解説

認可外保育施設の指導監督基準:給食の衛生管理と、児童・職員の健康診断・検便の頻度

認可外保育施設の指導監督基準のうち、給食の衛生管理と献立、児童の発育チェック(毎月)と健康診断(利用開始時と年2回)、職員の健康診断と調理職員の検便の頻度を、こども家庭庁の通知の原文で確認します。

健康管理の頻度は、毎日の観察・毎月の発育チェック・年2回の健康診断に分かれる

こども家庭庁の通知「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」の指導監督基準は、「第7 健康管理・安全確保」で、児童と職員の健康を確かめる頻度を定めています。

児童は、毎日の観察、毎月の発育チェック、利用開始時と年2回の健康診断の3段階で確かめます。

職員は、採用時と年1回の健康診断に加え、調理に携わる職員の検便がおおむね月1回求められます。

健康管理の頻度(指導監督基準 第7、確認日 2026-10-25)
対象確かめること頻度
児童一人一人の健康状態の観察(体温、排便、食事、睡眠、表情、皮膚の異常の有無や機嫌など)と、保護者との報告のやりとり登園と降園のたびに毎日
児童身長や体重の測定など、基本的な発育チェック毎月定期的に
児童継続して保育している児童の健康診断利用開始時と、1年に2回
職員健康診断採用時と、1年に1回
調理に携わる職員検便おおむね月1回

児童の健康診断を直接実施できない場合、通知は、保護者から健康診断書の提出を受ける、母子健康手帳の写しを提出させるなどで、児童の健康状態を確認するよう示しています。

職員の健康診断は、通知によると、労働安全衛生法にもとづく労働安全衛生規則で義務づけられています。

入所時の確認にも、通知は触れています。

入所のときに、児童の体質とかかりつけ医を確認し、保育施設の近くの病院などの一覧を作って、すべての保育従事者に周知することが求められます。

医薬品は、体温計、水まくら、消毒薬、絆創膏類を、最低限そろえておく例が挙げられています。

給食は、調理室から食器・哺乳ビンまでの衛生管理と、献立に沿った調理が基準

「第6 給食」は、衛生管理の状況と、食事内容の状況の2点を基準にしています。

調理室、調理、配膳、食器などの衛生管理を適切に行うことと、あらかじめ作成した献立に従って調理することが、基準の中心です。

給食の基準と、通知が添える具体例(指導監督基準 第6)
区分基準通知が添える具体例
衛生管理調理室、調理、配膳、食器等の衛生管理を適切に行うこと食器類はよく洗い十分に殺菌する。ふきん、まな板、鍋も同様にする。哺乳ビンは使うたびによく洗って滅菌する。食器類と哺乳ビンは児童や保育従事者の間で共用しない。原材料と調理済み食品は、冷凍・冷蔵設備を活用して適切な温度で保存する
食事内容児童の年齢や発達、健康状態(アレルギー疾患等を含む)に配慮した食事内容とすること乳児にミルクを与えたときは、ゲップをさせるなどの授乳後の処置を行う。離乳食の時期の乳児は、食事後の状況に注意を払う
献立調理は、あらかじめ作成した献立に従って行うこと食事摂取基準を踏まえ、児童の嗜好も踏まえた変化のある献立にする。独自に作れない場合は、市区町村等が作成した認可保育所の献立を活用する工夫を示している

お弁当とアレルギーの扱いも、通知に書かれています。

家庭から弁当を持参してもらう場合や、やむを得ず市販の弁当を使う場合は、家庭と連携し、児童の健康状態や刻み食など年齢に応じた配慮を行うよう示されています。

アレルギー疾患のある子どもは、保護者と連携し、医師の診断と指示にもとづいて対応することが求められます。

通知は、取り組む際の参考として、保育所における食事の提供ガイドライン(平成24年3月)と保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)を挙げています。

居宅訪問型保育にあたる業務を目的とする施設でも、食事を提供する場合は衛生面の注意が必要なため、必要に応じて給食の基準が適用されます。調理に携わる職員の検便も、提供の頻度や内容に応じて、必要に応じて適用されます。

