解説

加算要件の常勤・専任・兼務・非常勤の違い

令和8年度の留意事項通知(保育所)で、基本分単価・主任保育士専任加算・療育支援加算・チーム保育推進加算・事務職員雇上費加算・栄養管理加算が「常勤」「専任」「兼務」「非常勤」をどう使い分けているかを、要件の文言で1表に並べます。

4つの語は、加算ごとに求めているものが違う

令和8年度の算定上の留意事項通知の別紙2(保育所)は、加算の要件に「専任」「兼務」「非常勤」「常勤換算」といった語を使っています。

同じ語でも、人数の数え方を決めているのか、職務の分け方を決めているのか、雇い方を決めているのかが加算によって違います。

下の表は、通知の文言を加算ごとに抜き出し、その語が何を決めているかを並べたものです。

加算の要件に出る語と、通知の文言(令和8年度・留意事項通知 別紙2 保育所)
対象通知の文言(要点)その語が決めていること
基本分単価の保育士必要保育士数とは別に「非常勤の保育士が配置されていること」。保育標準時間認定の子どもが利用する施設の1人は、標準時間認定の割合が低い場合は非常勤でも差し支えない非常勤:配置そのものの条件
基本分単価の調理員等利用定員21人以上40人以下の施設は2人(うち1人は非常勤)非常勤:定員区分ごとの配置の内訳
主任保育士専任加算主任業務に専任させるため、必要保育士数を超えて代替保育士を配置する。主任保育士がクラス担当を兼務することは適切でなく、代理でも1月を超えて兼務が続くと加算は適用されない専任・兼務:主任保育士の職務の分け方
療育支援加算(主任保育士等を補助する者)主任保育士専任加算の対象施設で、補助する者を配置する。補助する者は「非常勤職員であって、資格の有無は問わない」非常勤:補助する者の雇い方
療育支援加算(専門職の活用)専門職の活用は「雇用形態を問わず、嘱託する場合や雇用している場合も対象」。専門職の配置又は嘱託が月90時間以上かどうかで区分が分かれる(1週に3日程度を想定)雇用形態:問わない。月の従事時間:区分を分ける
チーム保育推進加算加配人数は、常勤換算人数(小数点第2位以下切り捨て、小数点第1位四捨五入前)による配置保育士の数から必要保育士数を引き、小数点第1位を四捨五入した人数常勤換算:配置保育士数の数え方
事務職員雇上費加算事務職員を配置し、延長保育・一時預かり・病児保育などのいずれかを実施する施設に加算する。施設長等の職員が兼務する場合又は業務委託する場合は、配置は不要兼務:配置不要とする場合の例外
栄養管理加算栄養士等の形態を、雇用契約等で配置している「配置」、基本分や他の加算で求められる職員が栄養士等の業務を兼ねる「兼務」、それ以外で嘱託等する「嘱託」の3つに分けて加算額を定める配置・兼務・嘱託:加算額を分ける区分名

表は、令和8年度の留意事項通知(最終改正 令和8年4月8日)の別紙2(保育所)を2026-10-17に確認した範囲です。通知は各加算の要件を個別に定めており、この表にない加算の語は載せていません。高齢者等活躍促進加算の「非常勤職員」の判断は、別の記事で通知とFAQ(よくある質問)に沿って整理しています。

「専任」と「兼務」は、職務の分け方を決める語

主任保育士専任加算では、「専任」は主任業務だけを受け持つこと、「兼務」はそれ以外の仕事を受け持つことを指します。

通知は、主任保育士がクラス担当を兼務することは適切ではないとし、代理で行う場合でも1月を超えて兼務が続くと加算は適用されないと定めています。

一方、事務職員雇上費加算の「兼務」は、事務職員を置かなくてよい例外として出てきます。施設長等の職員が事務を兼務する場合や業務委託する場合は、配置は不要とされています。

栄養管理加算の「兼務」は、さらに別の意味で、基本分単価や他の加算で求められる職員が栄養士等の業務を兼ねている状態を指す加算額の区分名です。

「兼務」の語だけで、可否を同じに考えない

主任保育士専任加算では兼務が続くと加算が外れます。事務職員雇上費加算では施設長等の兼務で足り、栄養管理加算では兼務が1つの区分として認められています。語が同じでも、可否は逆向きになることがあります。

兼務の話を聞いたら、どの加算の話かを先に確かめ、その加算の要件の文言に戻って読む。

職員数の充足を確認するときは、各施設・事業所の専任か、他の施設・事業所との兼務かの状況を把握するよう、通知の総則が求めています。兼務の扱いが加算ごとに違う点は、主任保育士専任加算の要件と兼務の扱い、施設長の兼務と減算の判断、栄養管理加算の配置・兼務・嘱託で、それぞれ詳しく確かめられます。

