解説

栄養管理加算で派遣の栄養士・法人本部の栄養士・外部委託は配置か嘱託か(公定価格FAQ No.163)

栄養管理加算の栄養士が派遣契約、法人本部の雇用、栄養管理業務の外部委託のとき、配置・兼務・嘱託のどれになるかがわかります。

栄養管理加算の区分は配置・兼務・嘱託の3つ

留意事項通知は、栄養管理加算を、栄養士等を活用して、献立やアレルギー、アトピー等への助言、食育等に関する継続的な指導を受ける保育所に加算するものと定めています。活用の仕方は、雇用形態を問わず、嘱託する場合や、調理員として栄養士等を雇用している場合も対象です。

加算額の計算式は、配置・兼務・嘱託の3つの形態ごとに分かれます。通知は3つを次のように定めています(別紙2・保育所の栄養管理加算、確認日 2026-10-18)。

3つの形態の定義(留意事項通知 別紙2・保育所 栄養管理加算の注書き)
形態通知の定義
配置栄養士等が雇用契約等により配置されている場合。兼務に該当する場合を除く
兼務基本分単価および他の加算の認定に当たって求められる職員が、栄養士等としての業務を兼務している場合
嘱託配置または兼務に該当する場合を除き、栄養士等としての業務を嘱託等する場合

加算額は、配置では処遇改善等加算の加算率(a)(b)(c)の分を基本額に足し、兼務では(a)(b)の分を足し、嘱託では基本額のみとされています。いずれも各月初日の利用子ども数で割り、10円未満を切り捨てます。具体的な金額は試算ツールで確かめてください。

派遣契約の栄養士は「配置」になる

公定価格に関するFAQ(第32版・令和8年7月24日時点版)のNo.163(P23)は、栄養士を派遣契約により施設に配置する場合の区分を尋ねています。

答えは、派遣契約は「雇用契約等」に該当し、「配置」となるというものです。ただし、前の節の定義どおり、兼務に該当する場合は配置から除かれます。

派遣だから嘱託、と決めつけない

契約の名前が派遣でも、通知の「雇用契約等」に当たるとFAQは答えています。嘱託の区分で計算されると、基本額のみとなり、配置より小さくなり得ます。

派遣契約書の内容と、基本分単価で求められる職員を兼ねていないかを確認してから、区分を市町村に伝えます。

法人本部で雇用する栄養士は、施設で継続的な指導をするなら「配置」

No.163は、法人本部で栄養士を雇用している場合も尋ねています。

答えは、法人本部で雇用する栄養士が各施設へ赴き、施設に栄養士が配置されている場合と同様に、献立やアレルギー、アトピー等への助言、食育等に関する継続的な指導を行う場合は「配置」になる、というものです。これも兼務に該当する場合は除かれます。

法人本部の栄養士で見る点(FAQ第32版No.163、確認日 2026-10-18)
見る点FAQの書きぶり
雇用主法人本部で雇用していてもよい
施設での関わり各施設へ赴いて指導する
指導の中身献立、アレルギー・アトピー等への助言、食育等に関する継続的な指導
指導の水準施設に栄養士が配置されている場合と同様

月に何回、何時間施設へ赴けば「継続的」かは、FAQに数値がありません。回数や時間の目安は市町村ごとに異なる可能性があるため、所轄の市町村に確認してください。

栄養管理業務の外部委託は「嘱託」

No.163は、栄養管理業務を外部に委託する場合についても答えています。

答えは、「栄養士としての業務を嘱託等する場合」に該当し、「嘱託」となるというものです。通知の定義でも、嘱託は配置または兼務に該当する場合を除いた、栄養士等の業務を嘱託等する場合とされています。

