解説

保育所の「認可」と「確認」の違い(両方必要な理由)

保育所の運営には、児童福祉法に基づく施設の「認可」と、子ども・子育て支援法に基づく給付対象の「確認」という2つの行政処分が必要です。処分の主体・根拠条文の違いと、両方そろって初めて何ができるかを説明します。

「認可」と「確認」は別の行政処分

保育所を運営するには、施設として設置してよいという都道府県知事の「認可」と、施設型給付費の支給対象として指定する市町村長の「確認」という、根拠法も処分の主体も異なる2つの行政処分が必要です。

認可は児童福祉法第35条、確認は子ども・子育て支援法第31条・第27条が根拠で、どちらか一方だけでは、保育所として公費を受けながら運営することはできません

「認可」(児童福祉法第35条)が定めるもの

  1. 誰が行うか

    都道府県知事が、保育所という施設の設置を許可する処分です(児童福祉法第35条第4項)。

  2. 何を審査するか

    施設・設備の基準(児童福祉法第45条第1項の条例で定める基準)への適合に加え、経済的基礎、経営者の社会的信望、幹部職員の知識・経験の有無(同法第35条第5項第1号〜第3号)や、申請者の欠格事由の有無(同項第4号)を審査します。ただし申請者が社会福祉法人・学校法人の場合、第1号〜第3号は審査対象外で、欠格事由(第4号)のみが審査されます(同項柱書)。

  3. 需給状況も審査対象

    区域の特定教育・保育施設の利用定員総数が、都道府県子ども・子育て支援事業支援計画の必要利用定員総数に既に達しているか、申請によって超えることになると認めるときは、認可をしないことができます(同条第8項)。

第8項は「子ども・子育て支援法第六十二条第二項第一号」「同法第二十七条第一項に規定する特定教育・保育施設」「同法第十九条第二号及び第三号」を直接引用しており、認可の審査基準が子ども・子育て支援法の計画制度(区域の必要利用定員総数)と条文上つながっています。

認可は都道府県知事が行う施設設置の許可で、施設・設備基準への適合、経営者の適格性、区域の需給状況を審査します

「確認」(子ども・子育て支援法第31条・第27条)が定めるもの

  1. 誰が行うか

    市町村長が、教育・保育施設の設置者の申請により、小学校就学前子どもの区分ごとの利用定員を定めて行う処分です(子ども・子育て支援法第31条第1項)。

  2. 何のための処分か

    第27条第1項は、市町村長が施設型給付費の支給に係る施設として確認する教育・保育施設を「特定教育・保育施設」と定めています。確認を受けた施設だけが、施設型給付費の支給対象になります。

  3. 定員を増やすとき

    利用定員を増やすときは、設置者が確認の変更を申請します(同法第32条第1項)。

確認は市町村長が行う処分で、施設型給付費を受け取れる対象(特定教育・保育施設)として利用定員を区分ごとに定めます

両方そろわないと何ができないか

認可と確認の違い
項目認可(児童福祉法第35条)確認(子ども・子育て支援法第31条・第27条)
処分を行う主体都道府県知事市町村長
何を許可・指定するか保育所という施設の設置施設型給付費の支給対象としての利用定員
これが無いとどうなるか保育所という施設を適法に設置・運営できない施設は存在していても施設型給付費を受け取れない

認可を受けて保育所を設置しても、市町村長の確認を受けなければ、その保育所は施設型給付費の支給対象である「特定教育・保育施設」にはなりません。

認可は施設を設置してよいという許可、確認はその施設が施設型給付費を受け取れる対象になるための指定であり、性質の異なる2つの処分が両方そろって初めて、保育所は公費を受けながら運営できます

運営法人が変わるときは、引き継ぎ方がケースで異なる

合併・事業譲渡で運営法人が変わる場合、認可・確認が引き継がれるかどうかはケースによって異なります(社会福祉法人・学校法人どうしの合併か、事業譲渡か等)。詳しくは合併・事業譲渡で、利用定員はそのまま引き継がれるかを確認してください。

引き継ぎの可否はケースごとの個別確認が必要で、一律には決まりません

認可を受け、確認も受けた保育所を前提に、所在地・定員・年齢別在籍数から現行の私立保育所の基本分単価を試算できます。

認可・確認を受けた保育所の基本分単価を試算する

よくある質問

「認可」を受けていれば、「確認」は自動的に受けられますか。

自動的には受けられません。確認は市町村長が別途行う処分で、教育・保育施設の設置者が申請し、利用定員を定めて行われます(子ども・子育て支援法第31条第1項)。認可と確認は、根拠法も処分の主体も異なる別々の申請・処分です。

「確認」の対象になる利用定員は、誰が決めますか。

市町村長が決めます。教育・保育施設の設置者の申請により、小学校就学前子どもの区分ごとの利用定員を市町村長が定めます(子ども・子育て支援法第31条第1項)。利用定員を増やすときは、設置者が確認の変更を申請します(同法第32条第1項)。

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