解説

看護師等の保育士みなし特例、保育所は乳児要件が撤廃・認定こども園には3分の1上限

保健師・看護師・准看護師を1人に限り保育士(保育教諭)とみなせる特例は、保育所と認定こども園でどちらにも設けられていますが、要件は同じではありません。保育所は令和5年度に乳児在籍数の要件が撤廃され、認定こども園には他のみなし枠と合わせた人数の上限があります。

看護師等を保育士とみなす特例は、保育所にも認定こども園にもある

保育士の確保が難しい状況を踏まえ、保健師・看護師・准看護師(以下「看護師等」)を1人に限り、職員配置基準において保育士(幼保連携型認定こども園では保育教諭)とみなせる経過措置が、保育所・認定こども園のそれぞれに設けられています。この特例は「当分の間」の経過措置として現在も適用されています。

令和8年度に新設された理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等の専門職みなし特例(専門職を保育士とみなせる特例)とは別の、従来からある特例です。両者は併用できますが、要件は別々に確認する必要があります。

保育所は、令和5年度に乳児在籍数の要件が撤廃された

保育所の看護師等みなし特例は、従来は乳児(0歳児)を4人以上入所させる保育所に限定されていました。令和4年11月30日の改正省令(令和4年厚生労働省令第159号、令和5年4月1日施行)により、乳児の在籍人数にかかわらず、全ての保育所で看護師等を1人に限り保育士とみなせるようになりました。

乳児在籍数別に必要な要件(保育所)
乳児の在籍数みなし特例を使うための要件
4人以上看護師等を1人に限り保育士とみなせる(追加要件なし)
4人未満(1〜3人)子育てに関する知識・経験を有する看護師等を配置し、保育士による支援を受けられる体制を確保する。具体的には、保育士と合同の組・グループを編成して保育を行い、勤務経験が概ね3年未満の看護師等は子育て支援員研修等の修了が必要

「要件が撤廃された」を「無条件になった」と読まない

令和5年度の改正は、乳児4人未満の保育所を特例の対象外とする扱いを撤廃したものです。乳児が4人未満(1〜3人)の場合は、撤廃の代わりに知識・経験の確認や合同保育、研修修了という別の要件が課されます。

自園の乳児在籍数を確認し、4人未満に当てはまる場合は、看護師等の経験年数と研修受講状況をあわせて確認する。

認定こども園は、みなし枠の合計に3分の1の上限がある

幼保連携型認定こども園にも、看護師等を1人に限り保育教諭とみなせる同様の特例があります。満1歳未満の園児が4人未満の認定こども園では、保育所と同じく子育てに関する知識・経験を有する看護師等の配置と、保育教諭による支援体制の確保が必要です。

一方で、認定こども園には保育所に無い規定があります。特定理学療法士等・小学校教諭等免許状所持者・都道府県知事が認める者・看護師等の合計人数は、配置基準上置かなければならない職員数の3分の1を超えてはならないという上限が明記されています。保育所側の規定には、この比率による上限は見当たりません。

保育所での専門職・看護師等の併用は「合計2人まで」という人数の考え方(専門職を保育士とみなせる特例を参照)で、認定こども園の「配置基準の3分の1まで」という比率の考え方とは仕組みが異なります。認定こども園への移行を検討する際は、どちらの考え方が適用されるかを混同しないようにします。

資格の特例とは別の制度

認定こども園には、保育教諭になるために幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方が必要という原則に対して、いずれか一方でも保育教諭になれるという別の経過措置(資格の特例、令和11年度末まで)もあります。この記事で扱う看護師等のみなし特例は、職員配置基準における人数の数え方の特例であり、保育教諭になるための資格要件を緩和する資格の特例([[nintei-kodomoen-iko-shisan:認定こども園への移行試算]]で触れる経過措置)とは別の制度です。

「みなし」という言葉が2種類の別制度を指す

「看護師等を保育士とみなす」(配置基準上の人数の特例)と「幼稚園教諭免許状のみ・保育士資格のみで保育教諭になれる」(資格の特例)は、根拠となる条文も要件も異なります。

自園が確認したいのが「配置基準上、看護師等を保育士の頭数に数えられるか」なのか「特定の資格だけで保育教諭になれるか」なのかを、まず切り分けて確認する。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は看護師等みなし特例の要件の枠組みを説明するもので、個別の職員がみなし特例の対象になるかどうかの判定は行いません。基本分単価の前提になっている年齢区分ごとの配置基準そのものは年齢別配置基準の比率と計算式で説明しており、みなし特例を反映した場合の公定価格への影響も、この記事では扱いません。

よくある質問

乳児が4人未満の保育所では、看護師等のみなし特例は使えませんか。

使えます。ただし子育てに関する知識・経験を有する看護師等を配置し、保育士による支援体制を確保する必要があります。具体的には、保育士と合同で保育を行うことと、勤務経験が概ね3年未満の場合は子育て支援員研修等の修了が要件になります。

認定こども園で、看護師等と専門職のみなし特例を両方使うと何人まで数えられますか。

人数の上限ではなく、特定理学療法士等・小学校教諭等免許状所持者・都道府県知事が認める者・看護師等の合計が、配置基準上必要な職員数の3分の1を超えないことが基準です。保育所の「合計2人まで」という考え方とは異なります。

この試算ツールで、看護師等をみなし特例で反映した配置基準を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、職員配置基準そのものの判定は試算の対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事も試算も、資料の本文を確認した範囲だけを扱います。みなし特例の適用可否の判断は、所轄の自治体へお問い合わせください。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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    基本分単価は、年齢区分ごとに定められた比率で必要な保育士数を満たすことを前提に算定されています。年齢別配置基準の比率と計算式、配置改善加算との関係を説明します。

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