解説

保育ICT推進加算の「活用」の中身と、自治体が独自システムを使う場合の扱い

保育ICT推進加算で令和8年度に求められる「令和9年度に活用する予定」の中身を、公定価格FAQ(第32版)のNo.347〜349で整理します。給付機能・監査機能のどれを使えばよいか、施設の所在する自治体が保育業務施設管理プラットフォームを使っていない場合や独自システムの場合の扱いを確認できます。

令和8年度の「活用」の要件は、アカウントの発行と令和9年度の活用予定で足りる

公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.347は、保育業務施設管理プラットフォームと保活情報連携基盤の「活用」について、具体的にどのような場合に要件を満たすのかを問うています。

答えの前提は、令和8年度は、アカウントの発行を受けていて、令和9年度から両システムを活用する意思が明記された申請書等を提出した場合に、「活用」の要件を満たすものと取り扱われるというものです。申請書等は、FAQが別添5の申請様式として示しています。

令和9年度の本加算の「活用」要件は、改めてお知らせするとされています。

加算の認定の全体像と、通知が定める国庫補助金・ここdeサーチの条件は、保育ICT推進加算の認定の確認で説明しています。この記事は、その中の「活用」の中身だけを扱います。

No.347が示す、令和9年度に活用する予定の中身

No.347は、活用の具体的な内容を、システムごとに次のとおり示しています。保育業務施設管理プラットフォームは、給付機能と監査機能のどちらか一方を使えばよい点が読み取りの要です。

No.347が示す、令和9年度に活用する予定の中身
システム令和9年度に予定すること具体的な機能
保育業務施設管理プラットフォーム(給付機能)令和9年度中に、少なくとも給付機能か監査機能のいずれかを活用する予定であること各月請求入力機能、各月精算入力機能、審査管理機能
保育業務施設管理プラットフォーム(監査機能)同上(給付機能か監査機能のいずれか)。少なくとも市町村・都道府県のいずれかが活用すること事前提出書類管理機能、改善報告管理機能
保活情報連携基盤令和9年度中に、施設基本情報をすべて登録する予定であること施設基本情報の登録

No.347には、令和9年度中に監査の時期が到来しない施設の扱いも書かれています。次回の監査の時期に活用する旨の意思を示すことが求められています。

監査機能は市町村・都道府県のいずれかが活用すれば足りる形なので、施設だけで決められるかどうかはFAQに書かれていません。どちらの機能を使う予定にするかは、所在地の市町村に確認しておくと安全です。

自治体が独自のシステムを使っている場合(No.348)

No.348は、給付や監査に独自のシステムを使っている自治体では、施設が要件を満たさないことになるのかを問うています。

答えは、No.347のとおり、給付機能の一部または監査機能の一部の活用で要件を満たす扱いです。給付に独自システムを使っていて、保育業務施設管理プラットフォームの利用に課題がある自治体には、まず監査業務でプラットフォームを活用することの検討が促されています。

それでもNo.347の要件を満たすことが難しい場合のために、FAQは自治体側の手続を示しています。自治体が令和8年度中にこども家庭庁へ独自システムの内容や利用状況の情報提供を行い、令和9年度に給付業務か監査業務のどちらかで次の対応をする予定であれば、プラットフォームを活用しているものとして扱われます。

No.348が示す、独自システムの自治体に求められる対応
業務令和9年度に自治体が行う対応
給付機能独自のシステムの活用により、プラットフォームと同等の業務負担削減効果が得られていること。詳細はシステムの実装状況を踏まえて改めて示される予定。広域請求に係る対応として、自治体間の情報(公定価格の加算項目の認定に係る市町村間の情報提供等)をプラットフォーム上に入力し、他自治体への請求も電子的にできるよう対応することが想定されている
監査機能次の2つをどちらも行う。①独自システムで、事前提出書類管理機能と改善報告管理機能に相当する機能を活用する。②令和9年度に、プラットフォームへの情報連携に係る協議を自治体がこども家庭庁と行う

自治体の対応は、施設が決められるものではない

No.348の対応は、自治体がこども家庭庁に情報提供や協議を行う形で書かれています。施設側が手続をするものではありません。独自システムを使っている自治体の施設は、自分の自治体が令和9年度にどの業務で対応する予定なのかを、市町村に確認する必要があります。

