解説

保育所の運営規程に定める11項目と重要事項の説明・同意・掲示

保育所は、運営規程を定め、利用開始の前に重要事項を文書で説明して同意を得て、見やすい場所への掲示とインターネットでの公表をします。特定教育・保育施設の運営基準の第5条・第20条・第23条から、運営規程の11項目、説明と同意、掲示と公表、条例で従うべき基準かどうかの違いを整理します。

運営規程を定め、説明し、掲示する。3つの条文が求めている

特定教育・保育施設の運営基準は、第20条で運営規程を定めること、第5条で利用の開始前に重要事項を説明して同意を得ること、第23条で掲示と公表をすることを求めています。

市町村の確認を受けた保育所は、この運営基準に従って特定教育・保育を提供します。

3つの条文は、運営規程の概要を共通の中身として、定める、説明する、見せる、の順につながっています。

運営規程に関わる3つの条文(確認日 2026-10-13)
条文園がすること相手
第20条施設の運営についての重要事項に関する規程(運営規程)を定めておく園の内部の規程
第5条提供の開始に際し、運営規程の概要・職員の勤務体制・費用に関する事項などを記した文書を交付して説明し、同意を得る利用の申込みを行った保護者
第23条見やすい場所に、運営規程の概要・職員の勤務の体制・利用者負担などを掲示し、インターネットでも閲覧できるようにする利用を考えている保護者を含む公衆

運営規程に書く事項は、第20条の11項目

運営規程に定める事項は、第20条の第1号から第11号まで、11項目が列挙されています。

最後の第11号は「その他特定教育・保育施設の運営に関する重要事項」で、10項目を超えて何を書くかは、園と市町村の条例に委ねられています。

第20条に列挙された運営規程の事項(確認日 2026-10-13)
号事項
第1号施設の目的及び運営の方針
第2号提供する特定教育・保育の内容
第3号職員の職種、員数及び職務の内容
第4号特定教育・保育の提供を行う日及び時間、提供を行わない日
第5号保護者から支払を受ける費用の種類、支払を求める理由及びその額(第13条の規定によるもの)
第6号小学校就学前子どもの区分ごとの利用定員
第7号利用の開始、終了に関する事項及び利用に当たっての留意事項(選考の方法を含む)
第8号緊急時等における対応方法
第9号非常災害対策
第10号虐待の防止のための措置に関する事項
第11号その他特定教育・保育施設の運営に関する重要事項

利用定員や費用を変えたら、運営規程の書き換えも要る場合がある

第6号の利用定員と第5号の費用は、定員の変更や徴収額の見直しで中身が変わる項目です。条文は、変更したときの運営規程の改め方までは書いていません。

定員や費用を変える手順の中に「運営規程の該当する号の見直し」を入れ、運営規程の変更の届出は、定員の減少・変更の届出と認可申請書類の記事で扱う書類の一覧と、所轄の市町村で確認します。

利用の開始前に、文書を交付して説明し、同意を得る

第5条は、特定教育・保育の提供の開始に際して、あらかじめ、利用の申込みを行った保護者に、重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得ることを求めています。

文書に記すのは、運営規程の概要、職員の勤務体制、第13条の規定により支払を受ける費用に関する事項、そのほか教育・保育の選択に資すると認められる重要事項です。

運営規程そのものではなく、その概要を文書にまとめて渡す形です。

第13条第6項は、実費や上乗せのお金を求めるときに、使途・額・求める理由を書面で明らかにして説明し、文書で同意を得ることを求めています。

ただし、第4項の実費(日用品、行事参加、食事、通園の便宜など)にあたる金銭の支払の同意は、文書によることを要しないとされています。

第5条の文書にも費用に関する事項を載せるため、2つの説明の内容は重なります。

掲示は見やすい場所に、あわせてインターネットでも閲覧できるようにする

第23条は、見やすい場所への掲示と、インターネットによる閲覧の両方を求めています。

掲示する内容は、運営規程の概要、職員の勤務の体制、利用者負担のほか、利用申込者の施設選択に資すると認められる重要事項です。

条文は、掲示するとともに、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならないと定めており、掲示だけで済ませる形にはなっていません。

インターネットに載せる場所(園のホームページか、市町村・国の公表サイトか)は、第23条の文言からは決まりません。公表の方法は、所轄の市町村に確認してください。

条例で「従うべき基準」なのは第5条。第20条・第23条は参酌

運営基準の第1条第2号は、市町村が条例を定めるときに従うべき基準の条として、第5条を挙げています。第20条と第23条は、その列挙に入っていません。

子ども・子育て支援法第34条第3項は、従うべき基準に当たらない事項は、内閣府令の基準を参酌して条例を定めるとしています。

このため、第5条の説明と同意は全国でそろう一方、運営規程の項目や掲示の細部は、市町村の条例で内容が異なりうる部分です。

条文ごとの、条例との関係(確認日 2026-10-13)
条文第1条の位置づけ園で確かめること
第5条(説明・同意)従うべき基準(第2号)従うべき基準のため、条例にも同じ趣旨が入る(条例の文言は市町村で確認)
第20条(運営規程)従うべき基準の列挙に入っていない(参酌)条例が定める運営規程の項目と、第11号の「その他」の中身
第23条(掲示等)従うべき基準の列挙に入っていない(参酌)条例が求める掲示の内容と、インターネット公表の方法

確認の順序

運営規程の11項目、利用開始前の説明文書、掲示とインターネット公表の順に確かめます。

  1. 運営規程が第20条の11項目をそろえているか確かめる

    第6号の利用定員、第5号の費用、第10号の虐待の防止の措置が、現在の運用と合った中身になっているかを見ます。

  2. 利用開始前に渡す説明文書が、第5条の内容をそろえているか確かめる

    運営規程の概要、職員の勤務体制、費用に関する事項を載せ、同意を残す方法を決めます。

  3. 掲示の場所が見やすいか、インターネットでも同じ内容を見られるか確かめる

    掲示物とホームページなどの内容が食い違っていないかを見比べます。

  4. 条例の運営規程の項目と掲示の定めを、市町村に確認する

    第20条・第23条は参酌のため、条例の文言と自治体の指導の資料を手元に置いて見比べます。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は運営基準の条文の説明で、個々の園の運営規程の内容が基準を満たしているかの判定は行いません。

条例の内容と運用は、所轄の市町村に確認してください。

試算ツールも、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

よくある質問

保育所は、運営規程を必ず作らなければなりませんか。

運営基準の第20条は、特定教育・保育施設に運営規程を定めておくことを求めています。市町村の確認を受けた保育所が対象です。条例での項目の細部は、市町村に確認してください。

運営規程には、何を書きますか。

第20条は、目的・運営の方針、教育・保育の内容、職員、提供する日と時間、費用、利用定員、利用の開始・終了、緊急時の対応、非常災害対策、虐待の防止の措置、その他の重要事項の11項目を挙げています。

入園の申込みをした保護者への説明は、口頭だけでよいですか。

第5条は、重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得ることを求めています。口頭だけでは条文の求めに足りません。同意の残し方は、市町村の指導で確認してください。

掲示だけして、ホームページには載せなくてもよいですか。

第23条は、掲示とともにインターネットでの閲覧に供することを求めています。掲示だけで済ませる形にはなっていません。公表の場所は、市町村に確認してください。

この試算ツールで、運営規程の基準を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

苦情の窓口と記録の保存は保育所の苦情対応で、監査での確認項目は指導監査の確認表で、定員を変えるときの手続は定員の減少・変更の届出で整理しています。

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この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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