解説

主任加算(主任保育士専任加算)の要件と月初利用子ども数の試算

主任加算(主任保育士専任加算)の要件は、主任業務への専任、代替保育士の配置、通知が挙げる7つの事業等のうち複数の実施が要件です。市町村の認定内容と月初の利用子ども数、分園の扱いを確認します。

主任保育士専任加算を受けるための手順(要件の確認、市町村への申請、確認書類)

通知が定める流れは、次の3段階です。

①要件を満たす体制を整える、②所在市町村へ申請して認定を受ける、③申請時に挙げられた内容の書類をそろえるの順に進めます。

  1. 要件を確認する

    主任業務への専任、基本分単価や他の加算の認定で求められる必要保育士数を超えた代替保育士の配置、通知が挙げる7つの事業等のうち複数の実施を確認します。主任保育士がクラス担当を兼務することは適切ではないとされています。

  2. 所在市町村へ申請する

    加算の認定は施設が所在する市町村長が行い、設置者からの申請を受けて確認します。通知のこの項目は申請の様式や提出時期まで定めていないため、所在市町村の案内で確かめます。

  3. 申請で確認される内容の書類をそろえる

    通知は、申請で確認する内容として、施設名、加算の適用年月、育児相談・地域の子育て支援活動等の内容、事業等の実施状況、災害等の緊急時の対応に関するマニュアル等を挙げています。

加算の申請時に通知が挙げる書類を、元の記事へのリンクつきで並べています。

加算ごとの根拠書類と保存の定めの一覧を開く

出典は令和8年度の算定留意事項通知(S-06)別紙2 保育所 Ⅵ-1です。認定後も、市町村が申請や指導監督等を通じて要件への適合状況を確認し、適合しなくなった日の属する月の翌月(月初日に適合しなくなった場合はその月)から加算の適用が無くなります。

主任保育士専任加算を選ぶ基準(主任保育士の在籍ではなく市町村の認定)

主任保育士専任加算は、主任業務に専任させるために代替保育士を配置し、通知が定める事業等を複数実施する施設が対象です。

試算では、配置状況から対象かを自己判定せず、市町村から認定を受けている施設だけを選びます。

認定は施設が所在する市町村長が行います。個別の要件への適合や申請の可否は、この試算や記事では判定しません。認定内容が手元にない場合は所轄市町村へ確認してください。

認定内容では、専任体制と事業の実施状況を確認する

基本分や他の加算で必要となる保育士数を満たしたうえで、代替保育士を配置していることが前提です。

  1. 主任業務への専任

    主任保育士が保育計画の立案などの主任業務に専任しているかを、認定内容で確認します。

  2. 代替保育士の配置

    必要保育士数を超えて配置する代替保育士について、市町村が確認した内容を見ます。

  3. 複数の対象事業

    延長保育、一時預かり、病児保育など、通知が列挙する事業等の実施状況を申請・認定資料で照合します。

通知が挙げる7つの事業等のうち、複数を実施している必要がある

通知は、次のⅰ〜ⅶの事業等を複数実施する施設に加算すると定めています。1つだけでは要件を満たしません。特定の事業を必須とする書き方は、通知にありません。

通知(S-06 別紙2 保育所 Ⅵ-1)に列挙された事業等
区分事業等通知に書かれた条件の要点判定する月
ⅰ延長保育事業子ども・子育て支援交付金の要件に適合するもの、またはこれと同等の要件を満たして自主事業として実施しているもの要件を満たした月以降、同一年度は実施体制があれば満たす扱い
ⅱ一時預かり事業(一般型)交付金の要件に適合し、月の平均対象子どもが1人以上いるもの各月の平均で判定。要件を満たした月以降は同一年度内は体制があれば満たす扱い
ⅲ病児保育事業交付金の要件に適合するもの、またはこれと同等の要件を満たして自主事業として実施しているもの通知に月の扱いの記載なし
ⅳ乳児が3人以上利用している施設月の初日に乳児が3人以上利用している月から、年度を通じて満たしたものとする月の初日の利用で判定。満たした月から年度を通じて満たす扱い
ⅴ障害児が1人以上利用している施設月の初日に障害児(軽度障害児を含む)が1人以上利用している月から、年度を通じて満たしたものとする月の初日の利用で判定。満たした月から年度を通じて満たす扱い
ⅵ災害等の緊急時の対応の取組対応の内容・手順、職員の役割分担、避難訓練計画等のマニュアル整備と、原則月1回の研修・訓練の実施研修・訓練は原則として毎月
ⅶ乳児等通園支援事業児童福祉法第6条の3第23項に基づく事業通知に月の扱いの記載なし

ⅰ・ⅱは、要件を満たした月以降の各月について、同一年度内に限り、事業を実施する体制が取られていれば要件を満たすものとして扱うと通知に書かれています。ⅱには、年度当初から事業を開始する場合に5月の状況で4月から満たすものとする扱いもあります。

ⅳには、前年度に要件を満たしていた月について、乳児の利用定員・職員体制・地域の親子の交流の場の提供など3つの条件を満たす場合に、乳児3人以上の利用の要件を満たしたものとする特例があります。

ⅴの障害児は、市町村が認める障害児とされ、身体障害者手帳等の交付の有無は問われません。医師の診断書や、巡回支援専門員など障害に関する専門的知見を持つ人の意見書など、障害の事実が把握できる資料で確認してもよいと通知に書かれています。いずれも詳細は通知の本文で確認してください。

