解説

1歳児配置改善加算のICT要件:登降園と決済は別システムでよいか

1歳児配置改善加算のICT要件で、登降園の管理とキャッシュレス決済を別のシステムで満たせるか、タイムカードや口座振替は対象か、計画・記録や保護者連絡の機能はどこまで必要かを整理します。

登降園と決済が別システムの場合(No.255)

公定価格に関するFAQ(第32版・令和8年7月24日時点版)のNo.255は、登園・降園の管理に関する機能と、キャッシュレス決済に関する機能を、別々のシステムで備えている場合に要件を満たすかを尋ねています。

FAQは、複数の機器を導入し、Aシステムで園児の登園・降園の管理、Bシステムでキャッシュレス決済の機能を備えている場合は、要件を満たすと答えています。1つのシステムにすべての機能をまとめる必要はありません。

要件の骨組みは、登園・降園の管理の機能と、残りの機能(保育に係る計画・記録、保護者との連絡、キャッシュレス決済)のいずれか1つ以上を、機器を導入して業務に活用していることです。要件の全体は『1歳児配置改善加算の要件・加算額の計算・認定の時期』で整理しています。

タイムカードの打刻と銀行の口座振替の扱い(No.256・257)

No.256は、タイムカードに打刻して管理している場合に、登園・降園の管理の機能として認められるかを尋ねています。答えは、タイムカードに打刻するだけでは、この機能の要件に該当しないです。

一方で、ICカードリーダー等で打刻し、登園した時刻等が電子的にシステム上へ記録される機能がある機器なら、要件を満たすとされています。

No.257は、銀行による口座振替がキャッシュレス決済の機能に当たるかを尋ねています。答えは、キャッシュレス決済とは、クレジットカード、交通系電子マネーやQRコード決済など、お札や小銭などの現金を使わずにお金を払うものを想定している、というものです。ICTを活用した口座振替ではなく、銀行が行う口座振替サービスを利用することは、この要件のキャッシュレス決済の機能に該当しないとされ、詳細はNo.262を参照とあります。

導入済みの仕組みと、FAQの扱い(FAQ第32版No.255〜257・262、確認日 2026-10-18)
導入している仕組みFAQの扱いFAQの書きぶり
登降園はAシステム、決済はBシステム要件を満たす複数の機器でそれぞれの機能を有している場合は要件を満たす(No.255)
タイムカードに打刻して管理登降園の管理の機能に該当しない打刻するだけでは登園・降園の管理の機能に該当しない(No.256)
ICカードリーダー等で打刻し、時刻がシステムに電子的に記録される要件を満たす登園した時刻等が電子的にシステム上記録される機能がある機器は要件を満たす(No.256)
ICTを活用した口座振替(口座振替代行、またはICTによる請求情報を基にした全銀データの作成)、クレジットカード決済、QRコード決済決済の機能の対象ICTを活用した口座振替、クレジットカード決済及びQRコード決済のうち、いずれかを活用することが要件(No.262)
保護者が銀行のアプリ等で直接振り込む、銀行引き落とし業務負担軽減にICTの活用が寄与していなければ満たすとみなされないICTの活用が寄与していない場合は、要件を満たすものとはみなさない(No.262)

登降園管理と決済の2機能で取得している施設の経過措置

No.262は、すでに登降園管理とキャッシュレス決済の2機能を満たして加算を取得している施設・事業所が、上記の決済の内容を満たしていない場合は、令和8年度中に限り継続して取得できるとしています。あわせて、可能な限り早期に要件を満たすよう対応を求めています。

決済の機能を口座振替や銀行引き落としで満たしてきた施設は、令和8年度中に限りの扱いのため、翌年度以降の扱いと切り替えの方法を所轄の市町村に確認します。

計画・記録と保護者連絡の機能は、どこまでを機能とみなすか

No.242は、保育に係る計画・記録に関する機能の注意書き(職員間で情報の共有や更新を行うことができる機能を有すること)が、どのような場合に満たされるかを尋ねています。FAQは、同時に複数の端末からアクセスでき、情報の共有・更新を行う端末が限定されていなければ、要件を満たすと答えています。

No.243は、保護者との連絡に関する機能の注意書き(ICTを介さない個別メール・アプリによる連絡を除く)を尋ねています。答えは、ICT連絡ツールを導入し、そこから保護者と双方向のやり取りができるものを対象と想定している、というものです。

園のホームページやメール、SNSを介した職員個人からの連絡は対象外

FAQは、園のホームページやメール、SNSを介して、職員個人が保護者に一斉または該当する保護者に連絡を行うことは対象外とし、施設・事業所の職員全体で保護者と連絡をとるツールを想定しています。

