のうち政令で定めるものによる罰金刑を対象にしています。個別の該当は申請先の自治体に確認してください。

この記事で、欠格事由に当たらないと判断できますか。

できません。この記事は法律の条文を整理したもので、個別の申請者や役員等が当たるかどうかは、申請先の自治体が審査して判断します。

この記事が参照した一次資料

  • 児童福祉法

    昭和22年法律第164号/複数年度対象外/確認日 2026-09-23

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