解説

基本分単価の内訳どおりに人件費を払わないと単価は変わるか(公定価格FAQ No.14)

基本分単価の内訳に人件費や減価償却費が算定されていても、その内訳どおりに支払う義務があるのか、実際の支出で単価が増減するのかを、公定価格に関するFAQ第32版のNo.14に沿って整理します。私立保育所の委託費の扱いも分けて説明します。

FAQ No.14:内訳と異なる支払いをしたとき、単価は増減するか

公定価格に関するFAQ(第32版・令和8年7月24日時点版)のNo.14は、事項欄が「基本部分」の質問です。

質問の要旨は、基本分単価の内訳には人件費、社会保険料の事業主負担金、減価償却費などの経費が算定されているが、積算と異なる使途や異なる金額で人件費等を支払った場合、基本分単価は各施設・事業の実態に応じて加算・減算されるのか、というものです。

答えは、個別の支出額に応じて単価を変更するものではない、です。

FAQの対象施設の表では、全ての施設・事業の区分に印がついており、保育所も含まれます。

この記事は、単価が支出で増減するかどうかの考え方を扱います。単価そのものの数値は、試算ツールが公式の告示から持っています。

回答の2つの部分:施設型給付費の使途制限と、私立保育所の委託費

回答は、施設型給付費と私立保育所の委託費で、書き分けています。

FAQ No.14の回答の要点(第32版)
対象回答に書かれている内容
施設型給付費使途制限を設けておらず、各施設における人件費等の費用を全て積算どおりに支払わなければならないものではない。個別の支出額に応じて単価を変更するものではない
私立保育所市町村からの委託費として支払われるため、使途の取扱いについては一定の範囲を定めることとしている。その範囲は「子ども・子育て支援法附則第6条の規定による私立保育所に対する委託費の経理等について」(平成27年9月3日 府子本第254号、雇児発0903第6号)で定めている

私立保育所については、FAQは使途の範囲を経理通知で定めていると答えています。委託費の単価が支出で増減するかどうかは、この回答には書かれていません。

試算の単価と実際の支出を分けて読む

試算で出る単価は、園の支出の予定額ではありません。

基本分単価の内訳に人件費や減価償却費が含まれていても、それは単価を積み上げたときの区分です。園の実際の人件費がその額より多くても少なくても、単価は変わりません。

ただし、利用定員を変更して定員の区分が変わると、基本分単価の区分も変わります。詳しくは利用定員を変更すると、基本分単価はどう変わるかで説明しています。支出の多少と、定員の区分の変化は、分けて考えます。

内訳の人件費の額を、園の給与の額と同じと決めつけない

FAQが答えているのは、内訳の額どおりに支払う義務がないことと、支出で単価が増減しないことです。内訳の人件費の額が園の給与の額に等しいとは、FAQには記載がありません。

園の給与の額は、園自身の賃金台帳などで確認する。

私立保育所が使途の範囲を確認するとき

私立保育所の委託費は、経理通知が定める範囲の中で使います。

  1. 委託費の経理通知を確認する

    FAQが挙げる平成27年9月3日付の通知(府子本第254号、雇児発0903第6号)の最新の内容を、こども家庭庁や所轄の市町村の案内で確認します。

  2. 区分間の流用や積立の扱いを見る

    経理通知では、委託費は人件費・管理費・事業費に分けて使うのが原則で、区分をまたぐ使い方は弾力運用の要件を満たす場合に限られます(FAQ No.14自体には区分の定めはありません)。

  3. 市町村へ確認する

    通知の適用の細部は、所轄の市町村に確認します。

弾力運用の要件は委託費の弾力運用の要件、委託費の法的な位置づけは私立保育所の公定価格「委託費」の法的根拠と施設型給付費との違いで説明しています。

よくある質問

内訳と実際の支払いの関係で、よく聞かれる3点です。

基本分単価の内訳の人件費より少ない給与を払うと、単価は減りますか。

減りません。FAQ No.14は、個別の支出額に応じて単価を変更するものではないと答えています。

内訳に入っている費用は、必ずその費用に使わなければなりませんか。

施設型給付費については、使途制限を設けておらず、全てを積算どおりに支払わなければならないものではないとFAQは答えています。私立保育所の委託費は、経理通知が定める範囲で使います。

私立保育所の使途の範囲は、どこに書かれていますか。

FAQは、「子ども・子育て支援法附則第6条の規定による私立保育所に対する委託費の経理等について」(平成27年9月3日 府子本第254号、雇児発0903第6号)を挙げています。

次に読む記事

単価の中身と、実際の支出の扱いは、あわせて見ておきます。基本分単価に含まれる職員と費用の区分は基本分単価に含まれる職員と費用の区分で説明しています。

自園の条件で試算する

所在地、利用定員、年齢別の子ども数から基本分単価を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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