解説

病児保育事業の補助と公定価格の関係(第59条の事業・3加算の要件・弾力運用)

病児保育事業は、公定価格(施設型給付費・委託費)とは別に、交付金の要件で扱われる地域子ども・子育て支援事業です。実施が保育所の3つの加算や委託費の弾力運用の要件になる場面との違いを、法律と通知で確認します。

病児保育事業は、公定価格とは別の章に置かれた制度

児童福祉法第6条の3第13項は、病児保育事業を、保育を必要とする乳児・幼児などで疾病にかかっているものについて、保育所、認定こども園、病院、診療所などで保育を行う事業と定めています。

この事業は、子ども・子育て支援法第59条が定める「地域子ども・子育て支援事業」の一つ(第11号)で、施設型給付費を定める第27条とは、法律上別の章に置かれています。

子ども・子育て支援法第59条は、市町村が市町村子ども・子育て支援事業計画に従って地域子ども・子育て支援事業を行うと定め、第11号で「児童福祉法第六条の三第十三項に規定する病児保育事業」を挙げています。私立保育所の委託費は同法附則第6条に基づくもので、根拠は私立保育所が委託費を受け取る根拠で説明しています。

補助は、公定価格の告示ではなく交付金の側で扱われる

こども家庭庁が公開する制度説明資料は、地域子ども・子育て支援事業について、国と都道府県が事業の実施に必要な費用に充てるため交付金を交付できるとし、費用負担割合を国・都道府県・市町村それぞれ3分の1と整理しています(利用者支援事業と妊婦健康診査は別の扱い)。

同じ資料は、病児保育事業を「病児について、病院・保育所等に付設された専用スペース等において、看護師等が一時的に保育等する事業」と説明しています。

これに対し、公定価格は、告示が定める基本分単価に各種加算・減算を加減して算定する、別の仕組みです。

公定価格の加算の通知が、病児保育事業を「子ども・子育て支援交付金に係る要件に適合するもの」という条件つきで挙げていることは、この事業の要件と補助が交付金の側にあることを示しています。

「実施していること」が、保育所の3つの加算で要件を満たす事業等の一つになる

公定価格の留意事項通知は、保育所の3つの加算で、病児保育事業を、実施していれば要件を満たす事業等の一つとして挙げています。

問われるのは「病児保育事業を実施しているという事実」であり、病児保育事業の補助額が加算として上乗せされるわけではありません。

病児保育事業を事業等の一つとして挙げる保育所の加算
加算通知での書き方
主任保育士専任加算通知が挙げる事業等を複数実施する施設が対象
事務職員雇上費加算通知が挙げる事業等のいずれかを実施する施設が対象
高齢者等活躍促進加算通知が挙げる事業等のうち、いずれかを実施していることが必要

通知は、対象となる病児保育事業を「子ども・子育て支援交付金に係る要件に適合するもの及びこれと同等の要件を満たして自主事業として実施しているもの」と書いています。

同じ列挙には、延長保育事業、一時預かり事業(一般型)、乳児の利用人数に関する項目なども並んでいます。ほかの要件とあわせて、主任保育士専任加算・事務職員雇上費加算・高齢者等活躍促進加算の確認記事で、認定内容と照らして確認します。

実施していることが、委託費の弾力運用の条件になる場合もある

私立保育所の委託費の経理通知は、別表1に掲げる事業等のいずれかを実施し、通知が定める要件を満たす保育所について、処遇改善等加算の基礎分に相当する額の範囲内で、同一の設置者が設置する保育所等の施設・設備の整備などにも委託費を充てられる場合を定めています。

別表1の第8号は、こども家庭庁の通知「病児保育事業の実施について」に定める病児保育事業、またはこれと同様の事業と認められるものです。

「病児保育の実施」と「病児保育事業の補助」を混同しない

上の加算も、弾力運用の条件も、病児保育事業を実施しているという事実を確認するものです。経理通知も、委託費の使途の取扱いは委託費に適用されるもので、国庫補助事業に基づく補助金等には、その補助要綱などの要件が適用されるとしています。

病児保育事業の補助単価・申請方法は、公定価格の告示ではなく、所在地の市町村が示す交付の要件を確認する。弾力運用の枠組みは委託費の弾力運用で説明しています。

試算での扱い

この試算ツールは公定価格(施設型給付費・委託費)の算定のみを行い、病児保育事業の補助額は試算に含みません。

3つの加算は、市町村から受けた認定の内容を確認したうえで入力する方式で、病児保育事業を実施しているかどうかから加算の対象かを試算が判定することはありません。

この試算は、病児保育事業の補助を計算する仕組みを持ちません。金額の見込みが必要な場合は、所在地の市町村(子育て支援担当課)へ直接確認してください。同じく公定価格とは別制度の事業は、一時預かり事業の補助は、公定価格の加算に含まれるかと延長保育事業の補助は、公定価格の加算に含まれるかで説明しています。

よくある質問

病児保育事業の補助額は、この試算の結果に含まれますか。

含まれません。病児保育事業は公定価格(施設型給付費・委託費)とは別の地域子ども・子育て支援事業で、交付金の要件で扱われます。

病児保育事業を実施していると、公定価格の加算が増えますか。

主任保育士専任加算・事務職員雇上費加算・高齢者等活躍促進加算では、病児保育事業が、要件を満たす事業等の一つとして挙げられています。ただし実施の事実を確認するもので、病児保育事業の補助額が加算に上乗せされるわけではありません。ほかの要件を満たすかどうかは、市町村の認定内容で確認します。

交付金を受けずに自主事業として実施している場合も、加算の要件に当たりますか。

留意事項通知は、交付金に係る要件に適合するものに加え、「これと同等の要件を満たして自主事業として実施しているもの」も挙げています。同等の要件を満たすかどうかは、所在地の市町村に確認してください。

病児保育事業の補助単価は、どこで確認できますか。

公定価格の告示ではなく、交付金の要件に基づいて扱われる事業です。補助単価・申請方法は、所在地の市町村(子育て支援担当課)へ直接確認してください。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(施設型給付費・委託費)を試算します。

病児保育事業の補助額は試算に含まれないため、別途所在地の市町村へ確認してください。

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この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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    一時預かり事業は、公定価格(施設型給付費・委託費)とは別に、交付金の要件で扱われる地域子ども・子育て支援事業です。実施が加算や弾力運用の要件になる場面との違いを、法律と通知で確認します。

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    委託費は人件費・管理費・事業費の3つに分けて使うのが原則です。要件を満たした施設だけに認められる区分間の流用・積立・繰越の扱いを、通知に沿って説明します。

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