感染症は、かかりつけ医の指示に従うよう保護者に伝え、再登園は書面などで確かめる

通知は、居宅訪問型保育にあたる業務を目的とする施設以外の施設に、感染症への対応を求めています。

感染症にかかっていることが分かった児童は、かかりつけ医の指示に従うよう保護者に指示します。感染症の疑いがある場合も同じです。

  1. 再登園は、かかりつけ医とのやりとりを記した書面などで確かめる

    通知は、書面の提出など、かかりつけ医による判断の確認について、保護者の理解と協力を求めることも必要としています。書面は電磁的記録でもよいとされています。

  2. 歯ブラシ・コップ・タオル・ハンカチは共用しない

    児童や保育従事者の間で共用せず、一人一人のものを準備します。

  3. 参考にするガイドライン

    通知は、保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)を参考にするよう示しています。

居宅訪問型保育にあたる業務を目的とする施設は、基準の書き方が別です。

感染予防のための対策を行うこととされ、手指の衛生や咳エチケットの実施が例に挙がっています。

この区分には、発育チェックと児童の健康診断、医薬品の整備の基準が、原則として適用されません。

開設前に整える記録と手配の順序

健康管理の基準は頻度が決まっているため、年間の予定表にしておくと抜けを防げます。

以下は通知の要件そのものではなく、基準を運用に落とすときの一例です。

  1. 児童ごとに、利用開始時の健康診断の結果か、健康診断書・母子健康手帳の写しを受け取る

    あわせて、体質とかかりつけ医を聞き取り、近くの病院などの一覧を作って全員に周知します。

  2. 毎月の発育チェックの日と、年2回の健康診断の時期を、年間の予定表に入れる

    児童の健康診断は、利用開始時と年2回です。直接実施するか、保護者から健康診断書を受け取るかは、事前に決めておきます。

  3. 職員の健康診断(採用時と年1回)と、調理職員の検便(おおむね月1回)の手配を決める

    検便は調理に携わる職員が対象です。

  4. 食器・哺乳ビンの洗浄と滅菌、食品の保存温度の手順を書いておく

    共用しない物の一覧もあわせて作ります。

  5. 献立の作り方を決める

    自前で作るか、市区町村等が作成した認可保育所の献立を活用するかを決めます。アレルギーのある児童は、医師の診断と指示にもとづく対応を保護者と確認します。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は、通知が定める給食と健康管理の基準を説明するもので、個別の施設が基準に適合しているかの判定は行いません。

食品衛生法にもとづく調理施設の届出、健康診断の項目、検便の検査項目、自治体が独自に定める基準は扱いません。この試算ツールの対象は認可保育所の公定価格で、認可外保育施設の指導監督は対象外です。

次に読むなら、職員の数と資格の基準は認可外保育施設の指導監督基準:保育に従事する者の数と資格者の割合、防災の基準は認可外保育施設の指導監督基準:非常災害の設備・訓練と、保育室を2階以上に設ける条件、行政への報告は認可外保育施設の運営状況報告です。

よくある質問

認可外保育施設の児童の健康診断は、年に何回ですか。

継続して保育している児童は、利用開始時と1年に2回、健康診断を実施することが基準です。直接実施できない場合は、保護者から健康診断書の提出を受けるなどで確認します。

調理をする職員の検便は、どのくらいの頻度ですか。

調理に携わる職員には、おおむね月1回の検便を実施することが基準です。職員の健康診断は、採用時と1年に1回です。

身長や体重の測定は、どのくらいの頻度で行いますか。

身長や体重の測定など、基本的な発育チェックを毎月定期的に行うことが基準です。

献立を自分で作れないときは、どうすればよいですか。

通知は、独自で献立を作ることが困難な場合に、市区町村等が作成した認可保育所の献立を活用するなどの工夫を示しています。調理は、あらかじめ作成した献立に従って行います。

この試算ツールで、認可外保育施設の基準を確認できますか。

できません。この試算は認可保育所の公定価格の算定に特化しており、認可外保育施設の指導監督基準は対象外です。

自園の条件で試算する

認可保育所として運営する場合の公定価格(委託費)を、所在地・定員・年齢別の園児数から試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

この記事が参照した一次資料

    ほかの解説

    「分園・合併・認定こども園への移行を検討するとき」の解説一覧へ