保育所の利用率の全国平均は、2024年度決算で96.6%
福祉医療機構(WAM)が公表する「経営分析参考指標 2024年度決算分」の保育所の概要では、利用率は2023年度が96.9%、2024年度が96.6%で、0.3ポイント下がっています。同じ表で、認可定員数の平均は101.2人から100.1人、年間開所日数の平均は294.2日(変化なし)です。
| 区分 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 保育所 | 96.9% | 96.6% |
| 認定こども園(幼保連携型) | 94.2% | 93.5% |
| 認定こども園(保育所型) | 93.2% | 93.3% |
この資料は、WAMが集計した施設の決算の平均です。注に、開設後1年未満の施設は含まれないと書かれています。全国の全施設の実績ではなく、個別の園の利用率がこの値になるとも限りません。
利用率は「月別在所児数の年間合計÷(定員数×12)」で出す
WAMの経営指標一覧は、利用率を月別在所児数の年間合計を、定員数に12を掛けた数で割った値と定めています。説明欄には、事業の定員数に対してどの程度のサービス利用が行われたかを示す指標で、値が高いほど施設が有効に活用されていることになる、と書かれています。
たとえば定員100人の園で、12か月の在所児数の合計が1,160人なら、1,160÷(100×12)で96.7%です。この数字は計算例で、全国平均や特定の園の実績ではありません。
WAMの算式は、月ごとの在所児数を年間で合計して定員の12か月分と比べています。公定価格は月ごとに各月初日の利用子ども数で決まるため、月初日の人数と月中の在所児数を同じ数として扱ってよいかは、この資料の算式欄からは読み取れません。両者を完全に同じものとして比べないでください。
公定価格の試算では、全国平均ではなく自園の月初日の見込み人数を年齢別に入れる
公定価格の基本分単価は、利用定員の区分で単価の水準が決まり、年齢区分ごとの実際の利用子ども数を掛けて総額が決まります。そのため、在籍数は自園の年齢別の見込み人数を入れます。試算の在籍数に「定員×96.6%」を一律に置くと、年齢ごとに単価が違うため、内訳が実際とずれます。
利用定員と所在地を入れる
単価の水準を決める区分です。在籍数の見込みとは別に、認可の利用定員をそのまま入れます。
年齢別に在籍数を入れる
月初日に在籍している(見込みの)子どもの数を、0歳から5歳の年齢別に入れます。定員に平均の利用率を掛けた人数を、年齢の区別なく割り振る方法は避けます。
年間では月ごとに分ける
4月と3月では在籍が変わります。年間の見込み額は、月別の在籍数を並べて出します。
平均値は見込みの妥当性の目安にとどめる
自園の見込みが全国平均より極端に高いときは、根拠となる申込状況や入所予定を確かめます。
年間の見込みの出し方は『保育所の公定価格の年間見込み額の出し方(月初在籍数・途中入退所)』、年齢帯ごとの欠員の影響は『年齢別の欠員と基本分単価の関係(単価水準・減算の有無・定員超過との違い)』で整理しています。
同じ表の「児童1人1月当たりサービス活動収益」は、公定価格の試算結果と比べない
同じ表には、児童1人1月当たりサービス活動収益が2023年度136,006円、2024年度148,368円と載っています。ただしこれは、保育事業の収益全体を在所児数で割った決算の数字で、公定価格以外の収入が入っている場合があります。公定価格の試算結果とそのまま比べないでください。
この記事は、全国平均の紹介と試算入力の考え方の整理です。自園の収益や黒字の見込みを示すものではありません。同じ資料には、経常増減差額が0未満の赤字施設の割合(2024年度は18.0%)も載っており、利用率が平均並みでも収支は園ごとに違います。
よくある質問
- 保育所の利用率の全国平均はいくつですか。
WAMの経営分析参考指標では、2024年度決算で96.6%(2023年度は96.9%)です。
- 利用率はどう計算しますか。
月別在所児数の年間合計を、定員数に12を掛けた数で割ります。WAMの経営指標一覧に載っている算式です。
- 試算の在籍数に、定員の96.6%を入れてよいですか。
おすすめしません。公定価格は年齢区分ごとの利用子ども数で決まるため、自園の月初日の見込み人数を年齢別に入れてください。
- 利用率が高いほど、必ず収益も高くなりますか。
この資料だけでは言えません。WAMは利用率が高いほど施設が有効に活用されているとしていますが、収支は人件費など他の要素にも左右されます。
公定価格を試算する
所在地、利用定員、年齢別の園児数を入力します。全国平均の利用率は、試算の計算には使われません。
利用定員と年齢別の在籍数を入れて公定価格を試算するこの記事が参照した一次資料
- 特定教育・保育、特別利用保育、特別利用教育、特定地域型保育、特別利用地域型保育、特定利用地域型保育及び特例保育に要する費用の額の算定に関する基準等及び同基準等の一部を改正する件の一部を改正する告示
令和8年こども家庭庁告示第9号/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 経営分析参考指標 2024年度決算分(保育所・認定こども園)
該当なし/2024年度決算分対象外/確認日 2026-10-18