導入しているツールが双方向のやり取りを施設全体で行えるかを確かめます。連絡専用のツールを別に入れる必要は必ずしもなく、保護者連絡の機能と他の機能をあわせて持つICTツールでも要件を満たすとされています。

ICTの要件を年度の途中で満たした場合の認定月(No.244)

No.244は、ICTの導入要件のみを満たしていなかった施設が、年度の途中で要件を満たした場合に、満たした月の翌月から加算を認定してよいかを尋ねています。答えは、お見込みのとおりです。

認定は、要件を満たした月の翌月からです。月の途中で要件を満たしたときの一般的な単価の切り替え方は『加算の要件を月の途中で満たしたとき、いつから単価が変わるか(公定価格FAQ No.70)』にまとめています。この加算にほかの要件の未達がないかは、別に確かめます。

導入済みの仕組みを確かめる順序

先に登園・降園の管理を確かめ、次に他の3機能のうち1つ以上を確かめます。次の順に、機能ごとに現物の仕様を見ます。

  1. 登園・降園の記録が電子的に残るか確かめる

    ICカードリーダー等で打刻した時刻がシステムに記録されるかを見ます。タイムカードへの打刻だけでは該当しません。

  2. 他の3機能のうち、使っているものを選ぶ

    保育に係る計画・記録、保護者との連絡、キャッシュレス決済のうち、実際に業務で使っているものを1つ以上選びます。

  3. 選んだ機能が、FAQの答えに合うか確かめる

    計画・記録は複数端末から同時にアクセスできるか、保護者連絡は双方向のやり取りができるか、決済はICTを活用した口座振替、クレジットカード決済、QRコード決済のいずれかに当たるかを見ます。

  4. どの機能をどのシステムが担うかを整理する

    Aシステムで登降園、Bシステムで決済といった組み合わせでも要件を満たすとされています。機能とシステムの対応を書き出します。

  5. 判断に迷う仕組みは、認定する市町村に確認する

    認定は市町村が行います。FAQにない仕組みは、事前に所轄の市町村に確認します。

次に知りたいこと:要件の全体と、保育ICT推進加算

ICTの機能は、1歳児配置改善加算の3つの要件のうちの1つです。処遇改善等加算や平均経験年数の要件、加算額の計算は別の記事で整理しています。

加算の要件・加算額・認定の時期は『1歳児配置改善加算の要件・加算額の計算・認定の時期』、別の加算である保育ICT推進加算の対象確認は『保育ICT推進加算の対象確認(市町村の認定・3月分・分園の扱い)』が参考になります。

よくある質問

登降園の管理と決済を、別々のシステムで満たしてもよいですか。

FAQのNo.255は、Aシステムで園児の登園・降園の管理、Bシステムでキャッシュレス決済に関する機能を有している場合は、要件を満たすと答えています。

タイムカードに打刻して登園を管理していれば、要件を満たしますか。

FAQのNo.256は、タイムカードに打刻するだけでは該当しないと答えています。ICカードリーダー等で打刻し、登園した時刻等が電子的にシステム上に記録される機能がある機器なら、要件を満たすとされています。

口座振替による保育料の徴収は、キャッシュレス決済の機能に当たりますか。

FAQのNo.257は、ICTを活用した口座振替ではなく、銀行が行う口座振替サービスを利用することは、この要件のキャッシュレス決済に関する機能には該当しないと答えています。No.262は、ICTを活用した口座振替(口座振替代行、またはICTによる請求情報を基にした全銀データの作成)、クレジットカード決済、QRコード決済のいずれかを活用することが要件で、保護者が銀行のアプリ等で直接振り込む場合や銀行引き落としの場合など、ICTの活用が業務負担軽減に寄与していなければ満たすとみなさないとしています。

保護者への連絡は、園のメールやSNSでも機能の要件になりますか。

FAQのNo.243は、園のホームページやメール、SNSを介して職員個人が保護者に連絡することは対象外とし、施設・事業所の職員全体で、保護者と双方向のやり取りができるICT連絡ツールを想定していると答えています。

自園のICTの仕組みが要件に当たるかを、この記事で判定できますか。

できません。この記事は公定価格FAQの整理です。個別の要件への適合や認定は、所轄の市町村が判断します。

公定価格を試算する

試算画面の「1歳児配置改善加算」の欄で、市町村に確認した認定の状況を選びます。試算結果は入力に基づくモデル計算で、実際の算定は市町村の確認で決まります。

1歳児配置改善加算の欄で試算に反映する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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