申請書に書く事項は、省令が定めている
国・都道府県・市町村以外の者が保育所を設置するには、都道府県知事の認可が必要です(児童福祉法第35条第4項)。申請先は、指定都市・中核市・児童相談所設置市の区域では、政令で定める事務についてその市の長に読み替わります(同法第59条の4第1項)。
申請書に書く事項と添付する書類は、児童福祉法施行規則第37条が定めています。省令が求める記載事項は6項目、添付書類は3種類です。
この記事は、申請書の書式の骨格だけを扱います。認可の審査で見られる基準は『保育所の「認可」と「確認」の違い』、経済的基礎の中身は『株式会社が認可保育所を設置するときの「経済的基礎」』で説明しています。
申請書の記載事項(省令第37条第1項)
| 号 | 記載事項 | 意味合い |
|---|---|---|
| 第1号 | 名称、種類及び位置 | 保育所の名前、施設の種類(保育所)、所在地 |
| 第2号 | 建物その他設備の規模及び構造並びにその図面 | 園舎・設備の規模と構造、図面 |
| 第3号 | 運営の方法(保育所は、事業の運営についての重要事項に関する規程) | 保育所では運営規程を付ける |
| 第3号の2 | 経営の責任者及び福祉の実務に当たる幹部職員の氏名及び経歴 | 経営者と幹部職員の人物と経験 |
| 第4号 | 収支予算書 | 事業の収入と支出の見込み |
| 第5号 | 事業開始の予定年月日 | 保育所を開く予定日 |
第3号の2は、認可の審査基準の「経営者が社会的信望を有すること」「実務を担当する幹部職員が社会福祉事業の知識・経験を有すること」(児童福祉法第35条第5項第2号・第3号)を確かめる材料になります。
収支予算書の収入見込みを作る材料の1つが、公定価格の試算です(省令は様式を定めていないため、実務上の使い方の例です)。
所在地・定員・年齢別の人数から基本分単価を試算し、収入見込みの出発点にできます。試算は目安であり、認可の可否を判断するものではありません。
収支予算書の収入見込みを公定価格で試算する添付する書類は3種類
| 号 | 書類 | 提出する人 |
|---|---|---|
| 第1号 | 設置する者の履歴及び資産状況を明らかにする書類 | すべての申請者 |
| 第2号 | 法人格を有することを証する書類 | 保育所を設置しようとする者が法人であるとき |
| 第3号 | 定款、寄附行為その他の規約 | 法人または団体であるとき |
第37条は書類の種類を示すだけで、様式や枚数は定めていません。実際に何を何部出すかは、申請先の自治体の手引きで決まります。事前相談の時期や、資金を示す書類の種類も自治体ごとに異なります。
認可を受けたあとの変更届は、事前か事後かが項目で分かれる
| 変更する内容 | 届出の時期 |
|---|---|
| 名称・種類・位置(第1項第1号)、定款・寄附行為その他の規約(第3項第3号) | 変更のあった日から起算して1か月以内 |
| 建物その他設備の規模・構造・図面(第1項第2号)、運営の方法(第1項第3号)、経営の責任者・福祉の実務に当たる幹部職員 | 変更しようとするとき、あらかじめ |
建物・設備や運営規程、経営責任者・幹部職員の変更は、変更する前の届出が必要です。名称・位置や定款の変更は、変更したあとで足ります。
給付の「確認」を受けた施設が利用定員を減らすときの届出は、『定員の減少は3か月前まで、設置者の変更は10日以内に届出』で扱います。
全国共通の部分と、自治体へ確認する部分
| 項目 | 全国共通(省令) | 自治体ごとに確認 |
|---|---|---|
| 申請書の記載事項 | 6項目(名称・種類・位置、建物と設備、運営の方法、経営責任者と幹部職員、収支予算書、開始予定日) | 様式、記載の細かさ、図面の縮尺 |
| 添付書類 | 履歴・資産状況、法人格の証明、定款等の3種 | 追加で求める書類、提出部数 |
| 変更届 | 事前か、変更から1か月以内か | 届出の様式、添付書類 |
申請を考える時点で、所在地の自治体の保育主管課へ事前に相談してください。省令の6項目と3種は共通の土台で、書式と追加書類は自治体の手引きが決めます。
よくある質問
- 社会福祉法人や学校法人も、同じ申請書を出しますか。
申請書の記載事項と添付書類は、省令上、設置する者の種類で分けられていません。ただし法人格の証明と定款等は、法人であるときに出す書類で、審査基準は、社会福祉法人・学校法人は欠格事由だけです(児童福祉法第35条第5項。内容は認可の欠格事由の一覧)。
- 運営の方法には、何を付ければよいですか。
保育所は、事業の運営についての重要事項に関する規程を付けます(省令第37条第1項第3号)。規程に載せる項目の細目や様式は、この記事では扱わないため、申請先の手引きで確かめてください。
- この記事で、認可を受けられるか判断できますか。
できません。この記事は省令の申請書の項目を整理したもので、認可の可否は申請先の自治体が審査します。需給状況によっては、要件を満たしても認可されない場合があります(児童福祉法第35条第8項)。