解説

給食を園外から搬入する保育所の設備基準と、公定価格の調理員の扱い

保育所の食事は施設内調理が原則で、満3歳以上の幼児には園外調理・搬入の特例があります。設備運営基準の第11条・第32条の2の要件と、留意事項通知が調理員を置かないことができるとする注記の関係を、原文で整理します。

食事は施設内で調理するのが原則で、搬入は特例

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第11条は、入所している子どもに食事を提供するときは、その施設内で調理する方法で行うと定めています。

園外から搬入する方法は、第32条の2が定める特例です。

この記事は、その特例の要件と、公定価格の基本分単価に含まれる調理員の扱いを分けて整理します。

第32条の2の特例は、満3歳以上の幼児への食事が対象

第32条の2は、次の要件を満たす保育所は、満3歳以上の幼児への食事を、園外で調理して搬入する方法で提供できるとしています。

条文が対象にしているのは満3歳以上の幼児で、3歳未満の子どもは条文に出てきません。

この場合でも、園には、加熱や保存など園で行う必要のある調理のための機能を持つ設備を備えるとされています。

第32条の2が挙げる要件(確認日 2026-10-10)
要件条文の趣旨
食事の提供の責任責任が保育所にあり、管理者が衛生面・栄養面の注意を果たせる体制と、受託者との契約内容が確保されている
栄養士等の配慮栄養士・管理栄養士による必要な配慮が行われること。例として、園や他の施設、保健所、市町村等の栄養士等から献立などの指導を受けられる体制が挙げられている
調理業務の受託者給食の趣旨を認識し、衛生面・栄養面など調理業務を適切に行える能力を持つ者とする
食事の内容年齢・発達の段階・健康状態に応じた食事や、アレルギー等への配慮、必要な栄養素量の給与ができる
食育食育に関する計画に基づいて食事を提供するよう努める

3歳未満の食事まで搬入にできると読まない

第32条の2は満3歳以上の幼児への食事の特例です。3歳未満の子どもの食事を園外から搬入できるか、その場合に園に何が必要かは、この条文からは読み取れません。

園の所在地の条例と、認可の担当課の案内で、年齢ごとの食事の提供方法を確認します。

公定価格の調理員は、委託・搬入で「置かないことができる」と通知が注記している

留意事項通知(保育所)は、基本分単価に含まれる職員のうち調理員等について、定員区分ごとの人数を示しています。

そのうえで注記として、調理業務の全部を委託する場合、または搬入施設から食事を搬入する場合は、調理員を置かないことができると書いています。

定員区分ごとの人数は、試算ツールが通知・告示をもとに扱うため、この記事には書きません。

注意したいのは、この注記が置かないことを「できる」としている点です。

公定価格の職員構成の説明と、設備運営基準の特例要件は、別の資料で別の問いに答えています。

通知の注記を、第32条の2の要件を満たしたことの証明として使うことはできません。

設備基準と公定価格の確認を、別々に行う順序

設備基準の要件と、公定価格の調理員の算定は、別々の資料で確かめます。

次の4段階で確認します。

  1. 食事の提供方法を、年齢ごとに書き出す

    満3歳以上と3歳未満で、園内調理・委託・搬入のどれにしているかを分けて控えます。

  2. 搬入にする場合は、第32条の2の5要件を、園の体制に当てはめて確かめる

    契約内容、栄養士等の指導を受ける体制、受託者の能力、食事の内容への対応、食育計画を確認します。実際の基準は所在地の条例にあるため、条例と認可の担当課の案内で確かめます。

  3. 公定価格上の調理員の算定は、市町村の取扱いで確認する

    通知の注記は、調理員を置かないことができるという内容です。自園の委託・搬入の形が該当するかは、市町村に確認します。

  4. 試算ツールで、定員区分に応じた基本分単価を確認する

    定員区分と年齢別の園児数から基本分単価を出します。調理員を置くかどうかを選ぶ入力は、試算ツールにはありません。

よくある質問

給食を外部の業者に委託すれば、調理員を置かなくてよいですか。

通知の注記は、調理業務の全部を委託する場合に調理員を置かないことができるとしています。

一部の委託がどう扱われるかは、注記から読み取れません。自園の形が当たるかは市町村に確認します。

搬入にすると、公定価格は変わりますか。

通知は、調理員を置かないことができると注記しているだけで、基本分単価の額が変わるとは書いていません。単価は地域区分・定員区分・認定区分・年齢区分・保育必要量区分に応じて定められます。

栄養士がいなくても、搬入にできますか。

第32条の2の要件の一つは、栄養士・管理栄養士による必要な配慮が行われることです。条文は、園や他の施設、保健所、市町村等の栄養士等から献立などの指導を受けられる体制にあることなどを例に挙げています。どの形で足りるかは、所在地の条例と自治体の案内で確認します。

この記事で、自園が搬入にできるかを判定できますか。

できません。この記事は、省令と通知の定めを整理したものです。認可や公定価格の扱いは自治体が判断するため、所在地の自治体に確認します。

栄養士等の活用に関する加算は、記事「栄養管理加算は、認定済みの活用形態を月次試算へ」で整理しています。基本分単価の職員構成の全体は、記事「基本分単価に含まれる職員と費用の区分」にあります。

公定価格を試算する

試算ツールは、利用定員と年齢別の園児数から基本分単価を出します。調理員を置くかどうかは入力せず、自園の形が通知の注記に当たるかは市町村で確認します。

利用定員を入力して基本分単価を試算する

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