解説

市加算運営費とは何か:川崎市の手引きで見る公定価格との関係

市区町村が公定価格に上乗せして出す運営費の例として、川崎市の令和8年度手引き第5章を整理します。公定価格の試算に入らない項目と、手引きで見る点を示します。

市加算運営費は、公定価格の試算に入らない

川崎市の手引きは、市加算運営費を「国の公定価格に上乗せして助成するもの」と説明しています。

市加算運営費は市の制度なので、国の告示で算定する公定価格の試算には含まれません。

他の市区町村に同じ名前の制度があるとは限らず、自園の市区町村の手引きや要綱で確認します。

この記事は、川崎市こども未来局保育第1課の「令和8年度 公定価格・市加算等 手引き(令和8年3月版)」を、代表1例として2026-10-26に確認した内容です。

金額は年度ごとに変わるため、この記事には書きません。

川崎市の手引き第5章で確認できること

手引きの第5章は、市加算運営費の目的を「保育・教育の質の向上を図るため、国基準を超える職員配置や障害児保育費等、保育の実施内容に応じて助成する」ものとしています。

章の項目は5.1の給食費から5.30の市賃借料加算まで30項目あり、このうち(1)から(10)は「旧市加算分等」と書かれています。

手引きには「令和8年3月時点の内容で、変更が生じる場合は別途通知する」という注記もあります。

手引き第5章の項目の分類(目次の項目名から)
分類手引きの項目の例
子ども1人あたりの上乗せ給食費、行事用給食費、冷暖房費、一般生活費、児童災害共済掛金
人件費に関わる上乗せ特別扶助費、市主任保育士専任加算、休憩休息保育士雇用費、年休代替保育士雇用費、調理員雇用費
保育の内容に応じた認定・上乗せ障害児保育費認定、延長保育費、看護士雇用補助費、産休明け保育対応保育士雇用費
施設の費用に関わる上乗せ衛生管理加算、嘱託医手当、歯科検診事業費、市賃借料加算

5.1から5.5の項目では、適用要件は「原則、全施設において適用」とされ、金額は子ども1人あたりの単価に月初日の利用子ども数を掛ける形で示されています。

ただし5.4の特別扶助費は、6月と12月の賞与期だけに加算されます。

一方、5.7の市主任保育士専任加算は、平成23年度以降に開設した定員60人以上の施設のうち、主任保育士の専任体制を組んでいるのに国の主任保育士専任加算の対象になっていない施設に、国の加算に相当する分を加算するものと説明されています。

手引きで見る点

手引きでは、項目ごとに、適用要件、月額の計算方法、国の加算との関係の3点を見ます。

  1. 適用要件

    「原則、全施設」の項目と、認定や施設の条件が必要な項目があります。条件のある項目は、認定の申請が必要かを確かめます。

  2. 月額の計算方法

    子ども1人あたりの単価に月初日の利用子ども数を掛ける項目があります。園児数は月ごとに変わるため、月初日の人数で数える点を確かめます。

  3. 国の加算との関係

    市主任保育士専任加算のように、国の加算の対象になっていない施設を対象にする項目があります。国の加算の対象かどうかで、市の項目の対象が変わる場合があります。

  4. 手引きの版と年度

    手引きは年度ごとに出ます。今年度の版か、途中で変更の通知が出ていないかを確かめます。

試算の結果に市加算を足して見込みにしない

試算の結果に、前年度の手引きの市加算の額を足すと、単価や項目が変わっていた場合に実際とずれます。

試算の結果と市加算は別の項目として記録し、市加算は今年度の手引きと担当課の案内で確認する。

確認の手順

確認は、市の手引き、国の加算、市の補助金の要綱の順に3段階で行います。

  1. 自園の市区町村の予算事務説明会などのページを探す

    川崎市は、保育所向けの説明会資料として手引きを公開しています。他の市区町村は、保育担当課のページで運営費や給付費の案内を探します。

  2. 市の上乗せの項目を一覧で見る

    手引きの目次で、国の公定価格の説明と、市独自の項目の説明が分かれているかを確認します。

  3. 国の加算側を確認する

    市の項目が国の加算を前提にしている場合は、加算の確認先の分類で国側の加算の確認先を調べます。

  4. 市の補助金の要綱も別に見る

    運営費とは別の補助金は、要綱で定められる場合があります。市区町村の独自補助と公定価格の切り分けで確認する点を整理しています。

この記事で扱わないこと

この記事は川崎市の手引きの紹介で、自園の市区町村の市加算の有無や金額の判断はしません。

各項目の単価、対象施設の細かな条件、認定の手続きは、本文では確認していないため書いていません。

申請の可否は、市区町村の担当課へお問い合わせください。

よくある質問

市加算運営費は、公定価格の試算に入りますか。

入りません。この試算は国の告示に基づく公定価格が対象で、市区町村が上乗せする運営費は含みません。

市加算運営費は、どの市区町村にもありますか。

あるとは限りません。川崎市の手引きの名称と項目は、川崎市の制度です。他の市区町村の有無は、この記事では確認していないため、自園の市区町村の担当課の案内で確認してください。

金額はこの記事で分かりますか。

分かりません。年度ごとに変わる額を誤って示さないため、記事には書いていません。最新の手引きで確認してください。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、この試算に含まれない項目が表示されます。

公定価格の試算を開く

この記事も試算も、確認した範囲だけを扱います。市区町村の運営費の可否や金額の判断は、自園の市区町村の担当課へお問い合わせください。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

    ほかの解説

    「公定価格と別の補助・費用の制度を切り分けたいとき」の解説一覧へ