解説

保育料の滞納・未納と私立保育所の委託費(子ども・子育て支援法附則第6条の徴収・滞納処分)

私立保育所の保育料は、委託費を支払った市町村の長が保護者から徴収します。子ども・子育て支援法附則第6条第1項・第4項〜第6項の条文から、保育料の滞納・未納が委託費の額とどう関係するかと、滞納処分の規定を整理します。

私立保育所の保育料は市町村が徴収する

子ども・子育て支援法附則第6条第1項は、都道府県及び市町村以外の者が設置する保育所(条文上の「特定保育所」)について、市町村が保育費用を委託費として支払うと定めています。保育費用は、同法第27条第3項第1号の内閣総理大臣が定める基準により算定した費用の額(公定価格)に相当する額で、一月ごとに支払われます。

同条第4項は、保育費用を支払った市町村の長が、保護者又は扶養義務者から、家計に与える影響を考慮して子どもの年齢等に応じて定める額を徴収すると定めています。私立保育所の保育料は、施設ではなく市町村が保護者から徴収する仕組みです。

附則第6条が定める支払と徴収の流れ
項誰が誰に内容
第1項市町村私立保育所(特定保育所)保育費用を委託費として支払う
第4項市町村の長保護者又は扶養義務者家計への影響を考慮し、子どもの年齢等に応じて定める額を徴収する

委託費が児童福祉法第24条と子ども・子育て支援法附則第6条に基づく支払であることは、委託費の条文上の根拠で説明しています。

委託費の額は保護者の納付状況で変わる定めがない

附則第6条は第1項から第7項まであり、委託費の支払(第1項)、保護者からの徴収(第4項)、徴収の嘱託(第5項)、滞納処分(第6項)などを定めています。このいずれの項にも、委託費の額を保護者の納付状況に応じて減らす定めはありません。

第1項が定める委託費は、公定価格の基準により算定した費用の額に相当する額です。保護者からの徴収は、第4項で市町村の長が別に行うものとして定められています。

市町村ごとの運用は条文だけでは分からない

この記事は子ども・子育て支援法附則第6条の条文の範囲で整理しています。委託費の支払時期や手続など、市町村ごとの運用は条文には書かれていません。

保護者の滞納が生じたときの扱いは、委託費を支払う市町村の担当窓口で確認してください。

滞納した保育料の徴収と滞納処分

附則第6条第5項と第6項は、第4項で徴収する保育料の徴収方法と、納付されない場合の処分を定めています。

保育料の徴収・滞納に関する規定(子ども・子育て支援法附則第6条)
項内容
第5項徴収は、保護者又は扶養義務者の居住地又は財産所在地の都道府県又は市町村に嘱託することができる
第6項指定の期限内に納付しない者があるときは、地方税の滞納処分の例により処分することができる
第6項徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐ

附則第6条が徴収と滞納処分の主体として定めているのは、市町村です。

よくある質問

保護者が保育料を滞納すると、私立保育所の委託費は減りますか。

子ども・子育て支援法附則第6条には、委託費の額を保護者の納付状況で減らす定めはありません。委託費は公定価格の基準で算定した額に相当する額で、保育料は市町村の長が保護者から別に徴収します。個別の運用は市町村の担当窓口で確認してください。

滞納された保育料は、誰が回収しますか。

附則第6条第4項により、保育料を徴収するのは委託費を支払った市町村の長です。期限内に納付されない場合は、同条第6項により地方税の滞納処分の例により処分することができます。

この記事は認定こども園や小規模保育事業にも当てはまりますか。

当てはまりません。附則第6条が対象とするのは、都道府県及び市町村以外の者が設置する保育所(私立保育所)です。認定こども園や地域型保育事業の利用者負担の扱いは、この記事では扱いません。

自園の条件で試算する

多子軽減などで保護者の保育料が下がっても委託費の算定額が変わらない理由は、多子軽減と委託費で説明しています。

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

この試算に、保護者の保育料(利用者負担額)や滞納の有無は含まれません。

公定価格の試算を開く

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この記事が参照した一次資料

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