給食の調理や配食の委託と、栄養管理業務の委託を混ぜない

No.163が嘱託としているのは、栄養管理業務の外部委託です。給食を外部から搬入する場合は、このFAQの対象外です。

委託契約の内容が、栄養士による献立の助言や食育の指導といった栄養管理業務を含むかを、契約書で確かめます。

自園の形態を確かめる順序

契約の名前ではなく、雇用契約等かどうか、基本分単価の職員を兼ねていないか、施設での指導の実態の順に見ます。

  1. 栄養士の契約形態を確かめる

    自園の雇用か、派遣契約か、法人本部の雇用か、栄養管理業務の委託契約かを契約書で確かめます。

  2. 兼務に当たらないかを見る

    基本分単価や他の加算の認定で求められる職員が、栄養士等の業務を兼ねていないかを確かめます。兼ねていれば、配置ではなく兼務の定義に当たります。

  3. 施設での指導の実態を確かめる

    法人本部の栄養士なら、施設へ赴いて献立やアレルギーへの助言、食育の指導を継続的に行っているかを確かめます。

  4. 市町村に区分を伝えて認定を受ける

    申請には、施設名、加算の適用年月、栄養士等の活用状況・配置等の形態の別が確認できる書類等が必要です。認定は市町村が行います。

次に知りたいこと:認定の確認手順と、調理員との関係

この記事は、栄養士の関わり方から区分を考える部分だけを整理しています。試算に入れる手順や、調理員との関係は別の記事で整理しています。

認定資料と月初の利用子ども数の確認は『栄養管理加算の確認手順(栄養士の配置・兼務・嘱託の認定資料)』、定員21〜40人の保育所の調理員との関係は『定員21〜40人の保育所に令和8年度から加わる非常勤の調理員』、10円未満の端数は『公定価格の10円未満切り捨てとは?通知に明記された加算・調整と明記のない項目』が参考になります。

よくある質問

派遣会社から来る栄養士は、嘱託になりますか。

FAQのNo.163は、派遣契約は「雇用契約等」に該当し「配置」になるとしています。ただし、兼務に該当する場合は配置から除かれます。

法人本部の栄養士が月に1回だけ施設へ来る場合は、配置になりますか。

FAQは、施設に栄養士が配置されている場合と同様に継続的な指導を行う場合を配置としています。月1回が「継続的」に当たるかを示す数値はないため、市町村に確認してください。

給食の調理を外部に委託している園は、嘱託になりますか。

FAQのNo.163が嘱託としているのは、栄養管理業務を外部委託する場合です。給食の調理や搬入の委託がこの答えに含まれるとは書かれていません。

栄養士が調理員を兼ねている場合は、どの区分ですか。

通知の兼務は、基本分単価および他の加算の認定で求められる職員が、栄養士等の業務を兼務している場合です。自園の調理員の位置づけが基本分単価の職員に当たるかは、市町村に確認してください。

自園の栄養士がどの区分かを、この記事で判定できますか。

できません。この記事は公定価格FAQと通知の整理です。区分の認定は、所轄の市町村が申請書類をもとに行います。

公定価格を試算する

市町村が認定した活用形態を選びます。試算結果は入力に基づくモデル計算で、実際の算定は市町村の確認で決まります。

栄養管理加算を入れて公定価格を試算する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由: 共通する一次資料

  • 栄養管理加算の確認手順(栄養士の配置・兼務・嘱託の認定資料)

    栄養士の配置、兼務、嘱託といった活用形態は市町村の認定資料で確かめます。月初の利用子ども数と入力欄の月初在籍数が一致するかも照合します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 保育ICT推進加算の4つの機能は別々のシステムでよいか、確認される資料は何か(公定価格FAQ No.336〜342)

    保育ICT推進加算の「4つの機能」について、公定価格FAQ(第32版)のNo.336〜342をもとに整理します。4つの機能とは何か、複数のシステム・メーカーに分かれていてよいか、キャッシュレス決済を一部の用途だけで使っていてもよいか、活用の確認でどんな資料を見られる想定か、をまとめています。

    関連する理由: 共通する一次資料

  • 定員21〜40人の保育所に令和8年度から加わる非常勤の調理員

    令和8年度から、利用定員21人以上40人以下の保育所・認定こども園の基本分単価に非常勤の調理員が加わりました。すぐに充足が必要かどうか、栄養管理加算(配置)を使っていた場合の申請区分、高齢者等活躍促進加算との重複の扱いがわかります。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

「加算を試算に入れる前に、認定や要件を確認したいとき」の解説一覧へ