解説

認可外保育施設から認可保育所へ移行する流れと公定価格の試算

認可外保育施設が認可保育所へ移行するときの、届出から認可・確認までの手続と、公定価格の試算を使える範囲を、国の法令で確認できる点に絞って説明します。

認可外は届出、認可保育所は認可で成り立つ

児童福祉法第59条の2は、保育を目的とする施設で第35条第4項の認可などを受けていないものについて、設置者が事業の開始から1か月以内に都道府県知事へ届け出ると定めています。これが認可外保育施設の位置づけです。一方、国・都道府県・市町村以外の者が保育所を設置するには、同法第35条第4項により都道府県知事の認可が必要です。

認可外のまま届出を続けていても、認可保育所にはなりません。移行は、認可を新たに申請する手続です。

認可外保育施設と認可保育所の手続の違い
区分設置者が行う手続根拠
認可外保育施設事業開始から1か月以内に都道府県知事へ届出児童福祉法第59条の2
認可保育所都道府県知事の設置認可(条例の基準と設置者の審査)児童福祉法第35条第4項・第5項
認可保育所の給付の前提市町村長による特定教育・保育施設の確認(法人の申請)子ども・子育て支援法第31条

移行は認可と確認の二段階で進む

都道府県知事は、認可の申請を受けると、都道府県の条例で定める保育所の基準に合うかどうかと、設置者の経済的基礎、社会的信望、幹部職員の経験、欠格事由を審査します(社会福祉法人・学校法人は欠格事由のみ)。知事は認可の前に、都道府県児童福祉審議会の意見を聴き、保育所が所在する市町村長に協議します。

また、申請に係る区域の利用定員の総数が都道府県の計画の必要利用定員総数にすでに達しているか、設置によって超える場合などには、認可をしないことができるとされています。

認可外として運営の実績があっても、地域の定員の状況によって認可されない場合があります。

  1. 設置者の法人格と物件の条件を確かめる

    確認の申請ができるのは法人です(子ども・子育て支援法第31条)。個人で運営している場合は、法人化の要否を先に確かめます。

  2. 認可の審査項目を自己点検する

    条例の基準と、経済的基礎などの審査項目を、現在の施設と設置者に照らして点検します。

  3. 認可と確認の申請の時期を窓口で確かめる

    申請の受付時期、市町村の協議、利用定員の枠は自治体ごとに異なります。都道府県と市町村の窓口へ確かめます。

  4. 認可後の条件で公定価格を試算する

    認可保育所になった場合の利用定員と年齢別人数を置いて、収入の見込みを試算します。

二つの手続の根拠と、試算とのつながりを分けて確認できます。

認可と確認の違い

申請書の記載事項と添付書類を確認できます。

設置認可の申請書に書く事項と添付書類

公定価格の試算は移行後の条件比較に使う

認可外保育施設で受けている保育料収入と、認可保育所になったあとの公定価格に基づく委託費は、仕組みが異なります。移行を検討する段階では、予定する所在地、利用定員、年齢別の利用人数を置いて公定価格を試算し、移行後の収入の目安を比べられます。

試算結果は移行計画のための参考値で、認可・確認や委託費の決定を示すものではありません。

所在地、利用定員、年齢別人数を入力して、現行年度の公定価格を条件比較できます。

認可保育所としての予定条件を試算する

現在の利用者数や保育料をそのまま置かない

認可保育所では、利用児童は市町村の認定を受けた子どもです。認可外で在籍している児童の人数や保育料を、認可後の認定子ども数や収入の前提にそのまま置くことはできません。

認可後に利用する見込みの児童数を、市町村の利用調整の考え方とあわせて窓口で確かめて置く。

移行の種類によって別の記事で確認する

企業主導型保育事業から移行する場合は、助成の終了や財産処分の手続が別に必要になります。公立保育所の運営を引き継ぐ場合も、募集要項で示される条件があります。認可外保育施設の種類によって確認する事項が異なるため、該当する記事もあわせて確認してください。

助成終了と財産処分を分けて確認する順序を説明しています。

企業主導型保育事業から認可保育所へ移るときの公定価格試算

認可・確認・委託費と、市町村の募集要項で確かめる事項を分けています。

公立保育所の民営化(民間移管)を受けるときの確認事項

月の途中で定員や区分が変わる場合の算定の考え方は、月の途中で定員や区分が変わるときの日割りで確認できます。

よくある質問

認可外保育施設を続けていれば、自然に認可保育所になりますか。

なりません。認可保育所の設置には、児童福祉法第35条第4項の認可が必要です。認可外の届出とは別に、認可を申請する手続になります。

認可の申請をすれば必ず認可されますか。

必ずではありません。条例の基準と設置者の審査に加え、地域の利用定員の総数が都道府県の計画の必要利用定員総数に達している場合などは、認可をしないことができるとされています。

認可前でも公定価格を試算できますか。

できます。ただし、認可保育所になった場合の条件を比べるための参考値です。認可・確認や実際の委託費を保証するものではありません。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「分園・合併・認定こども園への移行を検討するとき」の解説一覧へ