解説

公定価格の試算が委託費通知とずれたときの確認順(3段)

試算結果と、市町村から届いた委託費(施設型給付費)の通知額が合わないときに、どこから確かめるかを3段に分けて整理します。入力の取り違え、制度の年度版や古いツールとの差、自治体の取扱いの順に、確認先の記事を示します。

ずれの原因は、入力・制度版・自治体の取扱いの3段に分けて探す

試算の額が通知額と合わないときは、思いつく原因から順に当たるより、確認する段を決めておくほうが早く切り分けられます。

確認の順は、自分で直せる入力、次に制度の年度版、最後に自治体の取扱いです。

前の段で原因が見つかれば、後ろの段は確認しなくてすみます。

ずれを探す3段と、確認する内容
段確認する内容確認先
1段目:入力所在地・利用定員・年度年齢・保育必要量・月初在籍数の入力が、通知の前提と同じか下の表と各記事
2段目:制度版試算が令和8年度当初の告示・通知に基づくか。別の年度版や古いツールの結果と比べていないか年度版の比べ方・国の試算ソフトとの差
3段目:自治体の取扱い認定区分の変更や月途中の出入りの精算など、市町村が決める部分がずれの原因でないか対象外の事項の確認

この記事は、ずれの原因を探す順序を示すものです。通知額が正しいか、試算が正しいかの判定や、個別の給付額の判断はしません。実際の公定価格は所在地の市町村が算定します。

1段目:入力が通知の前提と同じかを確認する

基本分単価は、地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量区分の組合せで決まります。

通知額と試算が違うとき、まず見直すのは自分で直せる入力です。

次の表の順に、入力した値を通知の前提と照らします。

入力の確認項目と、確認する記事
確認項目取り違えやすい点確認する記事
地域区分施設が所在する市町村の区分で見る地域区分と単価の根拠
定員区分利用定員で見る利用定員の変更と基本分単価
年齢区分年度の初日の前日の満年齢で見る。年度の途中では変わらない年齢区分と配置基準の確認
認定区分・保育必要量2号・3号と、保育標準時間・保育短時間は別の列認定区分(2号・3号)と年齢区分の対応・認定区分・保育必要量の確認
月初在籍数各月の初日の利用子ども数で入れる。月途中の入所は含めない年間見込み額の出し方
加算の認定の有無認定を受けている加算だけを入れる療育支援加算の区分と月初利用子ども数

年間の額を比べるとき、4月の1か月分を12倍にしない

3月分だけに入る加算を毎月入れたり、月ごとの月初在籍数の増減を無視したりすると、年間の額が通知額とずれます。

月ごとの額を4月から3月まで並べて合算し、3月分だけの加算は3月にだけ入れる。毎月入る加算と3月分だけに入る加算の区別の記事に、7加算の一覧がある。

2段目:制度の年度版と、使ったツールが同じかを確認する

入力が合っていても、比べている制度の版が違うと額はずれます。

この試算は令和8年度当初の告示と留意事項通知に基づきます。手元の通知がどの年度のものか、先に確かめます。

項目の番号で通知と告示を突き合わせるときは、項目番号(①〜㉞)の見方が使えます。

  1. 年度版

    年度が違う通知額と比べても合いません。年度改定をまたいで比べる条件は年度版の比べ方で確認します。

  2. 古い試算ツール

    こども家庭庁が公開している保育所版の試算ソフトは令和4年度版で、令和8年度の通知にある加算・減算の入力欄が見当たらない項目があります。ソフトの結果と比べるときは国の試算ソフトとの差を確認します。

  3. 端数の処理

    10円未満の端数をどの段階で切り捨てるかは、項目によって通知の明記が違います。差が小さいときは公定価格の端数処理で確認します。

3段目:自治体の取扱いがずれの原因でないかを確認する

入力も制度版も合っているときは、市町村が決める部分を確認します。

市町村の認定や算定の結果は、試算では確定できません。

試算は全国共通の部分を示すもので、自治体ごとの取扱いは別に問い合わせて確かめます。

市町村に確認する事項の例
事項試算で分かること市町村に確認すること
認定区分の変更同じ施設・事業所を利用し続ける場合、通知は、変更した日の属する月の翌月から新区分を適用し、月初日の変更はその月から適用すると定めている子どもごとの変更日と、通知額に反映された月
月途中の入所・退所月途中の利用開始・終了は日割りで算定し、翌月に精算される精算が通知額のどの月に入っているか
定員超過などの調整年間平均在所率の算定方法は通知に定められている調整の適用の有無(市町村が認定する)

認定区分の変更の適用月は認定区分変更の適用月、月途中の入退所の日割りは月途中の入園・退園時の計算で説明しています。

定員超過の調整の仕組みは定員超過と公定価格を確認してください。

ずれの理由を、自治体の事情だと決めつけない

入力や制度版の取り違えが残っているうちに「自治体の取扱いが違う」と判断すると、直せる誤りを見落とします。

1段目・2段目の確認結果を書き出してから、市町村へ問い合わせる。確認結果を添えると、問い合わせの内容が伝わりやすくなる。

確認の記録を残して、市町村への問い合わせにつなぐ

  1. 試算の入力値を書き出す

    所在地・利用定員・年度年齢別と保育必要量別の月初在籍数・認定を受けている加算を、通知の前提と並べて書きます。

  2. 制度版を確かめる

    手元の通知の年度と、試算の制度版が同じかを確かめます。

  3. 差額の出る項目を絞る

    基本分単価、加算、減算、調整のうち、どの列で差が出ているかを絞ります。

  4. 市町村へ確認する事項を決める

    1段目・2段目で解消しない差だけを、認定区分の変更日や精算月などの具体的な事項にして問い合わせます。

よくある質問

ずれの原因は、入力・制度版・自治体の取扱いの順に確認します。

試算額と通知額が違うのは、試算が間違っているからですか。

断定できません。入力の取り違え、制度の年度版の違い、自治体の取扱いのどれでも差は出ます。この記事は原因を探す順序を示すもので、どちらが正しいかの判定はしません。

月ごとの通知額を4月と比べてずれていたら、何を見ますか。

月初在籍数の増減、認定区分の変更月、3月分だけに入る加算の有無を、月ごとに見ます。

国の試算ソフトの結果と合わないのは、なぜですか。

公開されているソフトは令和4年度版で、令和8年度の通知にある加算・減算の入力欄が見当たらない項目があるためです。

自治体に確認する前に、何をそろえておけばよいですか。

入力値、制度版、差の出ている項目を書き出しておきます。確認する事項を絞ると、問い合わせの内容が伝わりやすくなります。

入力を見直して試算し直す

入力を1段目の表に沿って見直してから、試算をやり直します。

所在地・利用定員と、年度年齢・保育標準時間・保育短時間別の月初在籍数を入力できます。通知額が正しいかの判定や、個別の給付額の判断はしません。

入力を見直して公定価格を試算する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

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