解説

こども誰でも通園制度の生活困窮家庭等負担軽減加算:利用料の減額・対象者・遡及の扱い(公定価格Q&A第1版)

こども誰でも通園制度の生活困窮家庭等負担軽減加算について、利用料の減額を誰が決めるか、対象の保護者、30分単位の数え方、税の更正後の扱いを、国のQ&A(第1版)の答えで整理します。

この加算は、事業者が利用料を減額した分に対して給付される

こども誰でも通園制度(特定乳児等通園支援)の乳児等支援給付費には、基本単価に上乗せする加算があります。

その一つが生活困窮家庭等負担軽減加算で、国の告示(令和8年こども家庭庁告示第8号)の第3条第5項に定められています。

事業者が利用料を減額した場合に、市町村がその分を加算として給付する仕組みです。

加算の金額そのものは、このページには書きません。区分ごとの額は、告示で確認してください。

このページは、こども家庭庁の「こども誰でも通園制度の公定価格に関するQ&A【第1版】」の答えを整理したものです。

通常の保育所の公定価格とは別の制度で、請求先も市町村の乳児等のための支援給付です。

利用料を減額するかどうかは、事業者が決める

Q&Aは、利用料の減額を実施するかどうかを誰が決めるかを、はっきり答えています。

市町村は、事業者に減額をさせない取り決めをする権限を持ちません。

令和8年度からの利用料は、特定乳児等通園支援事業の運営に関する基準(令和7年内閣府令第95号)第12条第2項に基づき、事業者が減額するかどうかを判断します。

減額と加算の関係(Q&A 6の9)
場面Q&Aの答え
市町村が「生活困窮家庭等への減免を実施しない」と決めるそのような取り決めをする権限はない(事業者に減免をさせないと決める権限はない)
事業者が利用料の減額を行った市町村は、告示第3条第5項各号の区分に応じて、必ず加算をする
事業者の望ましい対応対象の保護者の利用があったときは、各号に定められた加算額に応じて減額することが望ましい

加算は、減額をした事業者への給付です。

事業者が減額を決めた後で、市町村が加算の支払いを断ることはできません。

対象になる保護者は告示で区分されている

対象の保護者は、告示第3条第5項に定められています。

区分は、第1号と、第2号のイ・ロ・ハです。

対象かどうかが分かれやすい場面を、Q&Aの答えで次の表にまとめます。

対象かどうかが分かれる場面(Q&A 6の7・8・10)
場面Q&Aの答え
所得が未申告で、課税の情報を確認できない第2号イ・ロは確認に必要な税の情報がないため対象にならない。市町村長の判断で、第2号ハによる対象にすることは考えられる
海外で勤務し、住民票が日本にない状態から帰国した市町村民税の賦課期日に国外に住所を有する人は非課税者から除かれ、第2号イは適用されない。第2号ロも所得割額を確認できず適用されない。第2号ハによる対象にすることは考えられる
要支援家庭の子どもなど、第2号ハで認める場合市町村が対象者として認める。該当する世帯の要件は、あらかじめ審査基準を定めておくことが基本

第2号ハの要件は、市町村があらかじめ審査基準を定めておくことが基本とされています。

Q&Aは、他の条例や規則との整合を図り、自治体の法規部門と協議するよう求めています。

第2号ハは市町村の判断が入るため、住んでいる市町村によって扱いが異なると考えられます。

上限額・30分単位・他の市町村の利用の数え方

加算の計算について、Q&Aが答えている点は次の3つです。

  1. 加算の上限は、事業者が設定した利用料の額(6の2)

    事業者が一律の利用料を設定し、その利用料を減額した場合、その事業所の利用に対する加算の上限は、設定した利用料の額になります。

  2. 30分単位でも、1時間あたりに換算して計算する(6の11)

