解説

外部監査費加算の要件と確認事項(加算額と監査報酬、3月時点の確認、監査の範囲)

幼稚園・認定こども園の外部監査費加算について、監査報酬の多寡で加算額が変わらないこと、3月時点で何を確認するか、市町村の会計監査を省略できる場合、監査の対象となる書類の範囲を、公定価格FAQ第32版で整理します。

この記事で確認すること

外部監査費加算は、公定価格FAQ(第32版)で幼稚園と認定こども園が対象の加算として扱われています。

この記事は、FAQの問35から問37と問250から問253の回答にある、加算額と実費の関係、3月時点の確認、市町村の会計監査の省略、監査の範囲を整理します。

加算額と要件の全文は年度ごとの通知で確認し、この記事は加算額を示しません。

監査報酬が加算額と違っても、加算額は変わらない

問35は、加算額より高い、または低い監査報酬を支払った場合に加算単価が増減するのかを問い、回答は「加算/減算はされません」です。理由として、加算の金額は実際の費用の実態を踏まえて平均的な額として設定していると説明されています。

実際に払った監査報酬の額を、加算額へ読み替えて試算に入れることはしません。

実施時期と加算される月の関係

問36の回答は次のとおりです。

加算の可否は、当年度の3月時点で監査を受けているか、監査実施契約を締結しているかで確認されます。

当年度の3月時点で、当年度会計について会計監査人による監査を受けていることが確認できれば、当年度の3月分の単価に加算されます。

また、監査報告書の発行が翌年度になる場合でも、当年度の3月時点で監査法人等と監査実施契約を締結していることが確認できれば、当年度(当該会計年度)の3月分の単価に加算されるとされています。

3月時点で確認できることと加算(FAQ問36の回答)
3月時点の状況加算の扱い
当年度会計について会計監査人による監査を受けていることが確認できる当年度の3月分の単価に加算される
監査報告書の発行は翌年度だが、監査法人等と監査実施契約を締結していることが確認できる当年度の3月分の単価に加算される

3月分の単価への加算を、年額と取り違えない

問36の回答が示しているのは、当年度の「3月分の単価」に加算されるという点です。毎月の単価に同じ額が乗るとは書かれていません。

月ごとの加算の付き方と認定の時期は、年度ごとの通知と所管の市町村で確認します。

外部監査を受けると、市町村の会計監査は省略できるか

問37の回答は、公認会計士または監査法人による外部監査を受けた幼稚園・認定こども園について、その外部監査で軽微とは認められない指摘を受けた場合を除き、外部監査の対象になっている会計については市町村等による会計監査を省略できる、というものです。

省略できるのは、外部監査の対象になっている会計の部分です。

なお回答は、公定価格上の職員の配置状況や各加算の要件については、指導監督などを通じて適合状況を把握する必要があるとも述べています。会計監査が省略されても、配置や加算要件の確認は残ります。

外部監査費加算の外部監査は公認会計士等による監査で、行政が行う指導監査とは別のものです。保育所の指導監査で確認される事項は保育所の指導監査で確認される事項と関連記事の対応表にまとめています。

監査の範囲(何が対象で、何が対象外か)

要件の文言にある「これに準ずる公認会計士又は監査法人の監査」について、問250は、私立学校振興助成法に基づく監査に準ずる監査を指すと回答しています。

外部監査費加算の要件は、学校法人が私学助成の交付を受ける際の外部監査と同等のものとされています。この考え方から、問251から問253の回答は次のとおりです。

監査の対象になるか(FAQ問251〜253の回答)
書類外部監査費加算の要件上の扱い
計算関係書類監査を受けている必要がある
人件費支出内訳表監査対象に含む(問251)
資金収支内訳表・事業活動収支内訳表加算の要件としては、計算関係書類と人件費支出内訳表の監査を受けていれば差し支えない(問252)
財産目録私立学校法では監査の対象だが、外部監査費加算の要件としては監査対象ではない(問253)

問252は、一部の都道府県が私学助成の交付の要件として資金収支内訳表などを監査対象に加えていても、すべての都道府県がそうしているわけではないことから、加算の要件はこの範囲にとどめていると説明しています。

都道府県が私学助成のために求める監査の範囲と、加算の要件の範囲は別のものです。

確認の手順

確認は次の4つの順で進めます。

監査の範囲と3月時点の状況を、書面で示せる状態にしてから試算に入れます。

  1. 対象の施設か確認する

    FAQでは、幼稚園と認定こども園の質問として整理されています。自施設の類型が対象かは、年度ごとの通知で確認します。

  2. 監査の範囲を確認する

    計算関係書類と人件費支出内訳表の監査を受けていることを、監査契約や監査報告書で確認します。

  3. 3月時点の状況を確認する

    3月時点で監査を受けているか、監査実施契約を結んでいるかを、市町村へ示せるようにしておきます。

  4. 試算に報酬額を入れない

    実際の監査報酬の高低は加算額を変えません。加算額は通知の額で入れます。

公定価格の加算が、施設の認可や市町村の確認とどう関わるかは保育所の認可と確認の違いで整理しています。公定価格全体の決まり方は公定価格の決まり方を参照してください。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(施設型給付費・委託費)を試算します。

外部監査費加算は試算に含まれないため、加算額は年度ごとの通知で確認してください。

公定価格の試算を開く

よくある質問

FAQ問35から問37・問253の回答を、質問の形で整理します。

加算額は実費で変わらず、3月時点の確認が加算される月を決めます。

監査報酬が加算額より高いと、加算額は増えますか。

増えません。FAQ問35の回答では、加算額より高くても低くても加算・減算はされず、加算の金額は実費の実態を踏まえた平均的な額とされています。

監査報告書が翌年度に出る場合、当年度の3月分に加算されませんか。

FAQ問36の回答では、当年度の3月時点で監査法人等と監査実施契約を締結していることが確認できれば、当年度の3月分の単価に加算されます。

外部監査を受けたら、市町村の会計監査は必ず省略されますか。

FAQ問37の回答では、軽微とは認められない指摘を受けた場合を除き、外部監査の対象になっている会計については省略できます。配置状況や加算要件の確認は指導監督などで続きます。

財産目録も監査を受ける必要がありますか。

FAQ問253の回答では、私立学校法では財産目録も監査の対象ですが、外部監査費加算の要件としては監査対象ではありません。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「加算を試算に入れる前に、認定や要件を確認したいとき」の解説一覧へ