解説

障害児を受け入れたときの加配の財源(保育所と地域型保育の違い)

保育所で障害児を受け入れて保育士を加配するとき公定価格に加算があるのか、地域型保育の障害児保育加算との違い、2歳児の単価の選び方を、公定価格FAQ第32版の問93・問260・問314で整理します。

この記事で確認すること

障害児を受け入れて保育士等を加配するとき、その人件費が公定価格のどこに入るのかは、事業の類型で異なります。

この記事は、公定価格FAQ(第32版)の問93・問260・問314の回答をもとに、保育所と地域型保育事業で加配の財源がどう分かれるかを整理します。

加算の単価は年度ごとの告示で確認してください。この記事は額を示しません。認可保育所の試算ツールには、障害児の加配を理由とした加算は含まれません。

保育所には、公定価格上の障害児加配の加算がない

問93は、地域型保育事業には公定価格上の加配の加算があるのに、認定こども園・幼稚園・保育所にはないのか、と問うものです。

回答は、地域型保育事業では障害児保育加算により保育士等を加配できる仕組みがある一方、認定こども園・幼稚園・保育所で障害児を受け入れた場合の加配に係る財政支援は「既存の仕組みにより対応することとしています」と述べています。

具体的には、保育所は「従来通りの地方交付税措置により対応する」とされています。

保育所の障害児の加配は、公定価格の加算ではなく、従来通りの地方交付税措置で対応するとされています。

障害児を受け入れた場合の加配への財政支援(問93の回答)
類型加配に係る財政支援
地域型保育事業公定価格の障害児保育加算で、保育士等を加配できる
保育所従来通りの地方交付税措置で対応する
私立幼稚園私学助成の特別補助(特別支援教育経費)で対応する
認定こども園で、私学助成や障害児保育事業の対象とならない障害児多様な事業者の参入促進・能力活用事業(認定こども園特別支援教育・保育経費)で対応する

公定価格の試算に、障害児の加配を足さない

保育所の公定価格に障害児の加配の加算はありません。試算結果に障害児の加配の人件費が入っていると読むと、収入を過大に見込みます。

障害児の加配に使える補助は、所在する市町村の制度として、補助の名称・対象となる子どもの条件・申請の窓口を市町村に確認し、公定価格の試算とは別に管理します。

地域型保育事業の障害児保育加算:2歳児の単価の選び方

地域型保育事業のうち小規模保育事業と事業所内保育事業では、障害児保育加算に、1歳児配置改善加算の適用がない場合と、適用がある場合の2つの単価があります。

問260は、特別な支援が必要な子どもが2歳児(1・2歳児のうち年度の初日の前日における満年齢が1歳ではない子ども)のとき、どちらを使うかを問うものです。

回答は、障害児保育加算の要件を満たしている事業所で、特別な支援が必要な子どもが2歳児の場合には「1歳児配置改善加算の適用がない場合」を、その子どもの単価に加算するとしています。

事業所が1歳児配置改善加算を受けているかだけでは、単価は決まらず、子どもの年齢も見ます。

障害児保育加算の単価の選び方(問260のパターン)
事業所の状況子どもの区分加算する単価
1歳児配置改善加算の適用を受ける事業所特別な支援が必要な1歳児「1歳児配置改善加算の適用がある場合」の単価
1歳児配置改善加算の適用を受ける事業所上記以外の特別な支援が必要な子ども「1歳児配置改善加算の適用がない場合」の単価
1歳児配置改善加算の適用がない事業所特別な支援が必要な子ども全員「1歳児配置改善加算の適用がない場合」の単価

療育支援加算は、障害児保育加算と別に認定される

問314は、小規模保育事業所等が療育支援加算の認定を受けるときに、障害児保育加算を受けている必要があるかを問うものです。回答は「必要ありません」です。

療育支援加算の認定区分と要件は療育支援加算の認定区分と要件、取組の一部ができない場合の扱いは療育支援加算の取組の一部ができない場合で整理しています。

障害児保育加算と療育支援加算は、別の加算として、それぞれの要件で確認します。

確認の手順

確認は次の4つの項目で進めます。

自園の類型を先に決めると、確認先が分かれます。

  1. 自園の類型を確認する

    保育所か、小規模保育事業・事業所内保育事業などの地域型保育事業かを確認します。問93の回答は、この類型で財源を分けています。

  2. 保育所は、市町村の加配の仕組みを確認する

    問93の回答は、保育所の加配を地方交付税措置で対応するとしています。また問309の回答は、保育所の場合に「各市町村が行う障害児保育に係る加配の対象になる利用子ども」という言い方をしています。両者の関係はFAQに書かれていないため、対象となる子どもの条件と申請の方法を、所在する市町村に確認します。

  3. 地域型保育事業は、加算の要件と単価を確認する

    障害児保育加算の要件を満たしているかと、1歳児配置改善加算の適用の有無、子どもの年齢を、年度ごとの通知で確認します。

  4. 療育支援加算は別に確認する

    障害児保育加算を受けていなくても、療育支援加算の認定を受けることは妨げられません。認定の要件は療育支援加算の記事で確認します。

公定価格の全体の構造は公定価格の決まり方、年齢別の配置基準は年齢別の配置基準で確認できます。

自園の条件で試算する

認可保育所の所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(施設型給付費・委託費)を試算します。

障害児の加配に係る市町村の補助は試算に含まれないため、補助の扱いは所在する市町村へ確認してください。

公定価格の試算を開く

よくある質問

FAQ問93・問260・問314の回答を、質問の形で整理します。

保育所の障害児の加配は、公定価格の加算ではありません。

保育所で障害児を受け入れて保育士を加配すると、公定価格に加算されますか。

FAQ問93の回答では、保育所の加配に係る財政支援は公定価格の加算ではなく、従来通りの地方交付税措置で対応するとされています。

地域型保育事業の障害児保育加算は、2歳児にどの単価を使いますか。

FAQ問260の回答では、障害児保育加算の要件を満たす事業所で、特別な支援が必要な子どもが2歳児の場合は、「1歳児配置改善加算の適用がない場合」の単価を加算するとされています。

療育支援加算を受けるには、障害児保育加算を受けている必要がありますか。

FAQ問314の回答では、障害児保育加算を受けている必要はありません。

次に知りたいこと:療育支援加算の取組が一部できないときの要件の判断、療育支援加算とは?対象・要件・区分A〜D・認定の確認(令和8年度)、基本分単価の保育士数は年齢区分ごとの比率で決まる

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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