「乳児3人以上」の特例とは:前年度に要件を満たしていた月の扱い
主任保育士専任加算は、主任保育士を保育計画の立案などの主任業務に専任させるために、代替保育士を配置し、通知が挙げる事業等を複数実施する施設に加算されるものです。
そのうちの1つ「乳児が3人以上利用している施設」には、前年度に要件を満たしていた月について、満たしたものと扱う特例があります。
留意事項通知では、月の初日に乳児が3人以上利用している月から、年度を通じて要件を満たすものとします。そのうえで、次の3つをすべて満たす場合の特例があります。
| 番号 | 条件 | 確認のしかた |
|---|---|---|
| ① | 乳児の利用定員が3人以上あること | 市町村が定める利用定員のうち、乳児の定員が3人以上かを確認する |
| ② | 乳児保育を実施する職員体制を維持していること | 通知は「維持し」とだけ書いています。確認の例として、職員体制図で配置を示す |
| ③ | 地域の親子が交流する場の提供や、子育てに関する相談会を月2回以上開催していること | 記録の求め方は通知にありません。例として、開催日・場所・内容を月ごとに残す |
特例で満たしたと扱われるのは、7つの事業等のうち「乳児が3人以上利用している施設」の1つだけです。ほかの事業等(延長保育・一時預かり・病児保育・障害児の利用など)を複数実施するという加算の要件は、別に求められます。
「前年度に要件を満たしていた月」という文言を読む
通知の文言は、特例の対象を「前年度に要件を満たしていた月(令和5年度に特例の適用があった月を含む)」としています。
特例は、前年度の実績の月を土台にした扱いです。
通知には、何をもって「要件を満たしていた月」と数えるかの詳しい説明は書かれていません。前年度に加算を受けていた月を指すのか、乳児の利用が3人以上だった月を指すのかなど、数え方は文言だけでは決めきれません。
特例を使えるかは、自分で数えて決めない
加算の認定は施設が所在する市町村長が行います。前年度の月のどれを特例の対象に数えるかで加算の月数が変わるため、申請の前に市町村の担当へ確認が必要です。
前年度の各月について、乳児の利用人数・乳児の利用定員・開催記録を月ごとに並べた表を用意して、その表を見せながら市町村に数え方を確かめる。
親子交流の場・相談会に参加者が0人だった月(公定価格FAQ No.232)
条件③の「月2回以上開催」には、参加者が0人だった場合の質問があります。公定価格FAQ(第32版)のNo.232です。
FAQの答えは、「開催したものの、結果として参加者が0人だった場合には、要件を満たしていると考えます」です。
参加者の人数ではなく、開催したこと自体が見られていると読めます。
開催した月は、参加者0人でも条件③は満たされる
FAQの答えが対象にしているのは、開催したが参加者が0人だった場合です。
開催していない月は、FAQの対象外
予定した日に会場を用意しなかった、案内を出さなかったなど、開催に当たらない月は、このFAQの答えの範囲に入りません。
月2回の数え方は、市町村の運用に合わせる
1か月に2回以上という回数のほか、開催の記録としてどこまで求められるかは、通知とFAQには細かく書かれていません。
申請で出す内容:市町村長の認定のために用意するもの
主任保育士専任加算の認定では、施設の設置者が市町村長へ申請し、市町村長が内容を確認します。
通知が申請に書くよう挙げているのは、施設名、加算の適用年月、育児相談・地域の子育て支援活動等の内容、事業等の実施状況、災害時などの緊急時の対応に関するマニュアル等です。
特例を使うときは、条件①〜③を説明できる資料も、市町村の求めに合わせて用意しておくと確認が進みます。
乳児の利用定員を確かめる
市町村が定めている利用定員のうち、乳児の枠が3人以上あるかを見ます。
乳児保育の職員体制を職員体制図で示す
乳児を担当する保育士の配置を、月ごとに維持している記録を残します。
親子交流の場・相談会の開催を月ごとに記録する
開催日、場所、内容を記録します。参加者がいなかった月も、開催した事実を残します。
前年度の月の数え方を市町村に確かめる
特例の対象になる月がどれかは、認定する市町村の考え方に合わせます。
この特例は、主任が1か月を超えてクラス担当を兼ねる月を救わない
通知は、主任保育士がクラス担当を兼務することを適切でないとし、代理で行う場合でも1か月を超えて兼務が続くと加算は適用されないとしています。乳児3人以上の要件を満たしても、この点は別に判断されます。
よくある質問
特例の疑問は、「何が代わりに満たされるか」と「回数・記録の数え方」の2点に集約されます。
- 親子交流の場に、誰も来なかった月は条件③を満たしませんか。
公定価格FAQ No.232は、開催したものの結果として参加者が0人だった場合には、要件を満たしていると考えるとしています。開催そのものをしていない月は、この答えの対象外です。
- この特例を使えば、ほかの事業を実施しなくても加算が付きますか。
いいえ。特例で満たしたと扱われるのは、乳児が3人以上利用している施設という1つの項目です。通知は、延長保育などの事業等を複数実施する施設に加算するとしています。
- 乳児の利用定員が2人の園は、この特例を使えますか。
通知の条件①は、乳児の利用定員が3人以上あることです。2人の場合は、この条件を満たしません。
- 試算ではこの特例をどう扱いますか。
認定を受けた月と、月初の利用子ども数から求める単価を試算ツールで確認できます。特例の対象月や認定の可否は市町村が判断するため、通知額は市町村に確認してください。
関連する確認先
次に確認するなら、主任保育士専任加算の要件全体と、災害時の取組です。
要件の全体と月初の利用子ども数での計算は主任加算の要件と月初利用子ども数の試算、災害時の地域支援と訓練の要件は災害時の地域支援と継続の訓練、申請の時期は加算の申請期限カレンダーで確認できます。
所在地・利用定員・月初在籍数を入力し、主任保育士専任加算の有無を切り替えて、月ごとの影響を見られます。
主任保育士専任加算を含めて公定価格を試算するほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)
該当なし/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03