解説

賃借料加算で前払い・礼金があるときの国庫補助対象期間(公定価格FAQ No.124)

賃借料の国庫補助を受けた施設は、補助に係る残額が生じていないことが賃借料加算の要件です。賃借料を前払いして月額を減らしている場合の国庫補助対象期間の求め方。

国庫補助が充てられた期間は、賃借料加算が適用されない

留意事項通知は、保育所の賃借料加算の要件の一つに、賃借料の国庫補助を受けた施設については当該補助に係る残額が生じていないことを置いています。賃借料の国庫補助を受けていない施設には、この要件は関係しません。

公定価格に関するFAQ(第32版・令和8年7月24日時点版)のNo.124は、賃借料を前払いして毎月の賃借料が減っている場合の扱いを尋ねています。答えは、実質的にどの期間の賃借料に国庫補助金が充てられているかを判定し、その期間は賃借料加算が適用されないというものです。

FAQは、一括払いか分割払いかといった支払い方で加算が適用される期間が変わるのは、公平性の観点から望ましくないと説明しています。この期間を「国庫補助対象期間」と呼んでいます。

通知の括弧書きは、「都市部における保育所への賃借料等支援事業」による国庫補助をこの要件の対象から除いています。自園が受けた補助がどの事業のものかは、交付決定の通知と市町村で確認してください。賃借料加算の確認手順は『賃借料加算の確認手順(認定通知・地域類型・標準と都市部の区分)』にあります。

国庫補助対象期間は、補助基準額を前払い前の月額賃借料で割って月数にする

FAQは、契約で充てる期間や金額を定めていない場合の求め方を示しています。国庫補助基準額から礼金の額を引いた金額を、前払いによる減額を考えない月額賃借料で割り、小数点以下を切り上げた月数が国庫補助対象期間です。

礼金を引くのは、礼金を国庫補助の対象にする場合に限られます。割る月額は、前払いで減額した後の月額ではなく、減額する前の月額です。

賃借料の契約などで、国庫補助金を賃借料に充てる期間や金額を個別に定めている場合は、その定めによる期間が国庫補助対象期間になります。上の算式より契約の定めが優先されます。

FAQの例:定めがなければ26か月、全期間に充てる定めがあれば240か月

FAQは、減額前の月額賃借料が150万円、礼金が300万円、契約が20年、国庫補助基準額が4,100万円の例で、契約時に4,100万円(礼金を含む)を前払いして月額を減らす二つの場合を示しています。同じ前払いでも、契約の定めによって期間が大きく変わります。

FAQ第32版No.124の例(確認日 2026-10-18)
契約の定め計算国庫補助対象期間
国庫補助金を賃借料に充てる期間等の定めがない(4,100万円-300万円)÷150万円=25.33か月26か月
契約期間の全期間の賃借料に国庫補助金を充てる定めがある契約期間20年240か月

この表の金額はFAQの例で、自園に当てはまる額ではありません。自園の国庫補助基準額、礼金、月額賃借料は、契約書と交付決定の資料で確かめてください。

試算に入れる前に、契約書・交付決定・市町村の認定を順に確認する

加算の認定は、施設が所在する市町村長が行います。通知は、認定の申請で施設名、加算の適用年月、賃貸契約書等を市町村が確認すると定めています。

補助が充てられた月数の数え始めや、終わった後にいつから加算が見込めるかは、FAQと通知には書かれていないため、認定する市町村に確認します。以下の順序は、この記事の整理です。

  1. 賃借料の国庫補助を受けたかを確かめる

    交付決定の通知で、補助を受けたか、どの事業の補助かを確認します。受けていなければ、この要件は関係しません。

  2. 契約書で前払いと充当の定めを見る

    前払いの額、礼金、減額前の月額賃借料、補助金を賃借料に充てる期間や金額の定めの有無を拾い出します。

  3. 国庫補助対象期間を月数で出す

    定めがあればその期間、なければFAQの算式で出します。数え始めの月と合わせて、認定する市町村に確認します。

  4. 試算では認定の結果に合わせる

    市町村から加算の対象と確認された月から、賃借料加算を選んで試算します。

次に知りたいこと:賃借料加算の確認手順と、減価償却費加算との関係

賃借料加算は、減価償却費加算の対象になっていないことも要件です。同じ建物で二つを同時に選ばないようにします。

賃借料加算の認定と区分は『賃借料加算の確認手順(認定通知・地域類型・標準と都市部の区分)』、自己所有の建物の加算は『減価償却費加算の試算(「標準」「都市部」の区分)』、加算全体の入口は『保育所の公定価格の加算一覧:確認する先で分類』が参考になります。

よくある質問

賃借料の国庫補助を受けていない施設も、この期間を考える必要がありますか。

通知の要件は、賃借料の国庫補助を受けた施設に係るものです。受けていない施設には関係しません。

前払いで月額が下がっているときは、下がった後の月額で割りますか。

いいえ。FAQのNo.124は、前払いによる減額を考えない月額賃借料で割ると答えています。

礼金は必ず引きますか。

礼金を国庫補助の対象にする場合に限り、国庫補助基準額から引くとされています。

自園の国庫補助対象期間は、この記事で判定できますか。

できません。この記事はFAQの整理です。補助の内容と契約の定めによって期間が変わるため、認定する市町村に確認してください。

公定価格を試算する

試算画面の「賃借料加算」の欄で、市町村に確認した区分を選びます。国庫補助対象期間の判定は、試算結果に含まれません。

賃借料加算の欄で試算に反映する

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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