解説

保育ICT推進加算の「ICT活用の責任者」は誰がなれるか(辞令・兼務・チーム)

保育ICT推進加算で求められる「ICT活用の責任者」について、公定価格FAQ(第32版)のNo.333〜335・374・375をもとに整理します。責任者の業務の想定、辞令や役職・勤続年数・資格の条件、園長や保育士定数に含まれる保育士が務められること、業務の分担、チームの構成を説明します。

責任者の業務の想定(ICTの定着と職員の相談対応、チームで取り組む前提)

公定価格FAQ(第32版)のNo.333は、ICT活用の責任者がどのような業務を行うのかを問うています。

答えは、ICTの導入・活用について施設内で中心となって取り組み、システムの初歩的な使用方法などについて他の職員の相談に対応することで、ICTの活用を根付かせながら、業務負担の軽減に資する取組を行うことが想定されている、というものです。

同じ答えは、こうした取組が組織全体の体制整備やコミュニケーションの充実で実現されるものであるため、責任者一人だけではなく複数人でチームを組んで取り組むことを前提にしている、と述べています。

具体的な取組例は、保育ICTラボ事業の事例集(FAQの時点では作成中)を参照するよう案内されています。

加算の認定の見方と、4つの機能・国や自治体の基盤の利用状況は、保育ICT推進加算の認定の確認で説明しています。この記事は、責任者の人選と分担だけを扱います。

責任者の条件(辞令・役職・勤続年数・資格・研修)

No.334は、責任者を辞令等で任命する必要があるか、役職や勤続年数等の条件があるかを問うています。

答えは、必ずしも辞令等で任命されている必要はありません。責任者の任命にあたって役職や勤続年数の条件はない、とされています。

No.334が示す責任者の条件
確認したいことFAQの答え
辞令等による任命必ずしも必要ない
役職・勤続年数の条件ない
最低基準上の保育士定数に含まれる保育士が務めること差し支えない(通常業務の効率化や質の向上を目的として活動するため)
責任者の選び方の例職員の中からICTの活用による業務改善に意欲のある者を指名する例と、施設長自らが責任者となる例が挙げられている
ICTに関する資格や研修の受講必ずしも求めるものではない

No.374では、園長や主任保育士等の他の役職の人が、その業務の一つとして責任者を務めることも差し支えない、とされています。

業務を分担する場合と、申請時の責任者1名の記載予定

No.335は、ICT活用に関する業務の一部だけを担っている職員を責任者としてよいかを問うています。

答えは、複数人で分担して推進する場合も、要件を満たしているものと考えて差し支えないというものです。複数人で分担してICTの活用を推進する例として、責任者が保育ICTの導入・活用のとりまとめを担当し、保育業務施設管理プラットフォームや保活情報連携基盤の活用については別の担当者を置いている場合が挙げられています。

責任者の氏名と業務内容は、申請時に書く予定とされている

No.335は、加算の認定の申請時に、責任者1名の氏名とその業務内容の記載を求める予定があると述べています。FAQには、詳細は令和8年6月までを目途に示す予定とあります。実際の様式や書き方は、所在地の市町村に確認してください。

責任者として申請に書く人の業務内容を、とりまとめの範囲まで含めて整理しておく。分担先の担当者がいる場合は、その役割も社内で記録しておく。

チームの職種・人数の決まり

No.375は、チームを組んで取り組むとされているが、職種や人数の具体的な要件があるかを問うています。

答えは、具体的なチーム構成に関する職種や人数等の要件はありません。ただし、責任者が行う業務は組織全体の体制整備やコミュニケーションの充実で実現されるものなので、施設全体でICTの導入・活用に取り組むよう求めています。

名前だけの責任者にならないように

No.333は、責任者の業務を、職員の相談への対応やICTの活用の定着と想定しています。この想定に照らすと、名前を書いただけで実際の相談対応が無い状態では、責任者を置く趣旨に合わない可能性があります。これは記事の読み取りで、FAQに名前だけの責任者を論じた記述はありません。

必須ではありませんが、職員がICTの使い方で迷ったときに誰に聞くかを周知しておく。相談を受けた内容を簡単に記録しておくと、あとで説明しやすくなります。

確認の順序と、この記事が判断しない範囲

責任者の人選、業務内容の整理、分担、チームの周知の順に確認します。

  1. 責任者を決める

    辞令や役職の有無にこだわらず、ICTの活用に意欲があり、相談に対応できる人を選びます。園長や主任が兼ねる形も選べます。

  2. 責任者の業務内容を文章にする

    導入・活用のとりまとめ、職員の相談対応など、申請に書く内容を整理します。

  3. 分担する業務があれば、担当者を決める

    基盤の活用など一部の業務を別の担当者に任せる場合は、その役割を記録します。

  4. チームと相談先を職員に周知する

    職種や人数に決まりはありませんが、施設全体で取り組みます。

この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.333〜335・374・375にある内容の整理です。個別の施設の責任者が要件に当たるかどうかを判定するものではありません。

申請に必要な書類や様式は、所在地の市町村に確認してください。

よくある質問

FAQにある、辞令、兼務、分担の3つの質問です。

ICT活用の責任者は、辞令で任命する必要がありますか。

No.334では、必ずしも辞令等で任命されている必要はなく、役職や勤続年数の条件もないとされています。

園長や保育士定数に含まれる保育士が、責任者を務めてもよいですか。

No.334では、最低基準上の保育士定数に含まれる保育士でも差し支えなく、施設長自らが責任者となることも想定されるとされています。No.374では、園長や主任保育士等の他の役職の人が業務の一環として行うことも差し支えないとされています。

ICTの業務を複数人で分担している場合も、責任者を置けますか。

No.335では、複数人で分担して推進する場合も要件を満たしているものと考えて差し支えないとされています。FAQには、責任者がとりまとめを担当し、基盤の活用は別の担当者という分担の例が挙がっています。申請時には責任者1名の氏名と業務内容の記載を求める予定とされています。

自園の条件で試算する

保育ICT推進加算の認定の有無を選んで、加算額を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

次に知りたいこと:保育ICT推進加算は4つの機能を導入しても使っていなければ対象外か(公定価格FAQ No.376)、保育ICT推進加算の対象確認(市町村の認定・3月分・分園の扱い)、保育ICT推進加算の「活用」の中身と、自治体が独自システムを使う場合の扱い。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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