解説

地域子育て支援拠点事業実施要綱の実施要件(一般型・連携型の開設日数・従事者・実施場所、令和8年4月8日の第三次改正)

国の地域子育て支援拠点事業実施要綱が定める、基本事業4つ、一般型(週3日以上・1日5時間以上・専任2名以上)と連携型(週3日以上・1日3時間以上・専任1名以上)の要件、実施場所に保育所等が挙がる範囲を、こども家庭庁の通知の範囲で整理します。

地域子育て支援拠点事業の要件は、こども家庭庁成育局長通知の「実施要綱」に書かれている

地域子育て支援拠点事業の実施について、こども家庭庁成育局長は、各都道府県知事へ通知を出しています(こ成環第113号、令和6年3月30日)。

通知は児童福祉法第6条の3第6項に基づき市町村が実施する事業を対象とし、別紙の「地域子育て支援拠点事業実施要綱」を令和6年4月1日から適用するとしています。

その後、令和6年6月28日(第一次)、令和7年4月1日(第二次)、令和8年4月8日(第三次)の改正が通知に付記されています。この記事は、令和8年4月8日の第三次改正を反映した本文を扱います。

実施主体は市町村(特別区と一部事務組合を含む)です。市町村が認めた者へ委託等を行うことができると書かれているため、保育所や認定こども園を運営する法人が、市町村から委託を受けて運営する場面があります。

事業の内容は、乳幼児とその保護者が相互に交流する場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業です。

この記事は、通知が定める実施方法の要件を扱います。補助の金額は通知の本文に書かれておらず(「国は別に定めるところにより補助する」とだけ書かれています)、この記事も金額を扱いません。委託の可否や条件は、所在地の市町村に確認してください。

基本事業は4つ。講習等は月1回以上

実施要綱は、次のアからエまでを基本事業とし、すべて実施することとしています。

ア 子育て親子の交流の場の提供と交流の促進

イ 子育て等に関する相談、援助の実施

ウ 地域の子育て関連情報の提供

エ 子育て及び子育て支援に関する講習等の実施(月1回以上)

経過措置の「小規模型指定施設」は、この基本事業をすべて実施する扱いから除かれています。

一般型と連携型の違い:開設日数・時間、従事者、実施場所

実施方法は、常設の拠点を開設する一般型と、児童福祉施設・児童福祉事業を実施する施設(連携施設)で基本事業を行う連携型に分かれています。

一般型の対象は、子育て家庭の親とそのこども(主として概ね3歳未満の児童と保護者)です。

一般型と連携型の実施方法(通知の記載)
項目一般型連携型
開設日数・時間原則として週3日以上、かつ1日5時間以上原則として週3日以上、かつ1日3時間以上
従事者子育て親子の支援に意欲のある者で、子育ての知識と経験を有する専任の者を2名以上(非常勤職員でも可)同じ要件の専任の者を1名以上(非常勤職員でも可)。連携施設の職員等のバックアップを受けられる体制を整える
実施場所公共施設、空き店舗、公民館、保育所等の児童福祉施設、小児科医院等の医療施設などの、子育て親子が集う場として適した場所児童館・児童センターにおける既設の遊戯室、相談室等であって、子育て親子が交流し集う場として適した場所
広さ概ね10組の子育て親子が一度に利用しても差し支えない程度概ね10組の子育て親子が一度に利用しても差し支えない程度
設備授乳コーナー、流し台、ベビーベッド、遊具その他、乳幼児を連れて利用しても差し支えないような設備を有する授乳コーナー、流し台、ベビーベッド、遊具その他、乳幼児を連れて利用しても支障が生じないような設備を有する
その他拠点となる場所を定めて実施する(複数の場所で実施するものではない)通知に追加の記載なし

従事者について、通知の要件に免許や資格の指定は書かれていません。書かれているのは、意欲、子育ての知識と経験、専任の3点です。

留意事項には、従事者は子育て支援員研修の基本研修と、専門研修(地域子育て支援コース)のうち「地域子育て支援拠点事業」の内容の研修を修了していることが望ましいと書かれています。必須とは書かれていません。

