災害がなくても、日頃の備えで加算は継続できる
公定価格に関するFAQ(第32版・令和8年7月24日時点版)のNo.246は、災害が発生しなくても、災害時の地域支援に係るマニュアル等の整備と原則月1回の研修・訓練を行っていれば、加算を継続して取得できるのかを尋ねています。
答えは、災害が発生しなくても、マニュアル等の整備と、災害時の地域支援を想定した月1回程度の研修・訓練の実施等により、加算は継続して取得できるというものです。この取組は、災害が起きたときに地域支援が適切に実施できるよう、日頃から周知や体制・環境整備を図ることを評価するものと説明されています。
FAQは続けて、災害の発生に即した実践的なマニュアル等の整備(更新)や研修・訓練の実施等に努めることが必要としています。一度つくったマニュアルを置いたままにせず、見直しを続ける前提です。
地域支援として見られる内容と、保護者の範囲
FAQが引いている要件の中身は、災害が発生した場合に、教育・保育を必要とするエッセンシャルワーカーである保護者等への連絡、被災状況の把握、こどもの預かりに関するニーズの把握、相談支援の実施等を行うことです。
エッセンシャルワーカーの範囲を尋ねたNo.247の答えは、発災直後に出勤等する必要がある保護者を想定しているというものです。例として、医療・福祉関係者、警察、自衛隊、消防、自治体職員等が挙げられています。
範囲の線引きは国が一律には決めていません。各施設で保護者のニーズ等を把握したうえで、地域の拠点として被災時の支援に貢献できるよう、地域の実情に応じて適切に判断することとされています。
認定のときに出す資料(マニュアルと訓練の記載)
No.248は、認定にあたって、災害時のマニュアルや、主任保育士が災害の研修を受けたことが分かる資料を添付すればよいかを尋ねています。答えは、国としては、次の2種類の内容が書かれた資料を、施設・事業所から提出してもらうことを想定しているというものです。
| 資料に書かれている内容 | FAQの書きぶり |
|---|---|
| マニュアル | 緊急時の対応の具体的内容及び手順、職員の役割分担、避難訓練計画等に関するマニュアル |
| 研修・訓練の取組 | 原則月1回の研修・訓練の実施等を行う取組を実施する旨が記載されている資料 |
FAQの答えは上の2種類の内容が書かれた資料を想定すると述べており、主任保育士個人の研修修了を示す資料には触れていません。実際に求められる書式や提出先は市町村ごとに異なるため、所轄の市町村で確認してください。
訓練を欠いた月の扱いと、連続した場合の確認
No.249は、原則月1回の研修・訓練等を満たさなかったことが確認された場合に、加算分を返還するのか、また園の事情で中止になったときの「原則月1回」の許容範囲はどこまでかを尋ねています。
答えは、当該加算分の取組実績や原則月1回の研修・訓練等の要件を満たさなかった場合に、直ちに返還を求めるものではないです。ただし、例として挙げられた次の2つの場合は、市町村が園の実態を把握し、必要な対応を行うとされています。
| 場合 | FAQが示す扱い |
|---|---|
| 取組実績や原則月1回の研修・訓練等の要件を満たさなかった | 直ちに返還を求めるものではない |
| 連続する複数月にわたって研修・訓練等が実施できていなかった | 市町村が園の実態を把握して必要な対応を行い、翌年度以降の認定で十分に確認する |
| 虚偽の報告も含む悪質な場合 | 同じく、市町村が園の実態を把握して必要な対応を行い、翌年度以降の認定で十分に確認する |
「原則」の幅を、欠けてもよい月数だと読まない
FAQは「許容範囲」を数字で答えていません。直ちに返還を求めないとされる一方で、連続する複数月の未実施は市町村が実態を把握して対応する例に挙がっています。
FAQにはない運用上の提案として、中止になった月は理由と、翌月に実施した日を記録に残し、連続させないようにします。許容される幅は市町村の判断に左右されるため、所轄の市町村に確認します。
毎月そろえる記録と、確認の順序
災害が起きない年でも、マニュアルの整備状況と月ごとの訓練の記録がそろっていることが、継続を説明する材料になります。次の順に確かめます。
マニュアルに必要な内容がそろっているか確かめる
緊急時の対応の具体的内容及び手順、職員の役割分担、避難訓練計画等が書かれているかを見ます。
地域支援を想定した内容にする
保護者への連絡、被災状況の把握、こどもの預かりのニーズの把握、相談支援の実施が、訓練の中に入っているかを見ます。
月ごとに実施日と内容を記録する
月1回程度の研修・訓練を実施した日と内容を、毎月残します。中止した月は理由と振替の日も残します。
災害の発生や地域の状況に合わせて見直す
FAQは、災害の発生に即した実践的なマニュアル等の整備(更新)に努めることを求めています。見直した日を記録します。
保護者の範囲は、自園の地域で決めて市町村に確認する
発災直後に出勤等する保護者のニーズを把握し、自園の地域の実情で範囲を決めます。判断に迷う点は市町村に確認します。
次に読む:加算の要件全体と災害対策の決まり
この要件は、主任保育士専任加算の7つの事業等のうち、災害等の緊急時の対応の取組に当たる1つです。ほかの事業との組み合わせや、兼務の扱いは別の記事で整理しています。
加算の要件全体と月初利用子ども数の試算は『主任加算(主任保育士専任加算)の要件と月初利用子ども数の試算』、保育所そのものの非常災害対策は『保育所の非常災害対策(消火用具・非常口・具体的計画)と毎月1回の避難・消火訓練』、業務継続計画は『保育所の業務継続計画(BCP)の策定・周知・研修と訓練・見直し(努力義務)』が参考になります。
よくある質問
- 災害が一度も起きていない年でも、加算は取れますか。
FAQのNo.246は、災害が発生しなくても、マニュアル等の整備と災害時の地域支援を想定した月1回程度の研修・訓練の実施等により、加算は継続して取得できると答えています。
- エッセンシャルワーカーとは、どんな保護者ですか。
FAQのNo.247は、発災直後に出勤等する必要がある保護者を想定しており、医療・福祉関係者、警察、自衛隊、消防、自治体職員等を例に挙げています。範囲は各施設が地域の実情に応じて判断するとされています。
- 認定のとき、主任保育士の研修の修了証は必要ですか。
FAQのNo.248が想定しているのは、緊急時の対応の手順、職員の役割分担、避難訓練計画等のマニュアルと、原則月1回の研修・訓練を行う旨が書かれた資料で、修了証には触れていません。実際に求められる資料は市町村に確認してください。
- 月1回の訓練を1回休んだら、加算を返すことになりますか。
FAQのNo.249は、要件を満たさなかった場合に直ちに返還を求めるものではないと答えています。ただし、連続する複数月で実施できていない場合や、虚偽の報告を含む悪質な場合は、市町村が実態を把握して必要な対応を行い、翌年度以降の認定で確認されます。
- 自園が要件を満たしているかを、この記事で判定できますか。
できません。この記事は公定価格FAQの整理です。個別の要件への適合や認定は、所轄の市町村が判断します。
公定価格を試算する
試算画面の「主任保育士専任加算の認定を受けている」の欄で、市町村に確認した認定の有無を選びます。
主任保育士専任加算の欄で試算に反映するほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)
該当なし/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03