    留意事項通知が「1時間当たり」としているのは、30分単位の利用でも1時間に換算して計算する前提だからです。1時間半の利用で、生活保護世帯の利用料を全額減額した場合は、その全額が加算の対象になります。加算額はつうえんポータルで自動的に計算されます。

  3. 他の市町村に住む子どもの利用は、住んでいる市町村が支払う(総論4・6の3)

    A市で認定を受けた保護者がB市の事業所を使って利用料の軽減を受けた場合、請求を受けたA市は、保護者が告示第3条第5項の第1号、または第2号のイ・ロに当たるなら、加算した額の給付費を支払う必要があります。Q&Aは、第2号ハについてはこの答えの中で触れていません。

申請・同意・遡及の扱い

申請と同意の扱いは、事業者と市町村で分かれます。

Q&Aの答えを、場面ごとに整理します。

申請・同意・遡及(Q&A 総論2、6の4・5・6・12)
場面Q&Aの答え
事業者が加算のために事前の申請をするか生活困窮家庭等負担軽減加算については、事前の申請は不要
保護者から申請がなく、公簿等で要件を満たすと分かる個人情報を事業者に伝えることになるため、本人の同意が必要。同意なしの職権による加算はできず、趣旨を伝えて申請してもらう
修正申告などで市町村民税の課税額が変わった、または利用後に申請があった遡及はしない。税の更正の場合は、更正が分かった次回の利用から、更正後の税額に応じて加算を適用する
市町村が独自に遡及して適用したい妨げない。ただし、乳児等支援給付費や国の交付金は遡及しない
同一世帯に属する人の確認申請書に家族構成の欄はないが、住民票等で確認することが想定されている
認定証に加算の記載がない記載の有無にかかわらず、要件に当たれば加算する。本人が加算を受けることに同意して申請する必要がある

生活困窮家庭等負担軽減加算と、要支援家庭こども加算は、同じ子どもの同じ利用について、両方の要件を満たすなら併せて加算の対象にできます(6の1)。

要支援家庭こども加算も、利用者の同意を得たうえで認定します(4の1)。

事業者と市町村が確認すること

減額を始める前に、次の4点を確かめます。

  1. 減額するかを事業所として決める

    減額の有無は事業者の判断です。減額する場合は、告示で定められた区分と加算額に合わせた額にするのが望ましいとされています。

  2. 対象の確認方法を市町村に聞く

    第2号ハの審査基準や、世帯の確認に使う書類は市町村ごとに異なりえます。所轄の市町村に確認します。

  3. 同意の取り方を決める

    対象かどうかが分かっても、本人の同意なしに加算はできません。申請の流れと説明の仕方を決めておきます。

  4. 税の更正があったときの適用開始の利用を整理する

    更正が分かった次回の利用から適用し、遡及しません。利用の記録と、更正を知った日を結び付けて残します。

この記事は、国のQ&Aの整理です。個別の保護者が対象になるかの判定や、加算の請求の代行を行うものではありません。

最終的な判断は、乳児等支援給付認定を行う所轄の市町村に確認してください。

よくある質問

生活困窮家庭等負担軽減加算について、よく聞かれる3点です。

市町村は、生活困窮家庭等への減免をしないと決められますか。

Q&Aの6の9は、市町村に、事業者が減免を実施しないと取り決める権限はないと答えています。事業者が減額を行った場合、市町村は告示第3条第5項各号の区分に応じて必ず加算をします。

税の修正申告があったとき、過去の利用にさかのぼって加算できますか。

Q&Aの6の5は、税の更正が分かった次回の利用から適用し、遡及はしないと答えています。市町村が独自にさかのぼって適用することは妨げませんが、乳児等支援給付費や国の交付金は遡及しません。

所得が未申告の家庭は、加算の対象になりませんか。

Q&Aの6の7は、第2号イ・ロは確認に必要な税の情報がないため対象にならないと答えています。ただし、市町村長の判断で第2号ハによって対象にすることは考えられるとしています。

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