保育所の人件費率の全国平均は、2024年度決算で71.5%
福祉医療機構(WAM)が公表する「経営分析参考指標 2024年度決算分」の保育所の概要では、サービス活動収益に対する人件費の割合は2023年度が72.3%、2024年度が71.5%で、0.8ポイント下がっています。人件費率とは、1年間の収益のうち、職員の給与などの人件費に使った割合のことです。
| 区分 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 保育所 | 72.3% | 71.5% |
| 認定こども園(幼保連携型) | 69.6% | 69.4% |
| 認定こども園(保育所型) | 70.6% | 70.5% |
この資料は、WAMが集計した施設の決算の平均です。注に、開設後1年未満の施設は含まれないこと、数値は四捨五入のため内訳の合計が合わない場合があることが書かれています。個別の園の人件費率がこの値になるとは限りません。
人件費率は「人件費÷サービス活動収益」で出す
WAMの経営指標一覧は、人件費率を人件費をサービス活動収益で割った値と定めています。サービス活動収益とは、保育事業などの本業で得た収益のことで、公定価格にもとづく給付だけでなく、利用者負担や補助金などが入る場合があります。
説明欄には、値が低いほど収益に対する費用の負担は軽くなる、ただし良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要、と書かれています。低いほどよい、とも、この値に合わせるべき、とも書かれていません。
| 項目 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 人件費 | 72.3% | 71.5% |
| 経費 | 19.4% | 19.0% |
| 減価償却費 | 3.1% | 2.9% |
| 費用の計 | 94.9% | 93.5% |
| 従事者1人当たり人件費(千円) | 4,384 | 4,668 |
費用の計の内訳には、表に載せた項目のほか給食費などが入っています。人件費は費用全体の中で最も大きな割合を占める、という位置づけで読むのが、この表から言える範囲です。
試算結果への当てはめ方は、平均の率を掛けるのではなく自園の率を出して並べる
この試算ツールが出すのは公定価格の見込み額で、WAMの分母であるサービス活動収益とは範囲が違います。そのため、試算額に71.5%を掛けた額を人件費の上限や目安にしません。同じ平均でも、収益の中身が違えば人件費の額は大きく変わります。
試算で公定価格の見込み額を出す
所在地、利用定員、年齢別の在籍数を入れた試算結果を、収益の目安の一つとして控えます。
自園の人件費の見込みを集める
給与、法定福利費、退職給付などを、決算書の人件費の区分で数えます。何を人件費に含めるかは、自園の会計の区分に従います。
自園の率を出す
人件費の見込みを、収益の見込みで割ります。試算額は収益の一部のため、補助金や利用者負担などがあれば加えて割ってください。
平均は並べて読むだけにする
全国平均より高いか低いかを見て、理由(職員配置、職員の勤続年数、処遇改善の反映など)を自園の数字で確かめます。平均に合わせて人件費を決める、という使い方はしません。
計算の例です。収益の見込みが1億円、人件費の見込みが7,000万円なら、人件費率は70%です。この数字は計算例で、全国平均や特定の園の実績ではありません。
処遇改善の仕組みは『処遇改善等加算の配分方法』、利用率の全国平均は『保育所の利用率の全国平均96.6%と、公定価格の試算での在籍数の置き方』で整理しています。
人件費率が平均並みでも、収支は園ごとに違う
同じ表には、収益に対する増減差額の比率が2023年度5.1%、2024年度6.5%と載っています。また、経常増減差額が0未満の赤字施設の割合は、2023年度23.1%、2024年度18.0%です。
平均の人件費率の園が黒字になる、という意味ではありません。この記事は全国平均の紹介と読み方の整理で、自園の収支を示すものではありません。
よくある質問
- 保育所の人件費率の全国平均はいくつですか。
2024年度決算で71.5%です。WAMの経営分析参考指標では、2023年度は72.3%でした。
- 人件費率はどう計算しますか。
人件費をサービス活動収益で割ります。WAMの経営指標一覧に載っている算式です。
- 人件費率は低いほどよいのですか。
WAMは、値が低いほど収益に対する費用の負担は軽くなるとしつつ、良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要としています。目標値は示されていません。
- 試算額に71.5%を掛けた額を、人件費の予算にしてよいですか。
おすすめしません。試算額は公定価格の見込みで、WAMの収益とは範囲が違います。自園の人件費の見込みを積み上げ、自園の率を出して平均と並べて読んでください。
公定価格を試算する
所在地、利用定員、年齢別の園児数を入力します。全国平均の人件費率は、試算の計算には使われません。
利用定員と年齢別の在籍数を入れて公定価格を試算するこの記事が参照した一次資料
- 特定教育・保育、特別利用保育、特別利用教育、特定地域型保育、特別利用地域型保育、特定利用地域型保育及び特例保育に要する費用の額の算定に関する基準等及び同基準等の一部を改正する件の一部を改正する告示
令和8年こども家庭庁告示第9号/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 経営分析参考指標 2024年度決算分(保育所・認定こども園)
該当なし/2024年度決算分対象外/確認日 2026-10-18