解説

保育所の感染症の意見書と登園届は全員に必要か(国のガイドライン)

感染症にかかった子どもが保育所に戻るときの医師の意見書と保護者の登園届について、国の「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版、2023年10月10日現在の全体版)の書き方を整理します。一律の提出は求められていないこと、決め方、意見書と登園届の対象の分け方、職員の勤務停止まで、ガイドラインの原文に沿って説明します。

意見書も登園届も、国のガイドラインは「一律の提出は不要」としている

感染症にかかった子どもが登園を再開するときの意見書と登園届について、国のガイドラインには、次のように書かれています。

意見書と登園届は、一律に作成・提出が必要となるものではありません。

そのうえで、地域の協議の結果として必要になった場合は、事前に保護者へ十分に周知することが重要とされています。

ここでいうガイドラインは、こども家庭庁が掲載する「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版、2023年5月一部改訂、令和5年10月10日現在の全体版)です。この記事は、その本文と別添4に書かれた範囲だけを扱います。2026年10月23日時点で、こども家庭庁の保育のページに掲載されている全体版です。

出してもらうかどうかは、園ごとではなく地域の協議で決める

ガイドラインは、登園再開の取扱いを個々の保育所だけで決めるのではなく、地域で協議して決めることが大切としています。

協議の相手として書かれているのは、地域の医療機関、地区医師会・都道府県医師会、学校等で、市区町村の支援の下で行います。

理由として、子どもの負担や医療機関の状況も考慮することが挙げられています。

協議の結果、疾患の種類に応じて「意見書(医師が記入)」または「登園届(保護者が記入)」を保護者から保育所に提出する取扱いをすることが考えられる、というのがガイドラインの書き方です。

出してもらう書類は、ガイドラインが一律に決めるものではなく、協議の結果として決まった取扱いに園が従うものです。

自園の取扱いは、所在地の市区町村の保育主管課に確認してください。

意見書と登園届の対象の分け方(別添1の3分類)

ガイドラインの別添1は、特に注意すべき感染症を、書類の違いを軸に3つに分けています。

医師が意見書を記入することが考えられる感染症は13疾患、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症は9区分です。

どちらも「考えられる」という書き方で、提出を義務づける表現ではありません。

別添1の分類(ガイドライン原文の書き方)
分類書類挙げられている感染症
医師が意見書を記入することが考えられる感染症意見書(医師が記入)麻しん、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、風しん、水痘、流行性耳下腺炎、結核、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、百日咳、腸管出血性大腸菌感染症、急性出血性結膜炎、侵襲性髄膜炎菌感染症の13疾患
医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症登園届(保護者が記入)溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、手足口病、伝染性紅斑、ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス)、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症、帯状疱しん、突発性発しんの9区分(ガイドラインの番号で(14)から(22)。ウイルス性胃腸炎は番号が1つで、ノロウイルスとロタウイルスを含む)
上記のほか、保育所で特に適切な対応が求められる感染症書類の記載なしアタマジラミ症、疥癬、伝染性軟属腫、伝染性膿痂しん、B型肝炎の5疾患

各感染症の感染しやすい期間と登園のめやすは、ガイドラインの別添1と別添4の表に書かれています。この記事には転記しません。数え方に迷うときは、ガイドラインの原文と、嘱託医、所在地の市区町村の取扱いを確認してください。

意見書の参考様式は、治癒の確認を求めていない

別添4には、意見書と登園届の参考様式が載っています。

意見書の参考様式には、「必ずしも治癒の確認は必要ありません。意見書は症状の改善が認められた段階で記入することが可能です」という注記があります(一部の感染症に付く注記)。

様式の冒頭にも、「意見書は、一律に作成・提出する必要があるものではありません」と書かれています。

参考様式をそのまま使うことと、提出を必須にすることは別

別添4の様式は、あくまで参考様式です。自園で意見書や登園届を求める場合に、様式をそろえる目安として使えます。

提出を求めるかどうかは地域の協議で決まった取扱いに従い、求める場合は事前に保護者へ十分に周知する。

登園再開で確認することと、職員の勤務停止

ガイドラインは、感染症にかかった子どもが登園するときに確認する点を2つ挙げています。

確認する点は、子どもの健康状態が集団生活に適応できる状態まで回復していること、そして園内での集団発生や流行につながらないことの2つです。

登園のめやすは、学校保健安全法施行規則に規定する出席停止の期間の基準に準じて、あらかじめ確認しておくとされています。

職員についても、周囲への感染拡大を防ぐために勤務を停止することが必要になる場合があるとされています。

職員の勤務復帰の時期と従事する職務は、嘱託医の指示を受け、職員と施設長等との間で十分に相談して決めます。

よくある質問

意見書や登園届を出してもらわないと、国のガイドラインに反しますか。

ガイドラインには、意見書と登園届は一律に作成・提出が必要となるものではないと書かれています。提出が必要かどうかは地域の協議の結果によるため、所在地の市区町村に確認してください。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、必ず医師の意見書が必要ですか。

別添1は、これらを「医師が意見書を記入することが考えられる感染症」に分類しています。ただし「考えられる」という書き方で、必ず必要とは書かれていません。自園の取扱いは地域の協議の結果によります。

意見書や登園届の費用や公定価格との関係はありますか。

この記事で確認したガイドラインの範囲では、意見書や登園届の扱いは公定価格の算定と結びつけて書かれていません。この試算ツールも、公定価格の算定のみを行い、これらは試算に含めていません。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、ガイドライン本文の「罹患した子どもが登園する際の対応」と別添1・別添4の範囲だけを扱います。個々の園での取扱いは、所轄の市区町村と嘱託医に確認してください。

次に知りたいこと:保育所の衛生管理と感染症・食中毒予防の研修・訓練(第10条)、保育所の使用済みおむつは園で処分する扱いか、保育所の運営規程に定める11項目と重要事項の説明・同意・掲示

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    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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