申請の前に、所在地の市町村に「令和9年度に給付業務と監査業務のどちらで、どの対応をする予定か」を聞き、回答を日付つきで記録しておく。

自治体がプラットフォーム未使用だと認定されないのか(No.349)

No.349は、施設の所在する自治体が保育業務施設管理プラットフォームや保活情報連携基盤を利用していない場合、施設はこれらのシステムを活用できないので、加算の認定は受けられないのかを問うています。

答えは、お見込みのとおりです。自治体が利用していなければ、施設はシステムを活用できず、加算の認定は受けられません。

ただし、給付や監査に独自のシステムを使っている自治体は、要件を満たす可能性があるとされ、No.348を参照するよう案内されています。自治体が独自システムとCSVによるデータ連携を行ってプラットフォームを活用している場合は、加算の認定を受けることができます。

自治体の状況別に見た、No.347〜349の読み取り
所在地の自治体の状況加算の認定読み取りの根拠
自治体がプラットフォームを利用していて、施設がアカウントの発行を受け、給付機能か監査機能を活用する予定を申請書等に明記して提出した「活用」の要件を満たす扱いNo.347
独自システムで、No.348の対応を自治体が予定している「活用」の要件を満たす扱いNo.348
独自システムとCSVによるデータ連携で、プラットフォームを活用している認定を受けられるNo.349
プラットフォームか保活情報連携基盤のいずれかを自治体が利用しておらず、No.348の対応も予定されていない認定を受けられないNo.349

確認の順序と、この記事が判断しない範囲

自治体の利用状況、活用予定の機能、申請書等の提出の順に確認します。

  1. 自治体の利用状況を聞く

    所在地の市町村が、保育業務施設管理プラットフォームと保活情報連携基盤をそれぞれ利用しているかを確認します。独自システムの場合は、No.348の対応の予定も聞きます。

  2. アカウントの発行を受ける

    令和8年度の要件は、アカウントの発行を受けていることが前提です。

  3. 活用する予定の機能を決める

    給付機能か監査機能のどちらかを選び、保活情報連携基盤では施設基本情報をすべて登録する予定を立てます。

  4. 申請書等を提出する

    令和9年度から両システムを活用する意思を明記した申請書等(別添5の様式)を提出します。提出先や時期は市町村に確認してください。

この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.347〜349の整理です。個別の施設が要件に当たるかどうかや、自治体の対応状況を判定するものではありません。

令和9年度の「活用」要件は改めて示されるため、最新の内容は所在地の市町村とこども家庭庁の公表で確認してください。

よくある質問

令和8年度の要件、機能の選び方、自治体が使っていない場合の3つの質問です。

令和8年度は、実際にシステムを使っていなくても「活用」の要件を満たせますか。

No.347では、アカウントの発行を受けていて、令和9年度から両システムを活用する意思が明記された申請書等を提出した場合に、「活用」の要件を満たすものと取り扱うとされています。申請書等の様式は別添5に示されています。

給付機能と監査機能は、両方とも活用する予定にする必要がありますか。

No.347では、令和9年度中に少なくとも給付機能か監査機能のいずれかを活用する予定であることとされています。どちらか一方で足りる書き方です。監査機能は市町村・都道府県のいずれかが活用することとされているため、市町村への確認が必要です。

自治体が両システムを使っていない場合、加算は取れませんか。

No.349では、自治体が利用していなければ施設は活用できず、認定は受けられないという趣旨の答えです。ただし、給付や監査に独自のシステムを使っている自治体は要件を満たす可能性があります。独自システムとCSVでデータ連携をして、プラットフォームを活用している場合は、認定を受けられるとされています。

次に知りたいこと

責任者の選び方と、1歳児配置改善加算のICT要件が次の確認先です。

ICT活用の責任者を誰にするかは、保育ICT推進加算の責任者で整理しています。

複数のシステムを併用する場合の要件は、1歳児配置改善加算のICT要件で確認できます。

自園の条件で試算する

保育ICT推進加算の認定の有無を選んで、加算額を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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