解説

事業所内保育事業を3歳以降も利用するときの給付(特例給付の根拠と市町村の判断)

事業所内保育所を利用していた子どもが3歳以降も同じ事業所を使うとき、給付を受けられる根拠と条件を、公定価格FAQ第32版の問81と子ども・子育て支援法第30条、児童福祉法の定義で整理します。

この記事で確認すること

事業所内保育事業は、事業主が従業員の子どもなどを保育するために設ける事業で、地域型保育事業の一つです。0〜2歳の子どもを預かる事業として始まるため、子どもが3歳になった後も使い続けられるのかが、設置者と保護者の双方にとって確認事項になります。

この記事は、公定価格FAQ(第32版)の問81の回答と、子ども・子育て支援法・児童福祉法の条文をもとに、3歳以降の利用で給付が受けられる条件を整理します。

給付の額や公定価格の単価は、この記事では示しません。認可保育所の試算ツールは保育所が対象で、事業所内保育事業の3歳以上児の給付は試算に含まれません。

FAQの回答:原則は保育所・認定こども園、必要に応じて特例給付で継続できる

問81は、事業所内保育所を利用する従業員の子どもが3歳以降も利用する場合に、引き続き給付を受けられるかを問うものです。

回答は、3歳以上児の保育は連携施設を含む保育所または認定こども園で行うことが原則としたうえで、「必要に応じて、定員の範囲内で、特例給付を受けて事業所内保育事業を引き続き利用することは可能」としています。

原則は保育所や認定こども園への移行で、事業所内保育事業での継続は、必要に応じた例外として認められます。

FAQは条文番号を示していませんが、次の節の子ども・子育て支援法第30条第1項第3号の特例地域型保育給付費に当たると読めます。

問81の回答の読み方
論点回答の内容
3歳以上児の保育の原則連携施設を含む保育所または認定こども園で行う
事業所内保育事業で続ける場合必要に応じて、特例給付を受けて引き続き利用できる
受け入れの範囲定員の範囲内

条文での根拠:事業所内保育事業の定義と特例地域型保育給付費

児童福祉法第6条の3は、事業所内保育事業を、次の二つの事業として定義しています。

一つ目は、満3歳未満の乳児・幼児を、事業主が自ら設置する施設などで保育する事業です。二つ目は、満3歳以上の幼児に係る保育の体制の整備の状況その他の地域の事情を勘案して、保育が必要と認められる満3歳以上の児童を、同じ施設で保育する事業です。

条文の上でも、3歳以上の子どもの保育は、地域の事情を勘案して行う事業として別に書かれています。

給付の面では、子ども・子育て支援法第30条第1項第3号が特例地域型保育給付費を定めています。満3歳以上の保育認定を受けた子どもが、特定地域型保育事業者から、満3歳以上を対象とする特定利用地域型保育を受けたとき、「地域における満3歳以上保育認定子どもに係る教育・保育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して必要があると市町村が認めるときに限る」として、市町村が特例地域型保育給付費を支給できるとしています。

この規定の対象から、満3歳以上限定小規模保育は除かれています。

3歳以降の給付に関わる条文(要点)
条文要点
児童福祉法 第6条の3(事業所内保育事業の定義)満3歳以上の児童の保育は、地域の事情を勘案して保育が必要と認められる場合に行う事業として定められている
子ども・子育て支援法 第30条第1項第3号満3歳以上の保育認定子どもが特定利用地域型保育を受けたとき、市町村が必要と認める場合に限り、特例地域型保育給付費を支給できる

3歳になれば自動的に給付が続くわけではない

第30条第1項第3号は、市町村が必要があると認めるときに限る規定です。問81の回答も「必要に応じて」「定員の範囲内で」としており、設置者や保護者の希望だけで継続が決まるわけではありません。

3歳以降の利用を見込む場合は、市町村に、地域の3歳以上児の受け皿の状況と、継続を認める扱いの有無を、利用の前に確認します。

設置者と保護者が確認する順序

確認は次の4つの順で進めます。

受け皿の状況と定員は、市町村と自園の両方で確認が必要です。

  1. 対象の子どもの認定を確認する

    3歳以上の子どもは、保育を必要とする認定(満3歳以上保育認定)の区分に当たるかを、保護者の認定の内容で確認します。

  2. 市町村の扱いを確認する

    3歳以上児を事業所内保育事業で受け入れ続けることを、市町村がどのような場合に必要と認めるかを、所管の市町村に確認します。

  3. 定員の範囲に収まるかを確認する

    3歳以上児の受け入れは定員の範囲内で行います。0〜2歳の枠と合わせて数えるのか別に数えるのかは、FAQにも条文にも書かれていないため、市町村に確認します。

  4. 連携施設への移行先を確認する

    原則は連携施設を含む保育所・認定こども園での保育です。継続が認められない場合の移行先として、連携施設の状況を市町村に確認します。

連携施設の設定は、連携施設を設定しない場合の公定価格の減算で整理しています。同じ特例給付でも、保育所で1号認定の子どもを受け入れる場合は特別利用保育の公定価格、公定価格の全体は公定価格の決まり方で確認できます。

自園の条件で試算する

認可保育所の所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(施設型給付費・委託費)を試算します。

事業所内保育事業の3歳以上児の特例給付は試算に含まれないため、給付の扱いは所管の市町村へ確認してください。

公定価格の試算を開く

よくある質問

FAQ問81の回答と条文を、質問の形で整理します。

継続は、必要に応じた例外で、定員の範囲内に限られます。

事業所内保育所を使っていた子どもが3歳になったら、退所になりますか。

FAQ問81の回答では、3歳以上児の保育は保育所または認定こども園で行うことが原則ですが、必要に応じて、定員の範囲内で、特例給付を受けて引き続き利用することは可能とされています。

3歳以降も給付が続く根拠は何ですか。

子ども・子育て支援法第30条第1項第3号が、満3歳以上の保育認定子どもが特定利用地域型保育を受けた場合に、市町村が必要と認めるときに限り特例地域型保育給付費を支給できると定めています。

継続できるかどうかは、誰が判断しますか。

条文の上では、地域の3歳以上児の教育・保育の体制の整備の状況を勘案して、市町村が必要があると認めるかどうかで決まります。所管の市町村に確認してください。

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