解説

通園送迎加算の算定条件(運転手の兼務・委託・長期休業中)

通園送迎加算の算定条件。専任運転手は必須でなく運行委託も可能で、長期休業期間中も適用されます。年度当初に送迎を希望する児童がいないと算定できず、年度途中の開始は開始月から算定できます。

この記事で確認すること

通園送迎加算は、公定価格FAQ(第32版)で、利用する子どもの通園の便宜のために送迎を行う施設に加算するものと説明されています。同じFAQの問87は、通園送迎加算が設けられているのは1号認定子どもの公定価格だと前提にして質問を立てています。

この記事は、運転手の雇い方、長期休業期間、年度当初に送迎を希望する児童がいない場合の3点について、FAQの回答を整理します。

加算額そのものは、記事ではなく年度ごとの公定価格の通知で確認します。

運転手が兼務や外部委託でも加算の対象になるか

FAQの問30は、運転手が兼務・外部委託の場合も加算が適用されるのかを問い、回答は「必ずしも専任運転手の配置を要件としておらず、例えば、運行委託によることも可能です」としています。

専任の運転手を雇っていないこと自体は、加算の対象外になる理由として示されていません。

回答が明示しているのは「専任を要件としない」ことと「運行委託も可能」なことの2点です。委託の契約内容や費用の支払い方が自治体の確認で問われるかどうかは、このFAQからは分かりません。

長期休業期間中も加算が適用されるか

問31の回答は、「年間に必要な経費を平準化して公定価格を設定しているため、長期休業期間の公定価格にも加算が適用されます」です。

夏休みなどの長期休業中は送迎をしていなくても、その月の公定価格から通園送迎加算を外す扱いは、FAQでは示されていません。

給食実施加算の問32も同じ理由(年間の経費を平準化している)で、長期休業期間にも加算が適用されると答えています。

年度当初に送迎を希望する児童がいない場合

年度当初に送迎を希望する児童がいなければ、通園送迎加算は算定できません。

問357は、4月時点で送迎を希望する児童がいない場合に算定できるかを問うもので、回答は次の3点です。

  1. 年度当初に希望児がいなければ算定できない

    通園送迎加算は利用する子どもの通園の便宜のため送迎を行う施設に加算するものなので、年度当初の時点で送迎を希望する児童がいない場合は算定できません。

  2. 年度途中の開始は、開始日の属する月から算定できる

    年度途中から送迎を行うことになった場合は、その日の属する月から算定できます。

  3. 途中で希望児がいなくなっても、その年度は算定できる

    年度途中で送迎を希望する児童がいなくなった場合でも、当該年度中は算定できます。

送迎の状況ごとの算定の扱い(FAQ問357の回答。年度当初に希望児がいる場合の記載は原文にない)
状況算定の扱い
年度当初は希望児がいない算定できない
年度途中から送迎を始めたその日の属する月から算定できる
年度途中で希望児がいなくなった当該年度中は算定できる

年度当初の「時点」の細かい日付は、FAQに書かれていません

問357の回答は「年度当初の時点」と書くだけで、4月の何日時点で見るのか、希望をどの書類で確認するのかまでは示していません。

希望の確認時期と書類は、施設を所管する市町村に確認します。

加算額の端数処理

FAQの問254は、端数処理の定めがない加算(例として通園送迎加算と給食実施加算)で小数点以下の金額が出た場合の扱いを問い、回答は「当該加算の金額を算出した時点で、1円未満を切り捨てる」です。加算ごとに別々に切り捨てるとも書かれています。

ほかの加算と合計してから1円未満を切り捨てるのではなく、加算ごとに算出した時点で切り捨てます。

試算へ入れる前の確認手順

確認は次の順で進めます。

送迎を希望する児童の有無と運行の形を確認してから、加算を見込みに入れます。

  1. 対象の認定区分を確認する

    通園送迎加算が設けられているのは1号認定子どもの公定価格です(FAQ問87の質問の前提)。問87の回答では、送迎を利用する一部の子どもにだけ付くのではなく、施設として送迎を実施していれば1号認定子ども全体に加算が付くとされています。2号・3号認定子どもの分には、この加算を入れません。

  2. 年度当初に送迎を希望する児童がいるか確認する

    いなければ算定できません。年度途中に送迎を始める場合は、始める日の属する月から入れます。

  3. 運転手の雇用形態では判断しない

    専任でなくても、兼務や運行委託でも加算の対象です。

  4. 長期休業期間の月も外さない

    年間の経費を平準化した公定価格のため、長期休業期間の月にも加算が適用されます。

問87の回答は、2号・3号認定子どももバスを利用でき、加算額で不足する必要経費は1号から3号の区分にかかわらず、バス利用者から同額の実費徴収を行って構わないとしています。通園送迎費が無償化の対象外であることは幼児教育・保育の無償化と公定価格の関係で整理しています。公定価格の決まり方の全体像は公定価格の決まり方を参照してください。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(施設型給付費・委託費)を試算します。

通園送迎加算は試算に含まれないため、加算額は年度ごとの通知で確認してください。

公定価格の試算を開く

よくある質問

FAQ問30・31・87・254・357の回答を、質問の形で整理します。

専任運転手は要件でなく、長期休業中も加算は適用されます。

専任の運転手がいなくても通園送迎加算は算定できますか。

FAQ問30の回答では、専任運転手の配置は必ずしも要件ではなく、運行委託も可能とされています。

夏休みなどの長期休業中も加算されますか。

FAQ問31の回答では、年間に必要な経費を平準化して公定価格を設定しているため、長期休業期間の公定価格にも加算が適用されます。

4月に送迎を希望する児童がいないと、その年度は算定できませんか。

FAQ問357の回答では、年度当初の時点で希望児がいなければ算定できません。ただし、年度途中から送迎を行うことになった場合は、その日の属する月から算定できます。

年度の途中で送迎を希望する児童がいなくなったら、加算はなくなりますか。

FAQ問357の回答では、年度途中で希望児がいなくなった場合でも、当該年度中は算定できます。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「加算を試算に入れる前に、認定や要件を確認したいとき」の解説一覧へ