解説

保育所の消防用設備の点検と報告(年1回の報告・1,000㎡以上は消防設備士等による点検)

保育所は消防法第17条の3の3により、消防用設備等を定期に点検し、結果を消防長または消防署長へ報告します。報告は1年に1回、延べ面積1,000㎡以上などの園は消防設備士等に点検させる、という条文の読み方を整理します。

消防用設備は、設置したあとも定期に点検して消防署へ報告する

保育所の関係者は、消防用設備等を定期に点検し、その結果を消防長または消防署長へ報告する義務があります。

根拠は消防法第17条の3の3です。点検の頻度や報告の頻度は、消防法施行規則第31条の6が定めています。どの設備が必要かは『保育所の消防用設備の設置基準』で整理しています。

ここでの整理は条文の案内で、自園の点検義務の判定ではありません

点検の方法や報告書の様式は消防庁長官の定めに委ねられており、この記事では扱いません。自園の扱いは所轄の消防本部・消防署に確認してください。

報告は保育所を含む(六)項で、1年に1回

保育所の点検結果の報告は、1年に1回です。

施行規則第31条の6第3項第1号は、令別表第一(六)項に掲げる防火対象物の報告を「一年に一回」としています。保育所は(六)項ハ(3)に入るため、この区分です。倉庫や工場などが入る区分は「三年に一回」で、保育所は短い側にあたります。

点検そのものは、第1項で「種類及び点検内容に応じて、一年以内で消防庁長官が定める期間ごと」に行うとされています。設備によって点検の間隔が違うため、具体的な期間は消防庁長官の定めで確かめます。

第4項は、新型インフルエンザ等の事由で期間ごとの点検や報告が困難なとき、消防庁長官が定める期間によることを認めています。特例の有無は、その時点の消防庁の通知で確かめます。

延べ面積1,000㎡以上などの園は、消防設備士等に点検させる

保育所でも、点検を自園の職員だけで行える園と、消防設備士等に頼む必要がある園に分かれます。

施行令第36条第2項第1号は、(六)項に掲げる防火対象物で延べ面積が1,000㎡以上のものを、消防設備士免状の交付を受けている者または総務省令が定める資格を有する者(消防設備士等)に点検させる対象としています。

面積が小さくても、第3号に当たる園があります。(六)項の用途の部分が避難階以外の階にあり、その階から避難階や地上に直通する階段が2つ以上設けられていない建物です。階段が屋外にある場合や、総務省令が定める避難上有効な構造の場合は、1つで足りるとされています。

点検を消防設備士等に頼む対象(消防法施行令第36条第2項、e-Gov取得・確認日 2026-10-21)
号保育所に関わる条件
第1号(六)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が1,000㎡以上
第3号(六)項の用途の部分が避難階以外の階にあり、直通階段が2つ以上ない(屋外階段や避難上有効な構造は1つで足りる)
第4号ほかに、消防設備士等による点検が特に必要なものとして総務省令が定める防火対象物

1,000㎡未満でも、自園で点検してよいと決めつけない

第3号の階段の条件や、第4号の総務省令の定めに当たる可能性があります。2階以上に保育室がある園は特に、階段の数と構造を図面で確かめる必要があります。

図面を持って所轄の消防署に相談し、自園が第1号・第3号・第4号のどれに当たるかを確認します。

点検の結果は維持台帳に記録し、あわせて報告する

点検の結果は、維持台帳に記録したうえで報告します。

施行規則第31条の6第3項は、点検の結果を維持台帳に記録することを求めています。維持台帳は、設置時の届出書類の写し、検査済証、報告書の写し、工事や整備の経過一覧表など、維持管理に必要な書類を編冊したものです。

  1. 自園の区分を確認する

    延べ面積と、保育室のある階・階段の数から、点検を消防設備士等に頼む対象かを確かめます。

  2. 点検を行い、結果を記録する

    消防庁長官が定める期間ごとに点検し、結果を維持台帳に記録します。

  3. 1年に1回、消防署へ報告する

    報告書の様式は消防庁長官が定めます。提出先は所轄の消防長または消防署長です。

防火管理者の選任や消防計画、訓練は『保育所の防火管理者の選任と消防計画・訓練』で整理しています。点検の報告とは別の義務です。

よくある質問

保育所の消防設備の点検報告は何年に1回ですか。

消防法施行規則第31条の6第3項第1号により、令別表第一(六)項に掲げる保育所は1年に1回です。点検の頻度は、設備の種類ごとに消防庁長官が定める期間によります。

小規模な保育園は、点検を自分たちでできますか。

延べ面積が1,000㎡未満で、施行令第36条第2項第3号・第4号にも当たらない場合は、自ら点検する扱いがありえます。階段の数や構造で結論が変わるため、消防署で確認します。

点検の費用は公定価格の試算に入りますか。

試算結果には含まれません。点検や整備の費用は、園の運営費の中で別に見込みます。

次に知りたいこと:設備の設置基準、防火管理者、公定価格の試算

設置が必要な設備は『保育所の消防用設備の設置基準』、毎月の避難訓練は『保育所の非常災害対策と毎月1回の避難・消火訓練』、2階以上に保育室を置く場合は『保育所の2階・3階以上の建築要件』で整理しています。

確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。消防用設備の点検・整備の費用は、試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

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