解説

保育士比率向上加算は今も残るか(小規模保育B型・民間施設給与等改善費)

旧加算名の保育士比率向上加算が現行の留意事項通知に残るのは、小規模保育事業B型と、B型の基準が適用される事業所内保育事業だけです。要件(保育士3/4以上の算式)、認定、加算額と、保育所に無いこと、民間施設給与等改善費の語が通知・FAQに無いことを整理します。

旧加算名で調べたとき、現行で確かめられること

施設の事務では、昔の資料に出てくる加算名で調べ直すことがあります。留意事項通知(令和8年度・最終改正 令和8年4月8日)の本文を「保育士比率」の語で引くと、4か所が見つかります。いずれも小規模保育事業B型、またはB型の基準が適用される事業所内保育事業の「保育士比率向上加算」です。

「保育士比率向上加算」が通知に出てくる場所(留意事項通知、確認日 2026-10-18)
施設・事業通知の場所加算の番号対象
小規模保育事業A型・B型(保育認定3号)別紙6 Ⅲ基本加算部分 2⑧小規模保育事業B型
事業所内保育事業(保育認定3号)別紙9 Ⅲ基本加算部分 2⑨小規模保育事業B型の基準が適用される事業所
保育所(別紙2)該当する節なしなし語が出てこない

保育所の別紙2に節が無いことは、通知本文を語で引いて確認した結果です。保育所の保育士の配置は、基本分単価に含まれる職員構成(必要保育士数)と、配置改善の加算で扱われます。

要件は、配置基準上の保育従事者のうち保育士が3/4以上

小規模保育事業B型の基本分単価は、年齢別配置基準(1、2歳児6人につき1人、乳児3人につき1人、これに加えて1人)の保育従事者のうち、1/2以上が保育士であることを前提にしています。保育士比率向上加算は、これより高い水準を満たす事業所に加算するものです。

通知は、年齢別配置基準について保育士資格を有する者の占める割合が3/4以上となる事業所に加算するとしています。計算は次の算式です。

保育士の割合の確かめ方(留意事項通知 別紙6・別紙9)
段階算式端数
基本分単価で必要な保育士数(B型)配置基準上保育従事者数 × 1/2 = 配置基準上保育士数小数点以下四捨五入
保育士比率向上加算で必要な保育士数配置基準上保育従事者数 × 3/4 = 必要保育士数配置基準上保育従事者数も必要保育士数も小数点以下四捨五入

配置基準上保育従事者数は、1、2歳児数×1/6と乳児数×1/3(それぞれ小数点第2位以下切り捨て)を足して1を加えた数を四捨五入したものです。年齢は年度の初日の前日における満年齢で数えます。

認定は市町村長。要件を外れたら翌月から加算が無くなる

認定と加算額(留意事項通知 別紙6・別紙9、確認日 2026-10-18)
項目通知の書きぶり
認定する者事業所が所在する市町村長
申請に添えるもの事業所名、加算の適用年月、利用子ども数(見込み)、保育従事者の配置状況が記載された職員体制図等
要件を外れたとき外れた日の属する月の翌月(月初日に外れたときはその月)から加算の適用が無くなる
加算額地域区分等に応じた単価に、この加算に係る処遇改善等加算(区分1・区分2)の単価へ、認定された(加算率(a)+加算率(b))×100を乗じて得た額を加えた額

退職や配置換えで保育士の割合が変わる月は、職員体制図で3/4を満たすかを見直します。具体的な単価は、地域区分等ごとに告示の別表で定められています。個別の事業所が要件を満たすかどうかの判断は、市町村が行います。

民間施設給与等改善費は、現行の通知とFAQに語が出てこない

民間施設給与等改善費(民改費)について、令和8年度の留意事項通知の本文(約24.7万字)と、公定価格に関するFAQ第32版の本文(約14.9万字)を「民間施設給与」「民改」の語で引いても、該当する記述はありません。

現行の公定価格で職員の処遇に関わる加算は、処遇改善等加算の区分1〜3です。旧名称の加算が現行のどの加算に引き継がれたかは、この記事の一次資料からは確かめられていないため、書きません。処遇改善等加算の仕組みは、下の記事で整理しています。

過去の資料の加算名を、現行のどの加算に当たるかを自分で対応づけて処理するのは避け、所轄の市町村に確認してください。

旧加算名で調べたときの確かめ順序

この順序は本記事の整理で、通知が定めたものではありません。

  1. 施設・事業の種別を確かめる

    保育所なら保育士比率向上加算は無く、小規模保育事業B型とB型の基準が適用される事業所内保育事業だけが対象です。

  2. 保育従事者数と保育士数を数える

    配置基準上保育従事者数に3/4を乗じ、四捨五入した必要保育士数と、実際の保育士資格者の数を比べます。

  3. 認定の申請書類を用意する

    職員体制図と利用子ども数の見込みを、所在地の市町村長に出して認定を受けます。

  4. 民間施設給与等改善費など旧名称は市町村に確かめる

    現行の通知・FAQに語が無い旧名称は、現行のどの加算の話かを所轄の市町村に確かめます。

次に知りたいこと:加算の一覧と処遇改善等加算

この記事は、保育士比率向上加算の現行の置き場所だけを整理しています。加算全体の位置づけと、処遇改善等加算の加算率の決まり方は別の記事にあります。

加算全体は『保育所の公定価格の加算一覧:確認する先で分類』、処遇改善等加算は『処遇改善等加算の加算率はどこで決まるか』、小規模保育の職員配置は『小規模保育A型・B型・C型の職員配置を保育所と比べる(保育士の割合)』を参照してください。

よくある質問

認可保育所でも保育士比率向上加算を受けられますか。

留意事項通知の保育所の別紙2に、この加算の節はありません。通知で見つかるのは、小規模保育事業B型と、B型の基準が適用される事業所内保育事業です。

保育士の割合が3/4ちょうどでも加算されますか。

通知は「3/4以上」としています。算式は配置基準上保育従事者数(四捨五入)×3/4=必要保育士数(四捨五入)で、この数を満たしているかを職員体制図で確かめます。

小規模保育事業A型にも同じ加算がありますか。

通知の別紙6で、この加算は「小規模保育事業B型」の加算として置かれています。A型は、基本分単価の年齢別配置基準の保育従事者がすべて保育士とされています。

民間施設給与等改善費は今も算定できますか。

令和8年度の留意事項通知とFAQ第32版には、その名称の記述が見つかりません。算定できるかどうかを、この記事で判断することはできません。所轄の市町村に確認してください。

自園が要件を満たすかを、この記事で判定できますか。

できません。この記事は通知の整理です。認定は事業所が所在する市町村長が行います。

公定価格を試算する

所在地、利用定員、年齢別の園児数を入力します。加算の対象かどうかの判定は、試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「加算を試算に入れる前に、認定や要件を確認したいとき」の解説一覧へ