解説

保育所の食事の提供(第11条):自園調理の原則と献立・栄養

保育所の食事の提供について、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第11条が求める5項目(施設内調理、献立と栄養量、食品の種類と調理方法、あらかじめ作成した献立、食を営む力の育成)を、条文に沿って整理します。従うべき基準にあたる点と、条文が決めていないことも確認できます。

第11条は5項。第1項から第4項は義務、第5項は努力義務

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第11条は、入所している者に食事を提供するときの調理の場所、献立、栄養、調理の手順を定め、第5項で食を営む力の育成を努力義務としています。

保育所は児童福祉施設の1つなので、この条の対象になると読めます。

第11条の各項の内容(確認日 2026-10-13)
項条文の求め方書きぶり
第1項食事を提供するときは、当該児童福祉施設内で調理する方法(第8条により調理室を兼ねている他の社会福祉施設の調理室で調理する方法を含む)により行うしなければならない
第2項献立は、できる限り、変化に富み、入所している者の健全な発育に必要な栄養量を含有するものとするものでなければならない
第3項食事は、食品の種類及び調理方法について、栄養並びに入所している者の身体的状況及び嗜好を考慮したものとするものでなければならない
第4項調理は、あらかじめ作成された献立に従って行う(少数の児童を対象に家庭的な環境の下で調理するときは除く)行わなければならない
第5項児童の健康な生活の基本としての食を営む力の育成に努める努めなければならない

第1項は、食事を施設内で調理する方法を原則とする

第1項は、食事を提供するときの調理は、当該施設内で行う方法によると定めています。

第8条の規定により調理室を兼ねている、他の社会福祉施設の調理室で調理する方法も、施設内の調理に含まれます。

園外から運び込む方法の扱いは、この項からは分かりません。

保育所には、第11条第1項と別に、満3歳以上の幼児への食事を外部から搬入する特例が、第32条の2に置かれています。

搬入の特例の要件と、公定価格の調理員の扱いは、別の記事で整理しています。

園外から搬入する場合の設備基準と公定価格の扱いは『給食を園外から搬入する保育所の設備基準と、公定価格の調理員の扱い』で整理しています。

第2項と第3項は、献立の栄養量と、個々の子どもの状況への配慮を求める

第2項は献立について、「できる限り」変化に富み、発育に必要な栄養量を含有するものであることを求めています。

第3項は、食品の種類と調理方法について、栄養と、入所している者の身体的状況と嗜好を考慮することを求めています。

具体的な栄養量の数値や、アレルギーへの対応の手順は、第11条には書かれていません。

栄養量の数値が条文にないことを、基準がないという意味に読まない

第2項は「必要な栄養量」と書くだけで、数値は条文にありません。数値の基準を、別の通知や自治体の指導が示している場合があります。

献立の作成に使っている栄養量の基準が、どの通知や案内に基づくかを、所管の自治体に確認して記録に残します。

第4項は、あらかじめ作成された献立に従って調理することを求める

調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければなりません。

条文は、献立をいつまでに作成するか、記録を残すか、変更をどう扱うかを定めていません。

少数の児童を対象として家庭的な環境の下で調理するときは、この項は適用されません。

第5項は、食を営む力の育成を努力義務とする

第5項は、児童の健康な生活の基本としての食を営む力の育成に努めることを、施設に求めています。

書きぶりは「努めなければならない」で、第1項から第4項の「しなければならない」「ものでなければならない」とは異なります。

何をすれば育成に努めたことになるかは、条文には書かれていません。

第11条は従うべき基準にあたる。条例の文言と所管の案内を確認する

設備運営基準の第1条第3号は、都道府県が条例を定めるときに従うべき基準の中に、第11条を挙げています。

同じ号には、第9条や第9条の2、第14条の2なども挙がっています。

都道府県が条例を定めるときに従うべき基準として、国の省令に挙げられている条です。

従うべき基準でも、実際に施設に適用されるのは所在地の条例です。

条例の文言と、食事の提供について自治体が示している案内を、国の省令と並べて確かめます。

自園の食事の提供を点検する順序

点検は、調理の場所、献立、栄養と個別の配慮、食育、条例の順に進めると抜けが減ります。

  1. 年齢ごとに、食事の調理の場所を書き出す

    満3歳未満の子どもと満3歳以上の幼児のそれぞれについて、自園の調理室で調理しているか、ほかの方法かを書きます。

  2. 献立の作成と調理の流れを確かめる

    献立が調理の前に作成されているか、変更が出たときの扱いが決まっているかを確認します。

  3. 栄養量と個別の配慮の基準を確かめる

    献立の栄養量に使う基準と、身体的状況や嗜好への配慮の方法(食物アレルギーの対応を含む)を、所管の案内で確かめます。

  4. 食を営む力の育成に関わる取り組みを書き出す

    努力義務のため、取り組みの有無は点検の事項として整理するにとどめ、どの取り組みが十分かは所管に確認します。

  5. 条例の文言と所管の案内で照らす

    国の省令と条例の文言を並べ、追加で示されている内容がないかを確かめます。

よくある質問

保育所の食事は、園内の調理室で調理しなければなりませんか。

第11条第1項は、施設内で調理する方法によると定めています。ただし、満3歳以上の幼児への食事を外部から搬入する特例が第32条の2にあります。実際の扱いは、所在地の条例と所管の案内で確認してください。

献立の栄養量の数値は、第11条に書かれていますか。

書かれていません。第2項は「入所している者の健全な発育に必要な栄養量」と書くだけです。数値の基準は、別の通知や自治体の案内で確認してください。

食育は、義務ですか。

第11条第5項は、食を営む力の育成に努めることを求める努力義務です。取り組みの内容や程度は条文に書かれていないため、所管の自治体に確認してください。

この記事で、自園の食事の提供が基準に適合しているか分かりますか。

分かりません。この記事は条文の構造の説明で、適合の判定や指導監査の結果の見込みを示すものではありません。所管の自治体に確認してください。

確認したうえで、公定価格を試算する

確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。食事の提供方法の適合は、試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

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