解説

保育所の消防用設備の設置基準(消火器・自動火災報知設備・誘導灯・スプリンクラー)

保育所は消防法施行令の別表第一(六)項ハ(3)に当たります。消火器具は延べ面積150㎡以上、自動火災報知設備は延べ面積300㎡以上、誘導灯は建物全体が対象になるなど、設備ごとの設置の条件を条文の番号つきで整理します。

保育所は別表第一(六)項ハ(3)。設備ごとに延べ面積や階数の条件が違う

保育所に設ける消防用の設備は、消防法施行令が、設備の種類ごとに延べ面積・階数・地階や無窓階かどうかで設置の条件を定めています。

別表第一(六)項ハ(3)には、助産施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童養護施設などが並んでいます。保育所はこの項に入るため、以下の各条で(六)項ハが挙がっているかどうかを見れば、設置の条件が分かります。

ここでの整理は条文の案内で、自園への設置義務の判定ではありません

条文には総務省令による例外や読み替えがあり、複合用途の建物や増改築のある園は別の判断が入ります。個別の設置の要否と技術上の基準は、所轄の消防本部・消防署に確認してください。

防火管理者の選任や消防計画、訓練は『保育所の防火管理者の選任と消防計画・訓練』で整理しています。この記事は、その手前にある設備の側の条文です。

消火器具は延べ面積150㎡以上。地階・無窓階・3階以上は50㎡以上

消火器具(消火器・簡易消火用具)は、保育所では延べ面積が150㎡以上のとき設置する対象になります。

施行令第10条第1項第2号は、(六)項ハを延べ面積150㎡以上の防火対象物として挙げています。同項第5号は、これに当たらない建物でも、地階・無窓階・3階以上の階で床面積が50㎡以上のものを対象にしています。小さな園でも、階によっては対象に入ります。

設置の場所は、第10条第2項第2号が「通行又は避難に支障がなく、かつ、使用に際して容易に持ち出すことができる箇所」と定めています。条文は置き場所について「容易に持ち出せる箇所」としか定めていないため、具体的な置き場所は消防署に相談します。

自動火災報知設備は、宿泊させない保育所で延べ面積300㎡以上

宿泊を伴わない保育所の自動火災報知設備は、延べ面積300㎡以上で設置する対象になります。

施行令第21条第1項は、(六)項ハのうち利用者を入居させ又は宿泊させるものを第1号ロで、面積を問わず対象としています。入居・宿泊させないものは第3号ロで、延べ面積300㎡以上です。夜間保育のように夜間も預かる園が、どちらに当たるかは建物の使い方の判断が入るため、消防署に確認します。

300㎡未満でも設備が不要と決めつけない

第21条第1項第7号は、避難階以外の階に(六)項の用途の部分がある建物について、直通階段の数などの条件で別に対象を定めています。2階以上に保育室を置く園は、300㎡未満でもこの号に当たるかを確かめる必要があります。

階数と階段の数を図面で確かめ、消防署で対象かどうかを確認します。

誘導灯は建物全体が対象。避難口誘導灯・通路誘導灯・誘導標識の3種類

保育所の誘導灯は、面積の下限がなく、建物全体が対象です。

施行令第26条第1項第1号と第2号は、避難口誘導灯と通路誘導灯の対象として(六)項を挙げています。誘導標識は同項第4号で(一)項から(十六)項までが対象です。

第1項のただし書きは、避難が容易であると認められるもので総務省令が定めるものを、設置の対象から除いています。第2項第4号は、設置する誘導灯に非常電源を付けることを定めています。

スプリンクラー設備は、大きな建物か、地階・無窓階・4階以上の広い階が対象

保育所のスプリンクラー設備は、施行令第12条第1項の第3号・第4号・第11号・第12号に当たる大きな建物や階が対象です。

第1項第1号は(六)項イとロを挙げていますが、ハは入っていません。(六)項ハ(保育所)は、第3号の「地階を除く階数が11以上のもの」と、第4号の「平屋建以外の防火対象物で、総務省令で定める部分以外の部分の床面積の合計が6,000㎡以上のもの」で対象になります。

階ごとの条件もあります。第11号イは、(六)項の階で、地階・無窓階は床面積1,000㎡以上、4階以上10階以下は1,500㎡以上のものを対象にしています。

第12号は11階以上の階です。第4号は(六)項イ(1)から(3)までが3,000㎡以上と別の数字で、保育所は6,000㎡の側です。

屋内消火栓設備は、第11条第1項第2号で(二)項から(十)項までが延べ面積700㎡以上とされており、(六)項ハもこの範囲に入ります。同項第6号には地階・無窓階・4階以上の階の条件もあります。同条第2項は、耐火構造などの建物では面積の数値を2倍または3倍として適用する定めのため、自園の構造での数字は消防署に確認します。

設備ごとの条件の早見表(保育所=別表第一(六)項ハ)

設備ごとに、保育所が対象になる条件の数字が違います。下の表で、自園の延べ面積と階数を当てはめて確認します。

保育所に当たる設備の設置条件(消防法施行令、e-Gov取得・確認日 2026-10-21)
設備根拠保育所の主な条件
消火器具第10条第1項第2号・第5号延べ面積150㎡以上。地階・無窓階・3階以上は床面積50㎡以上
屋内消火栓設備第11条第1項第2号延べ面積700㎡以上(同条第2項に面積を2倍・3倍とする定め)
自動火災報知設備第21条第1項第1号ロ・第3号ロ宿泊させるものは面積を問わず。宿泊させないものは延べ面積300㎡以上
スプリンクラー設備第12条第1項第3号・第4号・第11号・第12号階数11以上、平屋建以外で床面積の合計6,000㎡以上、地階・無窓階で1,000㎡以上の階、4〜10階で1,500㎡以上の階など
避難口誘導灯・通路誘導灯第26条第1項第1号・第2号建物全体が対象(総務省令の例外あり)
誘導標識第26条第1項第4号(一)項から(十六)項までが対象

表は施行令の本則の条件を並べたもので、技術上の基準(設置の数・位置・性能)は施行規則と告示にあります。数字は法令の改正で変わるため、設置や更新の前に所轄の消防署で現行の扱いを確かめてください。

よくある質問

保育所の消火器は何平方メートルから必要ですか。

施行令第10条第1項第2号により、(六)項ハの保育所は延べ面積150㎡以上で対象です。同項第5号で、地階・無窓階・3階以上の階は床面積50㎡以上も対象になります。個別の判断は消防署に確認します。

小さな保育園でも自動火災報知設備は必要ですか。

宿泊させない保育所は延べ面積300㎡以上が基本の条件です。ただし、避難階以外の階に保育室がある場合は第21条第1項第7号など別の号に当たることがあります。延べ面積だけで判断せず、消防署で確認します。

保育所にスプリンクラーは必要ですか。

施行令第12条では、保育所は階数が11以上、平屋建以外で床面積の合計が6,000㎡以上の建物、地階・無窓階で1,000㎡以上の階などが対象です。面積や階の条件は複数あるため、個別の建物は消防署に確認します。

設備の費用は公定価格の試算に入りますか。

試算結果には含まれません。設備の設置や更新の費用は、施設整備の補助など別の仕組みで確認します。

次に知りたいこと:防火管理者、非常災害対策、公定価格の試算

防火管理者と消防計画は『保育所の防火管理者の選任と消防計画・訓練』、毎月の避難訓練は『保育所の非常災害対策と毎月1回の避難・消火訓練』、2階以上に保育室を置く場合は『保育所の2階・3階以上の建築要件』で整理しています。

確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。消防用設備の設置・更新の費用は、試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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ほかの解説

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