解説

保育所の差別的取扱いの禁止(国籍・信条・社会的身分・費用負担の有無)

保育所は、子どもの国籍、信条、社会的身分、費用を負担するか否かによって、差別的取扱いをしてはなりません。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第9条と、特定教育・保育施設の運営基準の第24条を対比し、禁止される4つの理由、条例での位置づけ、保育料の滞納の扱いとの関係を整理します。

差別的取扱いの禁止は、2つの省令に同じ4つの理由で書かれている

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第9条と、特定教育・保育施設の運営基準の第24条は、子どもの国籍、信条、社会的身分、費用を負担するか否かによって、差別的取扱いをしてはならないと定めています。

2つの条文は、対象となる子どもの呼び方と、費用の呼び方だけが違います。

2つの省令の対応する条文(確認日 2026-10-13)
比べる点児童福祉施設の基準 第9条運営基準 第24条
対象入所している者教育・保育給付認定子ども
禁止される理由国籍、信条、社会的身分、入所に要する費用を負担するか否か国籍、信条、社会的身分、特定教育・保育の提供に要する費用を負担するか否か
求めていること差別的取扱いをしてはならない差別的取扱いをしてはならない

運営基準の第1条第2号は、市町村が条例を定めるときに従うべき基準の条に第24条を挙げています。児童福祉施設の基準の第1条第3号も、都道府県が条例を定めるときに従うべき基準の列挙に第9条を挙げています。

禁止される理由は4つで、「費用を負担するか否か」が保育料の話とつながる

条文が理由として挙げるのは、国籍、信条、社会的身分、費用を負担するか否かの4つです。

4つ目の費用は、児童福祉施設の基準では入所に要する費用、運営基準では特定教育・保育の提供に要する費用と書かれています。

費用を負担するかどうかを理由に、子どもを違う扱いにしてはならない、という読み方になります。

具体的な対応が差別的取扱いに当たるかは、記事では判断できない

条文は禁止される理由を挙げるだけで、個々の場面の線引きは書いていません。

園の対応が問題になる場合は、所轄の市町村や園の規程にもとづいて確かめます。この記事は個別の判定をしません。

保育料の滞納の扱いは、別の記事で整理している

私立保育所の保育料の徴収と滞納の扱いは、子ども・子育て支援法附則第6条が定めており、この記事の2つの条文とは別の話です。

私立保育所の保育料は、市町村が徴収します。滞納の扱いと委託費の関係は、保育料の滞納・未納と私立保育所の委託費で整理しています。

差別的取扱いの禁止は、園が子どもを扱うときの原則です。費用の徴収の話とは、条文を分けて読みます。

確認の順序

規程、園内の周知、対応の記録の順に確かめます。

  1. 条例と園の規程に、差別的取扱いの禁止が入っているか確かめる

    運営基準の第24条と、児童福祉施設の基準の第9条に当たる定めが、所轄の自治体の条例や園の規程にどう書かれているかを見ます。

  2. 職員が、禁止される4つの理由を知る機会があるか確かめる

    研修や園内の資料で共有しているかを見ます。

  3. 保護者から指摘があったときの窓口と記録を確かめる

    苦情の窓口と記録の保存は保育所の苦情対応で整理しています。

園での禁止行為の全体は職員がしてはならない行為と秘密保持で、指導監査で見られる項目は指導監査の確認表で整理しています。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は省令の条文の説明で、個別の事案が差別的取扱いに当たるかどうかや、個々の園の対応が基準を満たしているかの判定は行いません。

条例の内容と運用は、所轄の市町村に確認してください。

試算ツールも、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

よくある質問

保育所が差別的取扱いを禁じられる理由は、何ですか。

国籍、信条、社会的身分、費用を負担するか否かの4つです。児童福祉施設の基準の第9条と、運営基準の第24条に、同じ趣旨で書かれています。

第9条と第24条は、何が違いますか。

禁止される理由は同じです。対象が、第9条では入所している者、第24条では教育・保育給付認定子どもで、費用の呼び方も入所に要する費用と特定教育・保育の提供に要する費用に分かれています。

保育料を払っていない家庭の子どもを、別に扱ってよいですか。

条文は、費用を負担するか否かによる差別的取扱いを禁じています。個別の場面が当たるかは、記事では判断できないため、所轄の市町村に確認してください。

この条文は、条例でどう扱われますか。

第24条と第9条は、国の省令が、条例を定めるときに従うべき基準として挙げています。実際の条文は、所轄の自治体の条例で確認してください。

この試算ツールで、差別的取扱いの禁止を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

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  • 保育所の保護者からの苦情への対応(窓口・記録の5年保存・市町村への報告)

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