解説

こども誰でも通園制度の障害児・医療的ケア児・要支援家庭こどもの加算:対象の認め方と、同時に付けられない扱い

こども誰でも通園制度の障害児加算・医療的ケア児加算・要支援家庭こども加算について、国の留意事項通知(令和8年4月1日)で、対象を誰が認めるか、事業者に求められる体制、居宅訪問の条件、3つの加算を併せて付けられない扱いを整理します。

3つの加算は、市町村長が対象の子どもを認めたうえで付く

こども誰でも通園制度には、子どもの状況に応じた加算が3つあります。

障害児加算、医療的ケア児加算、要支援家庭こども加算です。

3つとも、保護者の申請に基づいて市町村長が対象の子どもと認めることが出発点です。

事業者が自分で判断して付ける加算ではありません。

3つの加算の対象と、事業者に求められること(留意事項通知より)
加算対象の子ども事業者に求められること
障害児加算市町村長が障害児と認めた子ども。身体障害者手帳等の交付の有無は問わない障害の特性に応じた対応ができる職員を配置するなどして、適切に提供する体制を確保する
医療的ケア児加算市町村長が、日常生活と社会生活のために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠な子どもと認めた子ども医療的ケアを行う看護師等の配置その他で、適切に提供する体制を確保する
要支援家庭こども加算市町村長が、事業の実施などで把握した、保護者の養育を支援することが特に必要と認めた子ども保護者と子どもの様子を確認し、都道府県・市町村・児童相談所などの関係機関と情報共有をするなど、緊密に連携する

出典: 特定乳児等通園支援に要する費用の額の算定に関する基準の実施上の留意事項について(令和8年4月1日)の1〜3。加算額は通知に定められています。このページには書かないので、通知の原文で確認してください。

障害児加算:手帳がなくても、障害の事実が分かる資料で確かめられる

障害児加算の対象は、身体障害者手帳等の交付の有無を問いません。

通知は、医師の診断書や、巡回支援専門員など障害の専門的な知見を持つ人が出した意見など、障害の事実が分かる資料で確かめても差し支えないとしています。

手帳がないという理由だけで、対象から外れるわけではありません。

保育所などで過ごすことや外出することが難しい障害児には、通園を基本としたうえで、子どもの自宅へ乳児等通園支援従事者を派遣する居宅訪問も認められています。

居宅訪問をする事業者は、あらかじめ市町村と協議して実施します。

医療的ケア児加算:看護師等の配置と、受入れ前の検討が出てくる

医療的ケア児加算で体制として挙がるのは、医療的ケアを行う看護師等の配置です。

通知は、看護師等を、保健師・助産師・看護師・准看護師、または喀痰吸引等研修の課程を修了した者としています。

  1. 居宅訪問の場合

    乳児等通園支援従事者に加えて、看護師等を配置します。従事者が看護師等である場合は、その1名だけの配置でも差し支えないとされています。

  2. 受入れを始める前の確認

    認定した市町村長は、受入れを開始する前に、国の手引に基づいて市町村との受入れ可能性の検討を十分に行うことを、必要に応じて事業者に求めます。

  3. 市町村長の確認

    指導監督などを通じて、提供の状況や職員の配置の状況などの体制を確認します。

医療的ケア児は、受入れを始める前の確認がある

医療的ケア児の受入れを決める前に、市町村との検討が必要になる場合があります。

受入れの依頼があったら、利用を始める前に、認定した市町村の担当窓口へ受入れ可能性の検討を相談します。

要支援家庭こども加算:関係機関との連携が条件

要支援家庭こども加算は、他の2つと違い、職員の配置ではなく関係機関との連携が条件です。

通知は、保護者と子どもの様子を確認し、必要なこども・子育て支援につなげられるよう、都道府県、市町村、児童相談所などと情報共有をするなど、緊密に連携を図る場合に加算するとしています。

市町村長は、情報共有の実施の状況や、情報共有ができる体制の確保の状況などを確認します。

加算の対象に認めるときの手続きについては、国のQ&A(第1版)の4の1が、利用者の申請や理解を得たうえで認定する仕組みで、要支援家庭こども加算も利用者の同意を得たうえでの認定を求めると答えています。

本人に伝えずに加算をすることは、想定されていません。

障害児・医療的ケア児・要支援家庭こどもの3つは、併せて加算できない

通知は、3つの加算それぞれに、他の2つを加算する場合には加算できないと書いています。

同じ子どもに対して、障害児加算・医療的ケア児加算・要支援家庭こども加算のうち付けられるのは1つです。

併せて加算できるか
組み合わせ扱い
障害児加算と医療的ケア児加算併せて加算できない(通知の1・2)
障害児加算と要支援家庭こども加算併せて加算できない(通知の1・3)
医療的ケア児加算と要支援家庭こども加算併せて加算できない(通知の2・3)
生活困窮家庭等負担軽減加算と要支援家庭こども加算両方の要件を満たしていれば、両方の対象にできる(Q&A第1版の6の1)

生活困窮家庭等負担軽減加算については、別の記事に書いています。3つの加算のどれを付けるかが分からないときは、認定した市町村に確認してください。

よくある質問

3つの加算は、対象の認定、事業者の体制、併給の可否の3つで整理できます。

障害者手帳がない子どもは、障害児加算の対象になりませんか。

通知は、身体障害者手帳等の交付の有無は問わないとしています。医師の診断書や、専門的な知見を持つ人の意見など、障害の事実が分かる資料で確かめても差し支えないと示されています。

医療的ケア児を受け入れるとき、看護師の配置は必要ですか。

通知は、医療的ケアを行う看護師等の配置その他により、適切に提供する体制を確保しているときに加算するとしています。看護師等には、喀痰吸引等研修の課程を修了した者も含まれます。具体的な配置は、認定した市町村に確認してください。

要支援家庭こども加算は、保護者に知らせずに付けられますか。

国のQ&A(第1版)の4の1は、利用者の同意を得たうえでの加算の認定をお願いするとしています。

障害があり、かつ医療的ケアが必要な子どもには、2つの加算が付きますか。

通知は、障害児加算と医療的ケア児加算を併せて加算することはできないと定めています。どちらの対象として加算するかは、認定した市町村に確認してください。

関連する確認先

次に確認するなら、加算の総論と、ほかの加算です。

加算が市町村の判断でなくせるかは加算の総論と障害児加算のQ&A、生活困窮家庭の加算は生活困窮家庭等負担軽減加算、初回対応加算と面談の加算は初回対応加算・保護者支援面談加算に書いています。利用の始め方はこども誰でも通園制度の確認の順序で確認できます。

通常保育の基本分単価は、所在地・利用定員・年齢別の在籍数で試算できます。こども誰でも通園制度の給付費は、この試算に含まれません。

通常保育の公定価格を試算する

出典: 特定乳児等通園支援に要する費用の額の算定に関する基準の実施上の留意事項について(令和8年4月1日)、こども誰でも通園制度の公定価格に関するQ&A(第1版)。確認日は 2026-10-26 です。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「公定価格と別の補助・費用の制度を切り分けたいとき」の解説一覧へ