解説

認定こども園への移行では保育所版の試算を引き継がない

認定こども園への移行を検討するときは、保育所の公定価格試算を移行後の給付額として扱いません。施設類型と認定区分に対応する別表を確認する順序を説明します。

認定・認可の流れ(市町村への協議と事業計画の整合性審査)

幼稚園・保育所から認定こども園(幼稚園型・保育所型・地方裁量型)へ移行するには、都道府県知事(指定都市・中核市の区域内では当該市の長)による「認定」を受ける必要があります。幼保連携型認定こども園として設置する場合は、同様に都道府県知事等の「認可」を受けます。

これらの認定・認可の手続きには、市町村長への法定の協議と、都道府県・市町村の子ども・子育て支援事業計画との整合性審査が組み込まれています。

認定・認可の前に組み込まれている手続き
手続き内容
市町村長への協議都道府県知事等は、認定・認可をしようとするときに、あらかじめ施設が所在する市町村長へ協議しなければならないと定められています。
事業計画との整合性審査対象区域の特定教育・保育施設の利用定員総数が、都道府県・市町村の子ども・子育て支援事業計画が定める必要利用定員総数に既に達している場合等は、認定・認可をしないことができるとされています。

この記事・試算では、認定・認可の可否や、個別区域の需給状況の判定は行いません。移行が実現できるかどうかは、所轄の都道府県・市町村への相談で確認してください。

幼保連携型への移行と保育教諭の資格要件の経過措置

幼保連携型認定こども園で勤務する保育教諭等は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を有することが原則です。

一方で、幼保連携型認定こども園への円滑な移行を進めるため、いずれか一方の免許・資格を有していれば保育教諭となることができる経過措置が設けられています。この経過措置は、制度施行(平成27年4月1日)から当初10年間(令和6年度末まで)とされていましたが、その後の法改正で施行後15年間(令和11年度末まで)に延長されています。

保育教諭の資格要件(原則と経過措置)
区分内容
原則幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方が必要
経過措置(現行)いずれか一方の免許・資格でも保育教諭になれる(施行後15年間=令和11年度末まで)

この記事・試算では、職員個々の資格の適合判定は行いません。なお、看護師等を保育士とみなす配置基準上の特例は、この資格の経過措置とは別の仕組みです(看護師等のみなし保育士の特例)。移行にあたって必要な資格の確認は、所轄の都道府県・市町村へ確認してください。

移行後の条件と保育所版の試算結果の使い分け

現行の公定価格の別表第2は、保育所と認定こども園で資料が分かれています。認定こども園についても、教育標準時間認定と保育認定の別表がそれぞれ掲載されています。

移行後の条件を検討するときは、現行の保育所版の試算を移行後の給付額として引き継ぎません。

類型が変わる前後の結果を一つの総額にしない

保育所版の表から認定こども園の条件を推測して読み替えると、参照する別表を取り違えるおそれがあります。現行の試算結果に移行後と思われる条件を足し引きして、結論を出しません。

現行の保育所として確認する条件と、移行後に確認する施設類型・認定区分を別の検討表に分ける。

まず、移行後に確認する別表を分ける

公定価格の確認先を分ける考え方
検討する条件確認する資料
現行の私立保育所保育所の別表と、このサイトの保育所版試算
認定こども園の教育標準時間認定認定こども園(教育標準時間認定)の別表
認定こども園の保育認定認定こども園(保育認定)の別表

別表を選ぶ前に、どの利用をどの認定区分として確認するかを整理します。現行の保育所の在籍数や利用定員を、そのまま移行後の各区分へ割り振ることはしません。

先に施設類型と認定区分を確認し、その条件に対応する別表へ進みます。

施設類型ごとに、このサイトの試算ツールと解説記事の対象範囲を確認できます。

施設類型ごとの試算ツール対応を確認する

現行ツールで整理できる移行前の保育所条件

  1. 現行条件を分けて記録する

    所在地、利用定員、年齢別の在籍数、選択した加算・減算を、現行の保育所条件として整理します。

  2. 移行後の前提を混ぜない

    認定こども園への移行後に想定する利用や認定区分は、保育所版の入力へ推測で混在させません。

  3. 別表と所管の案内を確認する

    移行後の条件は、該当する認定こども園の別表と所管の現行案内で確認します。試算結果だけで手続や適用可否を決めません。

このサイトの現行ツールは私立保育所の基本分を対象にしたモデルです。認定こども園の給付額、移行の可否、指定・確認の手続は計算・判定しません。

移行前の保育所条件を確認する

  1. 現行の保育所条件を入力する

    所在地、利用定員、年齢別在籍数と、実装済みの加算・減算を入力します。

  2. 結果の対象範囲を確認する

    結果が現行の保育所条件に限られることと、未考慮事項を確認します。

  3. 移行後の検討を別に進める

    認定こども園としての条件は、保育所版の結果を転記せず、該当する別表と所管の案内で確認します。

現行の私立保育所として、所在地・利用定員・年齢別在籍数による基本分の内訳を確認できます。結果には認定こども園を対象にしていないことを含む対象範囲を表示します。

現行の保育所条件を試算する

この記事は、移行の可否や個別の給付額を判断するものではありません。移行後の施設類型・認定区分、指定・確認の手続は所管へ確認してください。

移行を検討するときの確認チェックリスト

  1. 認定・認可の協議先を確認したか

    移行には都道府県知事等の認定・認可が必要で、その前段に市町村長への法定の協議が組み込まれています。協議の窓口を所管の都道府県・市町村へ確認します。

  2. 地域の事業計画の必要利用定員総数を確認したか

    対象区域の利用定員総数が子ども・子育て支援事業計画の必要利用定員総数に既に達している場合等は、認定・認可がされないことがあります。

  3. 保育教諭の資格要件の経過措置の期限を確認したか

    幼保連携型への移行では、いずれか一方の免許・資格でも保育教諭になれる経過措置が令和11年度末までとされています。

  4. 移行後に確認する別表を、現行の保育所版と分けて用意したか

    移行後の教育標準時間認定・保育認定は、それぞれ対応する別表で確認し、現行の保育所版試算の結果を転記しません。

よくある質問

現行の保育所版の試算結果を、移行後の認定こども園の給付額として使えますか。

使えません。現行の保育所版の試算は移行前の私立保育所の基本分を対象にしたモデルで、移行後の給付額には引き継ぎません。移行後は該当する別表で確認します。

認定こども園への移行は、申請すれば必ず認められますか。

そうとは限りません。都道府県知事等の認定・認可には市町村長への協議と事業計画との整合性審査が組み込まれており、対象区域の利用定員総数の状況によっては認定・認可がされないことがあります。

移行後に必要な保育教諭の資格は、今すぐ両方揃えないといけませんか。

幼保連携型への移行では、いずれか一方の免許・資格でも保育教諭になれる経過措置が設けられています。適用期限や個々の資格の適合は、所轄の都道府県・市町村へ確認してください。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「分園・合併・認定こども園への移行を検討するとき」の解説一覧へ