主任保育士のクラス担当の兼務が1月を超えて続くと、加算は適用されない

通知は、主任保育士がクラス担当を兼務することは適切ではないとしています。

代理で行う場合であっても、1月を超えて兼務が継続している場合は、加算は適用されません。

代理でクラスを受け持たせる場合は、兼務が1月を超えて続くかどうかが分かれ目です。

兼務の期間を、月の区切りだけで判断しない

通知は「1月を超えて兼務が継続している場合」と書いており、暦月の区切りの扱いまでは書いていません。

代理でクラスを受け持つ状況が続く場合は、期間の数え方を含めて所轄市町村へ確認する。

要件に適合しなくなった場合、適合しなくなった日の属する月の翌月(月初日に適合しなくなった場合はその月)から加算の適用が無くなると、通知は定めています。個別の該当性は市町村が認定で判断します。

月初在籍数は、利用子ども数と一致する場合だけ使う

通知は、加算額を各月初日の利用子ども数で除して単価を求めると定めています。

この試算の入力欄は月初在籍数のため、通知上の利用子ども数と一致する場合だけ入力します。

計算は次の順です。

①告示の基本額に、係数へ加算率の合計を掛けた額を足します。

②その額を、各月初日の利用子ども数で割ります。

③通知の端数処理に従って切り捨てます。

下の表は、説明用に加算率(a)(b)(園ごとの認定で決まる割合)を仮の値とし、月初の利用子ども数も仮の値として計算した例です。

主任保育士専任加算を、説明用の仮の加算率(a)(b)と月初の利用子ども数で計算した例
項目値
基本額(告示)297,670円
係数(告示)2,970円
加算率(a)+(b)(仮の値)0.0%(比率では0.000)
加算率(c)(告示)4.5%
加算率の合計 (a)+(b)+(c)4.5%
基本額 + 係数 × 加算率の合計(1施設・1か月)297,670円 + 2,970円 × 4.5 = 311,035円
各月初日の利用子ども数(仮の値)60人
合計 ÷ 利用子ども数(端数を含む)5,183.92円
10円未満を切り捨てた額(児童1人・1か月)5,180円

基本額・係数・加算率(c)は、令和8年度の検証済み加算データの値です。10円未満は切り捨てています。加算率(a)(b)と利用子ども数は説明用の仮の値で、実際の認定値や施設の利用状況ではありません。

この例は、処遇改善等加算の認定を受けている場合を想定し、告示の式に加算率(a)(b)を0と仮置きして当てはめたものです。通知は加算率(a)(b)(c)を、別に定める処遇改善等加算の認定に基づく値としているため、認定された加算率(a)(b)がある場合は、係数に掛ける加算率の合計がその分だけ増え、割る前の額も増えます。実際の単価は、認定通知の内容と月初の利用子ども数を確認して試算画面で確かめてください。

在籍数を利用子ども数として決めつけない

入力欄の名称だけから通知上の人数と同じだと断定できません。

月初の利用状況を確認し、通知上の利用子ども数と一致する場合に限って試算します。

分園がある場合は、対象範囲を推測して計算しない

主任保育士専任加算について、分園がある場合の認定対象と月初の利用子ども数の扱いを直接定める記載は確認できません。

分園がある場合は、認定通知上の対象範囲と月初の利用子ども数の扱いを所轄市町村へ確認します。

この試算は分園がある場合の主任保育士専任加算を計上しません。根拠のない合算や施設ごとの二重計上を避けるためです。

試算画面での入力手順

認定内容と月初の利用子ども数をそろえてから、認定済みの選択を入れます。

  1. 認定内容を確認する

    市町村の認定通知や申請資料で、対象施設と適用状況を確認します。

  2. 月初の利用状況を照合する

    月初在籍数が通知上の利用子ども数と一致することを確認して入力します。

  3. 結果の単価内訳を見る

    結果で主任保育士専任加算が単価の内訳に含まれていることを確認します。

よくある質問

主任保育士専任加算とは何ですか。

主任保育士を主任業務に専任させ、その代わりに代替保育士を配置する施設への加算です。通知が定める延長保育・一時預かり・病児保育などの事業等を複数実施し、市町村から認定を受けた施設が、公定価格に計上します。

主任保育士専任加算の要件は何ですか。

通知上、①主任保育士が保育計画の立案などの主任業務に専任していること、②必要保育士数を超えて代替保育士を配置していること、③延長保育・一時預かり・病児保育など通知が列挙する事業等を複数実施していることの3点です。いずれも自己判定はせず、市町村の認定内容で確認します。

主任保育士を置いていれば選べますか。

選べません。認定済みであることを確認してから選びます。

分園がある場合も試算に入れられますか。

この試算では入れません。対象範囲と月初の利用子ども数の扱いを所轄市町村へ確認してください。

加算額だけを別途足せますか。

試算で入力した月初在籍数が利用子ども数と一致する場合に、単価内訳として確認します。

認定済みの主任保育士専任加算を試算に入れる前の確認順序

認定内容、月初の利用子ども数、分園の扱いを確認する順序が、主任保育士専任加算を安全に試算へ入れる前提です。市町村の認定を先に確認してから試算へ入れる同じ手順は、高齢者等活躍促進加算・療育支援加算・事務職員雇上費加算でも扱っており、主任保育士の異動・退職があった場合に確認すべき加算は、保育士の異動・退職が複数の加算に影響しうる論点で横断的に整理しています。次に知りたいこと:毎月入る加算と3月分だけに入る加算の区別、保育所の加算申請の記載事項、休けい保育士と年齢別配置の関係。

認定済みで、月初在籍数と通知上の利用子ども数が一致する場合に、主任保育士専任加算を選んで結果の単価内訳を確認します。

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