解説

実費徴収に係る補足給付事業とは?公定価格の加算ではなく市町村の事業

実費徴収に係る補足給付事業は、公定価格の加算ではなく市町村が行う地域子ども・子育て支援事業です。2種類の補助の違いと、保護者に聞かれたときの施設の答え方を説明します。

補足給付事業は公定価格の加算ではない

実費徴収に係る補足給付事業は、低所得などで生計が困難な家庭の子どもが保育や教育を受けるとき、保護者が支払う実費の一部を補助する事業です。

公定価格(委託費)の加算ではなく、市町村が行う地域子ども・子育て支援事業の一つです。施設に入る委託費の計算には登場しません。

令和8年度の文部科学省資料は、この事業を「地域子ども・子育て支援事業の1つ」とし、市町村が事業の実施と給付対象者の範囲を決定すると説明しています。国の実施要綱の別紙(令和元年9月6日の一部改正通知)も、目的を、保護者が支払うべき実費徴収に係る費用の一部を補助して施設の利用を円滑にすることと定めています。

補助は2種類ある(日用品・文房具等と副食材料費)

実施要綱の別紙は、補助を2種類に分けています。

保育所など教育・保育給付の認定を受けた保護者向けの日用品・文房具等の補助と、施設等利用給付の認定を受けた保護者向けの副食材料費の補助です。

補足給付事業の2種類の補助
比較項目日用品・文房具等の補助副食材料費の補助
対象になる費用日用品、文房具その他の必要な物品の購入費や行事への参加費など(市町村が定めるもの)食事の提供のうち副食の提供にかかる実費
対象の保護者生活保護世帯などと、これに準ずる者として市町村が認める保護者認定こども園・幼稚園を利用する満3歳以上の子どもで、所得や子どもの人数などの要件に当たる保護者
施設の範囲特定教育・保育施設の実費徴収新制度に移行していない園に限る(令和8年度の文部科学省資料)

対象となる費用は、運営基準第13条第4項の実費徴収の範囲に限られます。実費徴収の範囲は実費徴収と上乗せ徴収の違いで説明しています。

新制度の園(1号認定)の副食費は、補足給付ではなく公定価格の加算で扱う

令和8年度の文部科学省資料は、新制度に移行している園の1号認定の副食材料費については、公定価格の副食費徴収免除加算が支給されていると説明しています。

副食費の補足給付は新制度に移行していない園に限られ、新制度の園の1号認定の副食費免除は、公定価格の加算の側で扱います。保育所など他の区分の扱いは、この資料では確認できていません。

新制度の施設で副食費の徴収免除がどう扱われるかは、副食費徴収免除加算の確認で説明しています。主食費・副食費が公定価格の試算に入らない理由は、副食費・主食費は公定価格の試算に入らない理由を参照してください。

保護者に聞かれたときの施設の答え方

保護者から「実費の補助はありますか」と聞かれたとき、対象になるかどうかは市町村が決めるため、施設は判定せず、市町村の担当窓口を案内します。要件や補助の内容は市町村によって異なりえます。

  1. 公定価格の加算とは別の事業であることを伝える

    補助を受けられるかどうかは、施設の加算ではなく市町村の事業の対象かどうかで決まります。

  2. 市町村の担当窓口を案内する

    対象者の範囲、申請の方法、必要な書類は市町村が決めるため、所在地の市町村の子育て支援担当課への問い合わせを案内します。

  3. 市町村から施設への支払いの連絡があれば従う

    実施要綱は、市町村が対象者の同意を得た上で施設に通知し、対象者に代わって施設に直接支払える仕組みを定めています。この支払いがあったときは、対象者に補助があったものとみなされます。取り扱いは市町村の通知に従います。

施設が対象かどうかを判定すると誤案内になる

所得の基準や対象の範囲は市町村が決め、年度で見直されることもあります。この記事は国の実施要綱で確認できた範囲だけを扱い、所得基準や補助の上限額は書いていません。

個別の保護者の案内は、所在地の市町村に確認してから行う。

試算での扱い

この試算ツールは公定価格(委託費)の算定のみを行い、補足給付事業の金額は試算に含みません。補足給付は市町村が行う別の事業で、委託費の計算式にも入りません。

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、令和元年9月6日の一部改正通知の別紙と令和8年度の文部科学省資料で確認できた範囲を扱います。現行の令和6年4月23日付通知の別紙の原文は未確認のため、最新の要件は所在地の市町村へ確認してください。

次に知りたいこと:副食費徴収免除加算の確認、市区町村の独自補助と公定価格の切り分け方。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • 実費徴収・上乗せ徴収は、公定価格の試算に含まれるか

    実費徴収と上乗せ徴収は、公定価格(委託費)とは別に保護者から直接受け取る費用です。運営基準が定める2つの違いと、説明・同意・領収証の手続き、試算での扱いを説明します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 委託費の積立資産の種類(4種類)と目的外使用の手続き

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    関連する理由: 共通する試算入力

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    事業所内保育事業の令和8年度の基本分単価は、告示の別表第3に、定員19人以下(小規模保育事業A型の基準・B型の基準)と定員20人以上が別々の表で載っています。定員19人以下の表の行と列の軸、従業員枠の欄、小規模保育の表との違いを整理します。金額は告示の原文で確認します。

    関連する理由: 共通する試算入力

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