解説

満三歳以上限定小規模保育事業の創設(令和8年4月1日施行)と市町村の条例・計画の経過措置

児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)により、満三歳以上の子どもに限定した満三歳以上限定小規模保育事業が令和8年4月1日に創設されました。令和7年9月29日の事務連絡の原文に沿って、創設の根拠、施行日前の認可・確認の申請、市町村の条例で定める基準の経過措置、市町村の事業計画の変更と代用計画を整理します。

創設は令和8年4月1日から(児童福祉法第6条の3第10項第3号)

令和7年9月29日の事務連絡(こども家庭庁成育局保育政策課)は、満三歳以上限定小規模保育事業を、改正後の児童福祉法第6条の3第10項第3号に掲げる事業と書いています。

この事業に係る部分は、改正法附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日である令和8年4月1日から施行されると書かれています。

事務連絡は、創設に向けて都道府県と市町村が留意する事項を示したもので、地方自治法第245条の4第1項に基づく技術的助言とされています。

事務連絡の宛先は、都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市の保育主管部局です。事業者向けの認可基準の中身は、本文には書かれていません。事業を始めたい場合は、所在地の市町村に確認してください。

認可・確認の申請は、施行日前でもできる(改正法附則第3条・第6条)

事務連絡に付いた参照条文によると、改正法の附則に準備行為の規定があります。

認可を受けようとする者は、施行日前でも認可の申請ができ、市町村長は施行日前でも認可をすることができます(附則第3条第1項・第2項)。

その認可は、施行日以後は、改正後の児童福祉法の認可とみなされます(同条第3項)。

子ども・子育て支援法の確認についても、同じ趣旨の規定があります(附則第6条)。

確認を受けようとする者は施行日前でも申請でき、市町村長は施行日前でも利用定員を定めて確認をすることができます。

その確認は、施行日以後は、改正後の子ども・子育て支援法の確認とみなされます。

市町村が条例で定める基準:1年間の経過措置がある

創設に伴い、市町村は条例で定める基準に満三歳以上限定小規模保育事業の内容を含める必要がある、と事務連絡は示しています。

ただし、令和8年4月1日(第3号施行日)から起算して1年を経過する日までは、条例の改正を要しないという経過措置があります。

その間は、内閣府令で定める基準が、条例で定められた基準とみなされると書かれています。

経過措置の対象となる2つの基準(事務連絡による)
対象根拠経過措置の内容
満三歳以上限定小規模保育事業(児童福祉法の事業)新児童福祉法第34条の16第1項の条例第2項の内閣府令で定める基準を、1年を経過する日までは、条例で定められた基準とみなす
満三歳以上限定小規模保育(子ども・子育て支援法の給付)新子ども・子育て支援法第46条第2項の条例第3項の内閣府令で定める基準を、1年を経過する日までは、条例で定められた基準とみなす

事務連絡によると、1年を経過する日より前に条例を制定した市町村では、その条例で定める日までが経過措置の期間になります。

どの基準が適用されるかを明確にするため、条例で定める日の取扱いに留意するよう、市町村に求めています。

事務連絡の参考には、一部改正条例を令和9年4月1日に施行し、その前日を条例で定める日とする場合の条文例が付いています。

市町村の事業計画:必要利用定員総数を定める必要があり、代用計画も可能

事務連絡は、都道府県と市町村の子ども・子育て支援事業計画を、満三歳以上限定小規模保育事業の創設に伴って変更するよう求めています。

市町村の事業計画の必須の記載事項として、特定地域型保育事業所に係る子ども・子育て支援法第19条第2号の子ども(満三歳以上限定小規模保育を利用するものに限る。)の必要利用定員総数が新たに加わります。

参照条文の第61条第2項第1号ロによると、この総数は、教育・保育提供区域ごとに、各年度について定めます。

令和8年4月1日には、乳児等のための支援給付の創設も重なるため、事務連絡は、都道府県と市町村の事務負担を踏まえた方法を示しています。

計画を変更せず、代わりの計画(代用計画)に必要な事項を盛り込み、今後計画を見直す際に内容を見直した上で計画に盛り込むことを可能にしています。

代用計画に関する事項は、別途連絡するとされています。

創設されていることと、自分の市町村で始められることは別

事業は令和8年4月1日に創設されましたが、市町村の条例の制定時期は市町村により異なり得ます。事務連絡は、市町村に向けた留意事項です。

開設を検討するときは、所在地の市町村に、条例の整備状況、事業計画での必要利用定員総数、認可・確認の手続きを確認してください。3歳以上児の受入れに関する既存の整理は小規模保育事業の3歳以上児の受入れを参照してください。

よくある質問

満三歳以上限定小規模保育事業は、いつから始められますか。

事業に係る規定は、令和8年4月1日から施行されると事務連絡に書かれています。参照条文では、認可・確認の申請や認可・確認は施行日前でもできるとされています。実際に始められる時期は、所在地の市町村に確認してください。

条例が整備されていない市町村では、事業は認められませんか。

令和8年4月1日から起算して1年を経過する日までは、条例の改正を要しない経過措置があり、その間は内閣府令で定める基準が条例で定められた基準とみなされます。実際の取扱いは市町村に確認してください。

この事業は、公定価格の試算に関係しますか。

この事務連絡は公定価格には触れていません。この試算ツールは公定価格(委託費)の算定のみを行います。満三歳以上限定小規模保育事業の基本分単価の表の位置づけは、小規模保育事業A型・B型・C型の令和8年度基本分単価表の読み方で、運営上の調整は満三歳以上限定小規模保育事業の食事・管理者・土曜日閉所の調整と定員の扱いで整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、令和7年9月29日の事務連絡の本文と参照条文(改正法附則、子ども・子育て支援法第61条)を扱い、別添は扱っていません。その後に整備された政令・内閣府令の内容は確認していません。

次に知りたいこと:小規模保育事業の3歳以上児の受入れ、小規模保育事業A型・B型・C型の令和8年度基本分単価表の読み方、満三歳以上限定小規模保育事業の食事・管理者・土曜日閉所の調整と定員の扱い

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