解説

連携施設を設定しない場合の公定価格の減算(経過措置期間中の扱い)

家庭的保育事業等で連携施設を設定していないと公定価格が減算される理由、経過措置期間中でも減算の対象になること、連携施設とみなせる条件を、公定価格FAQ第32版と設備運営基準の条文で整理します。

この記事で確認すること

連携施設の設定は、家庭的保育事業等(家庭的保育事業・小規模保育事業・事業所内保育事業。居宅訪問型保育事業を除く)の設備運営基準が求めるもので、公定価格にも関わります。

この記事は、公定価格FAQ(第32版)の問53と問117の回答をもとに、連携施設を設定していないときの減算の対象、経過措置期間中の扱い、連携施設と認められる範囲を整理します。

減算の額は年度ごとの告示で確認してください。この記事は額を示しません。認可保育所の試算ツールの対象は保育所であり、家庭的保育事業等の減算は試算に含まれません。

事業所内保育事業で3歳以降も同じ事業所を使うときの給付は、事業所内保育事業を3歳以降も利用するときの給付で整理しています。

連携施設を設定しないと、公定価格が減算される

問53は、この調整が適用される場合を問い、回答は「家庭的保育事業等設備運営基準第6条に定める連携施設を設定しない事業所に適用します」です。

問117の回答は理由を示しています。家庭的保育事業等は連携施設を設けることが要件で、公定価格の基本分単価に「連携施設との連携に係る費用」が積算されているため、連携施設が設定されていなければ減算の対象になります。

基本分単価の中に連携の費用が含まれているので、連携施設がないときはその分が調整されます。

FAQの回答から読み取れる適用の範囲(問53・問117)
論点回答の内容
適用される事業所設備運営基準第6条に定める連携施設を設定しない事業所
支援を受ける頻度定めはない。地域型保育事業所(居宅訪問型保育事業を除く)の状況や支援の内容を踏まえて判断する
減算の理由基本分単価に「連携施設との連携に係る費用」が積算されている

経過措置期間中でも、連携施設がなければ減算の対象になる

設備運営基準の附則第3条は、連携施設の確保が著しく困難で、子ども・子育て支援法第59条第4号の事業による支援などを行えると市町村が認める場合に、省令の施行の日から15年を経過する日までは連携施設を確保しないことができる、という経過措置を定めています。満3歳以上限定小規模保育事業者と特例保育所型事業所内保育事業者は、この経過措置の対象から除かれています。問117の質問は、施行の日を平成27年4月1日として、この間も公定価格が減算されるのかを問うものです。

回答は「たとえ経過措置期間中であっても、連携施設の設定がなされていない場合には、減算の対象となります」です。

基準の上で連携施設を置かなくてよい期間でも、公定価格の減算は別に判断されます。

「基準上は不要」を「減算されない」と読み替えない

経過措置は、市町村が認めた場合に連携施設を確保しなくてよいとする基準上の扱いです。問117の回答は、その期間中も連携施設が設定されていなければ公定価格は減算されるとしています。

経過措置を市町村から認められている場合でも、公定価格の減算の有無は、所管の市町村に連携施設の設定状況を示して確認します。

連携施設として認められる範囲

問117の回答は、連携施設を「第6条第1項各号に掲げる全ての連携協力が確保されたもの」とすると述べています。条文(家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準第6条第1項)の各号は次のとおりです。

連携施設に求められる連携協力(設備運営基準第6条第1項)
号連携協力の内容
第1号利用乳幼児に集団保育を体験させる機会の設定と、保育の内容に関する相談・助言などの支援
第2号必要に応じた代替保育の提供(職員の病気や休暇などで保育を提供できない場合)
第3号保育の提供の終了時に、保護者の希望に基づき、引き続き連携施設で教育または保育を提供すること

満3歳以上限定小規模保育事業者は、条文上、第1号と第2号が対象です。第6条第2項以降には、市町村長が確保の著しい困難を認めた場合に、一部の号を適用しないとする規定もあります。

この条文上の特例が、公定価格の減算を外す根拠になるとは、FAQの回答には書かれていません。

どの号の連携協力が確保できていれば減算の対象から外れるかは、年度ごとの通知と所管の市町村で確認します。

確認の手順

確認は次の4つの順で進めます。

経過措置の有無とは別に、減算の有無を所管の市町村へ確認します。

  1. 事業の類型を確認する

    対象は居宅訪問型保育事業を除く家庭的保育事業等です。保育所は、この調整の対象として整理されていません。

  2. 連携施設の設定状況を確認する

    連携施設の名称と、連携協力の取り決めを、書面で示せるようにします。

  3. 連携協力の範囲を確認する

    第6条第1項各号の連携協力が全て確保されているかを、取り決めの内容と照らして確認します。

  4. 経過措置と減算を分けて確認する

    市町村が経過措置を認めているかと、公定価格の減算の有無は別の確認事項として、所管の市町村に聞きます。

基本分単価の中身は基本分単価に含まれる職員と費用の区分、公定価格全体の決まり方は公定価格の決まり方、認可と確認の関係は保育所の認可と確認の違いで整理しています。

自園の条件で試算する

認可保育所の所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(施設型給付費・委託費)を試算します。

家庭的保育事業等の連携施設に関する減算は試算に含まれないため、減算の扱いは所管の市町村へ確認してください。

公定価格の試算を開く

よくある質問

FAQ問53・問117の回答を、質問の形で整理します。

経過措置期間中でも、連携施設の設定がなければ減算の対象です。

経過措置期間中は、連携施設がなくても減算されませんか。

FAQ問117の回答では、経過措置期間中であっても、連携施設の設定がなされていない場合は減算の対象になります。

連携施設からの支援は、どのくらいの頻度で受ければよいですか。

FAQ問53の回答では、支援を受ける頻度の定めはなく、事業所の置かれている状況や支援の内容を踏まえて判断するとされています。

連携施設は、どの連携協力を満たす必要がありますか。

FAQ問117の回答では、設備運営基準第6条第1項各号に掲げる全ての連携協力が確保されたものとされています。

次に知りたいこと:減算4項目は、いつから・どう計算されるか、利用定員を恒常的に超えて受け入れると、公定価格はどう減るか、保育所の公定価格の項目番号(①〜㉞)の見方:告示別表第2と通知の対応

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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