解説

保育ICT推進加算の4つの機能は別々のシステムでよいか、確認される資料は何か(公定価格FAQ No.336〜342)

保育ICT推進加算の「4つの機能」について、公定価格FAQ(第32版)のNo.336〜342をもとに整理します。4つの機能とは何か、複数のシステム・メーカーに分かれていてよいか、キャッシュレス決済を一部の用途だけで使っていてもよいか、活用の確認でどんな資料を見られる想定か、をまとめています。

4つの機能とは何か(No.336)

公定価格FAQ(第32版)のNo.336は、保育ICT推進加算の「4つの機能を持つICT」の定義を問うています。

答えは、「保育所等業務効率化推進事業(保育所等におけるICT化推進等事業)」の対象となっている次の4つです。登降園の管理、保育の計画・記録、保護者との連絡、キャッシュレス決済の4つが対象です。

FAQ No.336が示す4つの機能
番号機能
①園児の登園及び降園の管理に関する機能
②保育に係る計画・記録に関する機能
③保護者との連絡に関する機能
④キャッシュレス決済に関する機能

4つの機能を導入しても、利用がまったくなければ対象外になることは保育ICT推進加算は4つの機能を導入しても使っていなければ対象外かで説明しています。この記事は、4つの機能の数え方と、確認の資料に絞ります。

別々のシステム・メーカーでもよい(No.337)

No.337は、「1つのシステムに4つの機能がすべて入っている必要はあるか」を問うています。例として、①②③を1つのシステムで、④のキャッシュレス決済を別のシステムで使う場合に、要件を満たすかを尋ねています。

答えは、4つの機能のシステムを活用していれば、それぞれ異なる機種やメーカーであっても差し支えありませんです。

つまり、4つの機能が1つの製品にそろっていなくても、機能ごとに別の製品を使っていて構いません。

ただし、FAQは「活用していれば」と書いています。契約だけで使っていない機能があると、No.376の「利用がまったくされていない」場合に当たるかどうかが問われます。

②③④の具体的な中身は、1歳児配置改善加算のFAQに書かれている(No.338〜340)

No.338〜340は、③保護者との連絡、②保育の計画・記録、④キャッシュレス決済が、具体的にどんな場合に要件を満たすかを問うています。

答えはいずれも別のFAQを参照するもので、③はNo.243、②はNo.242、④はNo.262を見ることになっています。これらは、1歳児配置改善加算のICT要件について書かれたFAQです。

No.338〜340が参照する先と、その回答の要点
機能参照先回答の要点
② 保育に係る計画・記録No.242同時に複数端末からアクセスでき、情報の共有・更新を行う端末が限定されていなければ要件を満たす
③ 保護者との連絡No.243ICT連絡ツールから保護者と双方向のやり取りができるものを想定。園のHPやメール、SNSを介して職員個人が連絡するだけでは対象外。他の機能とあわせ持つツールでもよい
④ キャッシュレス決済No.262ICTを活用した口座振替、クレジットカード決済、QRコード決済のいずれかを活用すること。保護者が銀行のアプリ等で直接振り込む場合や銀行引き落としの場合などは、ICTの活用が寄与していなければ満たさない

①の登降園の管理には、これらのような参照先の指定がありません。

タイムカードへの打刻だけでは登園・降園の管理の機能に当たらない、という1歳児配置改善加算側のFAQ(No.256)の答えは、①の考え方の参考になります。ただし、No.336〜342は①について別の答えを示していないため、個別の判断は所在地の市町村に確認してください。

No.242・243・256・257・262の内容は1歳児配置改善加算のICT要件で詳しく説明しています。

キャッシュレス決済が一部の用途だけでもよいか(No.341)

No.341は、延長保育事業のみを対象にするような限定的な利用でも条件を満たすかを問うています。

答えは、業務負担軽減に資する程度に活用されていると市町村が認める場合は、特定の用途のみキャッシュレス決済を行っていても、要件を満たしているものとして差し支えないです。

