まず「実働時間」で数える。契約時間や雇用時間ではない
公定価格FAQ(第32版)のNo.292は、専門職の月の時間数は契約や雇用の時間ではなく、実働時間でよいかを問うています。答えは「お見込みのとおり」です。
専門職の時間は、実際に施設で働いた時間で数えます。
勤務表や契約書に書かれた時間ではなく、月ごとの実績を記録しておくことが前提になります。
療育支援加算の取組の内容と、基本額区分A〜Dの判定は、療育支援加算の認定と区分の確認で説明しています。この記事は、専門職を活用する場合の時間の数え方だけを扱います。
原則は毎月、特段の事情があれば年間の合計で判定する
No.293の答えは、専門職の活用を、施設に対するスポットの支援を評価するものではなく、基本的には毎月一定の時間を施設等で勤務する運用を想定したものとしています。
特段の事情が無い場合は、各月とも60時間以上等の時間の配置等が必要です。
特段の事情がある場合は、年度の配置等をした時間の合計が、加算を算定する月数に60時間等を乗じた時間を超えていれば差し支えない、とされています。
| 例 | 算定する期間 | 配置等の時間 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 12月から3月(4か月) | 4か月で延べ240時間(12月60時間、1月65時間、2月50時間、3月65時間) | 各月とも60時間以上の区分で算定できる |
| 例2 | 4月から3月(12か月) | 8月は夏休みのため嘱託を行わず、他の月に増やして1年で延べ720時間 | 各月とも60時間以上の区分で算定できる |
「特段の事情」は、計画的なもののほか、不慮の理由により専門職が必要な時間業務に従事できなかった月の分を、他の月の配置等を増やして補うものでも構わない、とされています。
例1は算定する月数が4か月なので、4か月×60時間=240時間が基準になります。
年間合計で判定できるのは「特段の事情」がある場合
FAQが年間合計での判定を認めているのは、計画的な事情や不慮の理由がある場合です。事情が無いのに、ある月だけ時間が足りないことを、後の月で埋めればよいとは書かれていません。
月ごとに実働時間を記録し、60時間(または90時間)に届かない月が出そうなときは、その事情と補う月の計画を、市町村に説明できる形で残しておく。
90時間以上と60時間以上の区分は、月ごとに使い分けられる
No.294は、特別児童扶養手当受給児童の受入施設や定員90人以上の施設が、90時間以上の単価と60時間以上の単価を月によって変えて算定できるかを問うています。
答えは「可能です」で、次の2つの場合が挙げられています。
計画的な使い分け
計画的に90時間以上の配置と60時間以上の配置を使い分ける場合です。
不慮の理由があった月
90時間以上の配置等を予定していた月に、不慮の理由で90時間未満となり、他の月の配置等を増やすこともできないときは、その月だけ60時間以上の区分の単価を算定できます。
No.291は、年度途中に特別児童扶養手当の支給対象の障害児が入所した場合を扱っています。
その児童が入所した月の翌月(月の初日に適合した場合はその月)から、90時間以上の区分の算定が可能です。
この答えが示しているのは入所した月の翌月(月の初日に適合した場合はその月)からの算定で、入所前の月に90時間以上の区分を使えるとは書かれていません。
複数名・嘱託の組み合わせは延べ時間で数えられる
No.295は、専門職を複数名活用して配置等の時間を延べ時間で計算することと、職員の配置と嘱託を組み合わせることが可能かを問うています。答えは「いずれもお見込みのとおり」です。
複数名の時間は合計して数えられ、配置と嘱託の組み合わせも認められます。
1人あたりの時間が短くなっても、スポットの支援にしない
FAQは、複数人を活用すると1人あたりの配置等の時間が少なくなることが考えられるとしたうえで、スポットの支援になることなく、専門職を含め施設・事業所の職員がチームとなって取り組む必要があると述べています。専門職同士の情報共有や連携も図るよう求めています。
複数名で時間を合計する場合は、各人の実働時間に加え、取組の中で誰がどの役割を担うかも記録しておく。
同じ時間を、加算と年齢別配置基準の両方に数えない
No.296は、同一の者を療育支援加算の専門職と、年齢別配置基準に含められる特定理学療法士等の両方として配置できるか、同じ時間を両方に計上できるかを問うています。
答えは、配置すること自体は可能だが、同一の時間帯を加算の算定と年齢別配置基準の常勤換算の両方に計上することはできませんです。
FAQは、この加算が専門職が直接的に教育・保育を行うことを評価するものではないとしています。そのため、施設には、どの日・時間帯にどちらの者として従事するのかを明確に区分するよう求めています。
市町村は、加算を算定する時間帯に実際は教育・保育に従事している実態が確認された場合、その時間を専門職の配置等の時間から除くこととされています。
配置基準に数えた時間まで、専門職の時間に入れていないか
専門職が子どもの保育に入った時間は、専門職の時間から除かれることがあります。月の時間数の合計だけを見ていると、この除外で60時間・90時間を下回る可能性があります。
専門職として従事する日・時間帯と、配置基準の職員として従事する日・時間帯を、勤務の記録の上で分けておく。
確認の順序と、この記事が判断しない範囲
実働時間の記録、区分の決定、足りない月の事情、配置基準との分離の順に確認します。
月ごとの実働時間を記録する
契約時間ではなく、実際に従事した時間を、専門職ごと・日ごとに残します。
60時間か90時間の区分を決める
受入児童や定員から、どちらの区分を使う計画かを確認します。区分の判定は、別の記事で説明しています。
足りない月が出たときの事情を整理する
計画的な事情か不慮の理由かを分け、補う月の計画を市町村に説明できるようにします。
配置基準に数える時間と分ける
同じ時間帯を二重に使っていないかを、勤務の記録で確認します。
この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.291〜296にある内容の整理です。FAQには、特段の事情にあたるかを誰がどう認めるかは書かれていません。
除かれる時間の判断は市町村が行うとされています。自園の扱いは、所在地の市町村に確認してください。
よくある質問
実働時間、年間合計、重複計上が、よく聞かれる3点です。
- 専門職の勤務時間は、雇用契約の時間で数えてよいですか。
No.292では、専門職の月の時間数は契約や雇用の時間ではなく、実働時間とされています。
- ある月に60時間に届かなかったら、その月は算定できませんか。
No.293では、特段の事情がある場合、年度の配置等をした時間の合計が、算定する月数に60時間等を乗じた時間を超えていれば差し支えないとされています。特段の事情が無い場合は、各月とも60時間以上等の配置等が必要です。
- 専門職の時間を、年齢別配置基準の常勤換算にも数えてよいですか。
No.296では、同一の時間帯を加算の算定と年齢別配置基準の常勤換算の両方に計上することはできないとされています。
自園の条件で試算する
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)
該当なし/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03