保育補助者雇上強化加算とは:公定価格の加算ではなく、別建ての補助事業
「保育補助者雇上強化加算」と呼ばれることがありますが、国の通知「保育人材確保事業の実施について」が定めるのは「保育補助者雇上強化事業」(別添7)で、事業名に「加算」は付いていません。
公定価格に含まれる加算ではなく、市町村が実施する補助事業です。通知の別添7の本文には、「雇上強化加算」という名称は出てきません。
保育補助者雇上強化事業は、保育補助者の雇上げ費用の補助
保育補助者雇上強化事業は、国の「保育人材確保事業の実施について」の通知(別添7)が定める事業です。保育士の補助を行う人を新たに雇い上げる保育事業者に、費用の一部を補助します。
公定価格に含まれる加算ではなく、市町村が実施する別建ての補助事業です。
通知は、雇い上げる人を2種類に分けています。保育士資格を持たない「保育補助者」と、保育士資格があって現に保育士として就業していない「有資格保育補助者」です。
同じ通知の保育体制強化事業は、保育士資格のない人に周辺業務を担ってもらう別の事業です。
この記事は令和6年5月30日付の通知(別添7)の写しを根拠にしています。令和8年度の改訂の有無は国の原本で確認できていないため、実施の有無・補助の内容は所在市町村で当該年度の要綱を確認してください。
対象は、新たに保育補助者を雇い上げる施設・事業者
通知は、対象を新たに保育補助者等の雇上げを行う施設又は事業者とし、次の4号を挙げています(下の表示では、除外の条件が同じ2号を1つにまとめています)。
対象に入るかどうかは、設置主体と給付の算定対象かどうかで分かれます。
保育所・幼保連携型認定こども園
地方公共団体が運営するものは除かれます。
小規模保育事業・事業所内保育事業
地域型保育給付費・特例地域型保育給付費の支給の算定の対象となる者を雇い上げる場合は、対象から除かれます。通知は、この除外が事業所内保育事業にも同じようにかかると書いています。
企業主導型保育事業
通知は、企業主導型保育事業を行う者も対象に挙げています。
企業主導型保育事業から認可保育所への移行を検討する場合に、移行後の試算条件を確認できます。
認可保育所への移行時の公定価格試算を確認する保育補助者の要件は、実習と従事期間で決まる
通知は、雇い上げる保育補助者等が次の要件をすべて満たすことを求めています。
資格の有無だけでなく、保育の実習を受けていることが要件です。
| 項目 | 保育補助者 | 有資格保育補助者 |
|---|---|---|
| 保育士資格 | 持っていない | 持っていて、現に保育士として就業していない |
| 実習 | 保育に関する40時間以上の実習を受けた者、又は同等の知識・技能があると市町村が認めた者 | 同左(通知は両者に同じ要件を置く) |
| 従事期間 | 通知は期間を定めていない | 採用から1年が限度 |
実習の実施方法は、通知が「別に定める」としています。実習の内容や、同等の知識・技能の認め方は市町村ごとに確認が必要です。
実施計画書では、資格取得に向けた支援も書く
対象者は、市町村へ実施計画書を出します。
保育補助者については、業務内容と保育士の負担軽減に加えて、資格取得に向けた支援の取組も書くことが通知で求められています。
記載する内容
保育補助者等の業務と保育士の業務負担が軽くなる内容、保育補助者等の配置を除く雇用管理・勤務環境の改善の取組、保育補助者の資格取得に向けた支援(勤務時間の調整や講習を受ける機会の確保など)を記載します。
資格取得時期の見込み
通知は、資格取得時期の見込みを明記することを求めています。
給付で経費が交付される場合の扱い(補助の対象外)
通知の留意事項は、雇上げにかかる費用について、子ども・子育て支援法第11条の子どものための教育・保育給付やその他の事業で経費が交付される場合には、対象としないと定めています。
同じ経費を、公定価格と補助事業の両方で賄うことはできません。
どの加算・職員と重なるかは、通知に書かれていない
通知は、重ならないことを原則として示すだけで、特定の加算や職員区分との関係までは書いていません。保育補助者の人件費が、基本分単価や加算で見込まれている職員の人件費と重なるかどうかは、通知からは判断できません。
雇上げを検討するときは、所在市町村の担当課へ、自園の加算の認定状況と雇上げの計画を示して、補助の対象になる範囲を確認してください。
通知は、新たに雇い上げた保育補助者を、雇上げの翌年度以降も引き続き対象にできると定めています。ただし、補助が続くかどうかは市町村の実施状況と要綱によります。
試算での扱い
この試算ツールは公定価格(施設型給付費・委託費)に特化しており、保育補助者雇上強化事業の補助額は試算の対象外です。補助事業の実施の有無・申請方法・補助の範囲は、この記事・試算では扱いません。
公定価格の側の加算は、市町村が認定した内容を入力して試算します。補助事業の収入を見込む場合は、公定価格の試算とは分けて、所在市町村の要綱で確認してください。
よくある質問
- 保育補助者雇上強化事業の補助は、公定価格の加算に含まれますか。
含まれません。公定価格とは別建てで、市町村が実施する補助事業です。実施の有無や補助の内容は市町村ごとの要綱で確認します。
- 保育士資格のない人でも、保育補助者として雇い上げの対象になりますか。
通知は、保育補助者を保育士資格を有していない者としています。ただし、保育に関する40時間以上の実習を受けた者、又は同等の知識・技能があると市町村が認めた者であることも要件です。
- 保育士資格のある人を、保育補助者として雇い上げられますか。
通知は、保育士資格があって現に保育士として就業していない人を、有資格保育補助者として対象にしています。従事期間は採用から1年が限度です。
自園の条件で試算する
定員と年齢別の園児数を入力すると、公定価格の基本分単価を試算します。保育補助者雇上強化事業の補助は含まれないため、あわせて所在市町村へ確認してください。
公定価格の試算を開くほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 保育人材確保事業の実施について(別添6 保育体制強化事業実施要綱)
こ成保第312号(令和6年5月30日)/令和6年度対象外/確認日 2026-10-06