ここで見られているのは、決済の対象が広いか狭いかではありません。業務負担の軽減に役立つ程度に使われているかどうかを、市町村が認めるかどうかです。

限定した用途で使っている場合は、その使い方が業務負担の軽減につながっていることを、市町村に説明できるようにしておきます。

「一部の用途でよい」は、市町村が認める場合の話

No.341の答えは、市町村が認める場合に限った扱いです。どの程度の用途・利用があれば認められるかという数や割合の基準は、FAQに書かれていません。

決済の対象にしている保育料・延長保育料・実費などの範囲と、それで事務がどう減ったかを書き出し、所在地の市町村に確認する。

活用の確認で見られる資料(No.342)

No.342は、4つの機能を持つICTを活用して業務を実施していることを、どのように確認するかを問うています。

答えによれば、導入している4つの機能それぞれについて、現に活用していることを確認するため、次の2点を確認することを想定しています。

FAQ No.342が確認を想定している事項
確認する事項内容
システム・製品の情報システムまたは製品の名称、運用保守契約の相手先事業者名
その年度に発生した費用運用保守契約額、ソフトウェアライセンス料、購入額など、当該年度に発生した費用等

買い切りの製品等の場合でも、当該製品の運用に係る何らかの費用が当該年度に発生していることを確認すると書かれています。

つまり、契約書や請求書など、機能ごとに名称・相手先・その年度の費用が分かる資料が手元にあると、確認に答えやすくなります。実際にどの書類を出すかは、市町村の申請様式に従います。

確認の順序と、この記事が判断しない範囲

機能ごとに、使っている製品・使い方・その年度の費用の順に整理します。

  1. 4つの機能を1つずつ、どの製品が担っているかを書き出す

    ①登降園、②計画・記録、③保護者との連絡、④キャッシュレス決済のそれぞれについて、製品名と運用保守契約の相手先を書きます。複数の製品に分かれていて構いません。

  2. 機能ごとに、使い方がFAQの答えに沿っているかを見る

    ②は複数端末で共有・更新できるか、③は双方向のやり取りができる連絡ツールか、④はICTを活用した口座振替・クレジットカード・QRコードのいずれかか、を確かめます。

  3. その年度に発生した費用が分かる資料をそろえる

    運用保守契約額、ライセンス料、購入額など、機能ごとの費用が分かる契約書・請求書を整理します。

  4. 迷う点は申請前に市町村へ確認する

    キャッシュレス決済が限定した用途だけの場合や、①の登降園の管理の方法に迷う場合は、所在地の市町村に確認します。

この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.336〜342と、そこから参照されるNo.242・243・262の整理です。個別の施設が要件を満たすかどうかを判定するものではありません。

申請の様式や確認の方法は、所在地の市町村に確認してください。

よくある質問

4つの機能の数え方について、よく聞かれる3点です。

登降園と保護者連絡は同じ会社の製品で、決済だけ別の会社です。要件を満たしますか。

FAQ No.337は、4つの機能のシステムを活用していれば、それぞれ異なる機種やメーカーであっても差し支えないと答えています。ただし、それぞれの機能を実際に活用していることが前提です。

キャッシュレス決済を延長保育料の支払いだけで使っています。対象になりますか。

FAQ No.341は、業務負担軽減に資する程度に活用されていると市町村が認める場合は、特定の用途のみの利用でも要件を満たしているものとして差し支えないと答えています。認められるかどうかは市町村の判断なので、所在地の市町村に確認してください。

買い切りのソフトを使っています。費用の資料は必要ですか。

FAQ No.342は、買い切りの製品等の場合であっても、当該製品の運用に係る何らかの費用が当該年度に発生していることを確認することを想定している、と答えています。どの書類で示すかは、市町村に確認してください。

次に知りたいこと

同じ加算の、ほかの確認事項です。責任者の人選は保育ICT推進加算の「ICT活用の責任者」は誰がなれるか、令和9年度に活用する予定の中身は保育ICT推進加算の活用内容(自治体の独自システムの場合)、ここdeサーチの更新は保育ICT推進加算のここdeサーチ更新(変更なしの場合)で説明しています。

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