保育所に併設すれば要件を満たす、とは書かれていない

一般型の実施場所の例に「保育所等の児童福祉施設」が挙がっていますが、これは場所の例示で、併設を条件にした扱いは通知の本文に書かれていません。保育所の職員が保育と兼ねて従事できるかどうかも、通知の本文では確認できないため、委託元の市町村に確認が必要です。

委託を検討するときは、開設する場所、開設日数・時間、専任の従事者の配置を表にして、市町村の募集要項と実施要綱の該当箇所を並べて照らす。

別途加算の対象になる取組:通知が挙げているのは見出しまで

実施要綱は、基本事業に加えて行う取組を、別途加算の対象として挙げています。

一般型では、地域の子育て支援活動の展開を図る取組、出張ひろば、地域支援、配慮が必要な子育て家庭等への支援、休日の育児参加促進のための講習会の実施への支援、賃貸物件を活用する場合の賃借料への支援があります。連携型では、地域の子育て力を高める取組、配慮が必要な子育て家庭等への支援、休日の育児参加促進のための講習会の実施への支援があります。

保育所の運営法人に関わりが深いのは、地域の子育て支援活動の展開を図る取組です。市町村以外の者が基本事業に加えて、次のいずれかを実施する場合が対象とされています。

拠点施設の開設場所(近接施設を含む)を活用した一時預かり事業、放課後児童健全育成事業、親子関係形成支援事業、またはこれらに準じた事業の実施。

拠点施設を拠点とした乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、子育て世帯訪問支援事業の実施。

運営主体が市町村で、これらの運営を市町村以外の者へ委託等している場合も、加算の対象とされています。

その他、拠点施設を拠点とした市町村独自の子育て支援事業の実施。

加算の金額と、加算を受けるための手続きは、通知の本文に書かれていません。

出張ひろばは、親子が集う場を常設することが困難な地域で、週1〜2日かつ1日5時間以上の開設とし、一般型の職員が1名以上、出張ひろばの職員を兼務することが要件です。賃借料への支援は、賃貸物件で週5日以上かつ1日6時間以上開設している事業所に限られます。

経過措置の「小規模型指定施設」は別の要件

従来の地域子育て支援センター(小規模型指定施設)は、経過措置として事業の対象になっています。

一般型より開設日数が多く、専任の従事者は1名以上です。

具体的には、原則として週5日以上かつ1日5時間以上の開設、育児・保育に関する相談指導等について相当の知識・経験を有する専任の者を1名以上(非常勤職員でも可)配置すること、そして育児不安等についての相談指導、子育てサークル・子育てボランティアの育成・支援、地域の保育資源の情報提供と連携・協力体制の構築のうち2つ以上を実施することです。

看護師または保健師等による保健相談を週3回程度実施する場合は、別途加算の対象とされています。

よくある質問

一般型と連携型は、人数の要件が違いますか。

違います。通知では、一般型は専任の者を2名以上、連携型は専任の者を1名以上とし、連携型は連携施設の職員等のバックアップを受けられる体制を整えるとされています。開設時間も、一般型は1日5時間以上、連携型は1日3時間以上と書かれています。

保育士などの資格がないと従事できませんか。

通知の要件には、免許や資格の指定は書かれていません。留意事項は、子育て支援員研修の該当研修を修了していることが望ましいとしています。市町村が募集要項で独自の条件を定めている場合があるため、委託を受けるときは市町村に確認してください。

この要件は、公定価格の試算に入りますか。

入りません。この試算ツールは公定価格(施設型給付費・委託費)の算定のみを行い、地域子育て支援拠点事業の補助は試算に含めていません。国の補助事業の全体像は、保育対策総合支援事業などの補助メニュー一覧で整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、令和8年4月8日に第三次改正された地域子育て支援拠点事業実施要綱のうち、実施方法の要件(4)と留意事項(5)を扱います。通知の第三次改正の施行日は本文から確認できていません。その後の改正は照合していません。

次に知りたいこと:一時預かり事業の補助は、公定価格の加算に含まれるか、延長保育事業実施要綱の実施要件と職員配置、病児保育事業の補助は、公定価格の加算に含まれるか

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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