解説

小規模保育事業の3歳以上児の受入れ(令和5年4月21日の通知と事業者向けFAQの改正)

小規模保育事業は、原則として0歳から2歳の子どもを対象にしています。令和5年4月21日のこども家庭庁の通知は、3歳未満児を対象とする小規模保育事業が満3歳以上の幼児を受け入れることを、市町村がニーズに応じて柔軟に判断できるとしました。通知の原文に沿って、受入れの根拠、FAQの改正点、配慮すべき点、国家戦略特別区域との違いを整理します。

小規模保育事業は原則3歳未満児が対象で、地域の実情で3歳以上児も受け入れられる

通知は、小規模保育事業を、利用定員が6人以上19人以下の保育施設で、原則として保育を必要とする0歳から2歳までの乳児・幼児の保育を行う事業としています。

根拠として挙げられているのは児童福祉法第6条の3第10項第1号です。

同項第2号の規定に基づき、満3歳以上の幼児に係る保育の体制の整備の状況その他の地域の実情を勘案して、3歳以上児を受け入れることができるとされています。

通知は、令和5年4月21日付けで、こども家庭庁成育局長から各都道府県知事・指定都市市長・中核市市長へ出されたもの(こ成保22号)です。地方自治法第245条の4第1項に基づく技術的助言と書かれています。自園の受入れの可否は、所在地の市町村の判断によるため、市町村に確認してください。

通知の趣旨:受入れの可否を、市町村がニーズに応じて柔軟に判断できる

通知は、こどもの保育の選択肢を広げる観点から、全国で3歳以上児を受け入れることについて、市町村がニーズに応じて柔軟に判断できることとした、と書いています。

通知は、受入れの可否を市町村の判断としています。

事業者向けFAQ(第7版)のQ7の改正点

通知は、解釈を示す事業者向けFAQ【第7版】(平成27年3月)のQ7を改正するとして、新旧対照表を付けています。

改正前は、市町村が特に必要と認めた場合に受け入れることも可能と書かれ、改正後は、保育の体制整備の状況その他の地域の事情を勘案して、3歳以上児の保育が必要な場合に受け入れることも可能と書かれています。

FAQ【第7版】Q7の新旧(新旧対照表による)
区分受入れが可能とされている場合
改正前(現行)近くに教育・保育施設(幼稚園、保育所、認定こども園)がない場合や、きょうだいで別々の施設に通園せざるを得ない場合など、市町村が特に必要と認めた場合
改正後近くに教育・保育施設がない場合や、きょうだいで別々の施設に通園せざるを得ない場合、集団生活を行うことが困難である場合など、保育の体制整備の状況その他の地域の事情を勘案して、3歳以上児の保育が必要な場合

改正後には、例に「集団生活を行うことが困難である場合」が加わりました。

過疎地やへき地などで近くに教育・保育施設がない場合という例は、改正の前後で変わっていません。

3歳以上児を受け入れるときの留意事項

通知は、小規模保育事業で3歳以上児を受け入れる場合に、集団での遊びの種類や機会に課題がある点に留意が必要としています。

適切に配慮・工夫を行うよう求めており、参考に挙げられているのは平成29年9月22日の通知の記の3です。

通知は、その記の3にある「異なる年齢の乳幼児を集団で保育する場合における個々の乳幼児の発育及び発達の過程等に応じた適切な支援及び3歳以上児を保育する場合における集団保育の提供のための配慮等」も参照するよう求めています。

通知が示しているのは受け入れられる場合の考え方で、受入れの条件や手続きは書かれていない

通知は、3歳以上児の受入れを市町村が判断できることと、留意事項を示しています。申請の様式、必要な書類、受入れできる人数、職員配置の追加の要否は、通知の本文には書かれていません。

受け入れを検討するときは、所在地の市町村に、受入れを認める方針の有無と、手続き、配慮の求め方を確認する。職員配置は小規模保育A型・B型・C型の職員配置を保育所と比べる(保育士の割合)で整理しています。

国家戦略特別区域の特区小規模保育事業との違い

通知は、前提として、国家戦略特別区域法第12条の4の特例を挙げています。

特例により、国家戦略特別区域では、事業者の判断で小規模保育事業の対象年齢を0歳から5歳の間で柔軟に定めることができる、と書かれています。

今回の通知は、この特例の区域に限らず、全国で、市町村が判断して3歳以上児を受け入れられるようにしたものです。

よくある質問

小規模保育事業は、3歳以上児を受け入れてよいのですか。

児童福祉法第6条の3第10項第2号の規定に基づき、地域の実情を勘案して受け入れることができるとされています。通知は、受入れを認めるかどうかを市町村がニーズに応じて柔軟に判断できるとしています。自園の可否は、所在地の市町村に確認してください。

3歳以上児を受け入れる場合、職員配置の基準は変わりますか。

通知の本文には、職員配置の基準の変更は書かれていません。集団での遊びの種類や機会に課題があることに留意し、配慮・工夫を行うよう求めています。配置の扱いは市町村に確認してください。

3歳以上児の受入れは、公定価格の試算に関係しますか。

通知は公定価格には触れていません。この試算ツールは公定価格(委託費)の算定のみを行い、3歳以上児の受入れの可否は試算に含めていません。小規模保育の基本分単価の表の読み方は、小規模保育事業A型・B型・C型の令和8年度基本分単価表の読み方で整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、令和5年4月21日の通知の本文と、新旧対照表、参考として付けられた平成29年9月22日の通知の冒頭に書かれた範囲だけを扱います。通知のその後の改正の有無は確認していません。受入れの可否は、所轄の市町村に確認してください。

次に知りたいこと:小規模保育A型・B型・C型の職員配置を保育所と比べる(保育士の割合)、小規模保育事業A型・B型・C型の令和8年度基本分単価表の読み方、障害児を受け入れたときの加配の財源(保育所と地域型保育の違い)

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  • 試算前の確認事項の一覧

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この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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