「非常勤」は、配置の条件か、雇い方の条件かを見分ける

通知で「非常勤」が出る場面は、大きく2つに分かれます。

1つは、基本分単価の保育士や調理員等のように、非常勤の人を何人置くかが配置の内訳として決まっている場合です。もう1つは、療育支援加算の補助する者のように、その役割の人を非常勤で雇うことが条件になっている場合です。

  1. 基本分単価

    必要保育士数とは別に非常勤の保育士を置くこと、調理員等の一部を非常勤とすることが、配置の内訳として書かれています。

  2. 療育支援加算の補助する者

    「非常勤職員であって、資格の有無は問わない」と書かれています。保育士資格の有無で対象を絞らない点が要件の文言です。

  3. 療育支援加算の専門職

    雇用形態を問わないため、非常勤か常勤かは要件ではありません。月の従事時間(90時間以上かどうか)で区分が分かれます。

非常勤の職員を何人分として数えるかは、通知の総則が別に定めています。常勤以外の職員の1か月の勤務時間数の合計を、各施設・事業所の就業規則等で定めた常勤職員の1か月の勤務時間数で割った値を常勤換算値とします。算式と計算例は、常勤換算の計算方法と、非常勤・勤務時間短縮保育士の扱いに載せています。

「常勤」は、最低基準と常勤換算で定義が別

「常勤」の定義は、最低基準上と公定価格の常勤換算で別です。保育所等における常勤保育士の定義の通知は、児童福祉施設の最低基準が定める定数上の保育士について、常勤の保育士を2つに分けています。

①就業規則で定められた常勤の従業者が勤務すべき時間数(1か月に勤務すべき時間数が120時間以上のものに限る)に達している人です。

②①以外の人で、1日6時間以上かつ月20日以上勤務する人です。

最低基準上の「常勤」を、加算の常勤換算にそのまま使わない

この定義が定めるのは、最低基準上の保育士定数への算入条件です。チーム保育推進加算の「常勤換算人数」は、公定価格の算式(月の勤務時間数の合計を常勤職員の月の勤務時間数で割る)で数えます。

最低基準を満たすかの確認と、加算の人数を数える確認は、別の表にして並べる。

最低基準上の算入条件は短時間勤務の保育士を最低基準の定数に入れる条件、公定価格上の常勤換算との違いは、前の節の算式で確認できます。

自園の職員表に当てはめる手順

  1. 加算ごとに、要件の文言を先に確かめる

    まず、確かめたい加算の要件を通知の文言で読みます。上の表の「その語が決めていること」が、職務の分け方か、雇い方か、人数の数え方かを見分けます。

  2. 職員表に、職務・雇用形態・月の勤務時間を並べる

    主任保育士なら兼務の有無と期間、補助する者なら雇用形態、チーム保育推進加算なら月の勤務時間数、というように、加算が見る項目だけを職員ごとに書き出します。

  3. 迷う職員は、市町村の認定内容と照らす

    加算の認定は、施設が所在する市町村が行います。個別の職員が要件に当たるかは、通知の文言と認定内容に沿って所轄市町村に確かめます。

よくある質問

加算の要件の「専任」と「常勤」は、同じ意味ですか。

同じではありません。専任は、主任保育士専任加算のように職務を主任業務に絞ることを指します。常勤は、勤務時間数で決まる区分です。

通知の総則は、常勤以外の職員を常勤換算値で数えると定めています。

療育支援加算の補助する者は、保育士資格がないと対象になりませんか。

通知は、補助する者を「非常勤職員であって、資格の有無は問わない」と書いています。資格の有無では対象を分けていません。主任保育士専任加算の対象施設であることが前提です。

栄養管理加算の「兼務」は、主任保育士専任加算の兼務と同じ意味ですか。

同じ意味ではありません。栄養管理加算の兼務は、基本分単価などで求められる職員が栄養士等の業務を兼ねる場合の区分名で、加算額の計算式が配置・嘱託と分かれています。主任保育士専任加算では、クラス担当の兼務が1月を超えて続くと加算が適用されません。

次に知りたいこと

加算ごとの人員の数え方は、チーム保育推進加算の加配人数と要件、療育支援加算の認定と補助する者・専門職、事務職員雇上費加算の配置と事業の要件で、それぞれ通知の要件に沿って確かめられます。

認定済みの加算を選び、結果の単価内訳で確認します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を表示します。

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